『紀伊國屋書店 イトーヨーカドー木場店』ポップの達人が織りなす棚づくり

商業施設内の好立地で前後の買い物も便利。
商業施設内の好立地で前後の買い物も便利。
店長の平野さんとスタッフの鈴木さん。
店長の平野さんとスタッフの鈴木さん。

じっくり回れば店内そのものが仕掛け絵本に思えてくるほど、目を引く凝ったポップや装飾がそこかしこに。「スタッフ全員で考える」がモットーの店長・平野千恵子さんを中心に、新刊だけでなく既刊の文芸書にもスポットを当てる「掘り起こし」にも注力しており、訪れるたびに未知の本と出合えそう。

直近で行われた辻村深月フェアは、ほとばしる熱量に思わず手に取りたくなること間違いなし。
直近で行われた辻村深月フェアは、ほとばしる熱量に思わず手に取りたくなること間違いなし。

『紀伊國屋書店 イトーヨーカドー木場店』店舗詳細

住所:東京都江東区木場1-5−30 イトーヨーカドー木場店 2F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:地下鉄東西線木場駅から徒歩5分

『文教堂書店 東陽町駅前店』駅前で20年余。質実剛健な新刊書店

2021年から100円ショップとフロアを共にする。
2021年から100円ショップとフロアを共にする。
店長の佐々木さん。売れ筋の地元本『洲崎パラダイス』と。
店長の佐々木さん。売れ筋の地元本『洲崎パラダイス』と。

区の主要施設が集まる東陽町駅の目の前なだけあって、堅実な品揃え。コンパクトな店内だが、江東区ゆかりの本をあつめた地元本コーナーや、放課後に訪れる高校生のための学習参考書など、お客さん思いの細やかな気配りが随所に施されている。「SNSでの発信にも力を入れています」と店長の佐々木紀行さん。

文芸書棚付近の地元の本コーナーには、意外な作品も見つかるかも……?
文芸書棚付近の地元の本コーナーには、意外な作品も見つかるかも……?

『文教堂書店 東陽町駅前店』店舗詳細

住所:東京都江東区東陽4-1−7 佐藤ダイヤビルディング 1階/営業時間:9:00~21:00/定休日:無/アクセス:地下鉄東西線東陽町駅からすぐ

『リブロ 南砂町ショッピングセンターSUNAMO店』リブロ初の「駿河屋」コラボ店舗

入り口にずらりと並ぶコミックだけでも見応え十分。
入り口にずらりと並ぶコミックだけでも見応え十分。
店長の石塚さん。
店長の石塚さん。

2021年オープン。「駿河屋」が併設されており、プラモデルやゲームなども同じ店内で購入できる。平日は男性客が中心だが、絵本の読み聞かせや小学生の職業体験など、幅広い客層に向けたイベントを定期的に開催。「おだやかなお客さまが多いのが南砂町の特徴かも」と店長の石塚紀子さんは言う。

注目本には小野寺史宣『まち』。書店のあるショッピングセンターSUNAMOも登場する地元本なのだ。
注目本には小野寺史宣『まち』。書店のあるショッピングセンターSUNAMOも登場する地元本なのだ。

『リブロ 南砂町ショッピングセンターSUNAMO店』店舗詳細

住所:東京都江東区新砂3-4−31 南砂町ショッピングセンタ SUNAMO3F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:地下鉄東西線南砂町駅から徒歩5分

取材・文・撮影=吉岡百合子(『散歩の達人』編集部)
『散歩の達人』2024年1月号より

古本屋さんにとって、お客さんからの本の買い取りはとても大事だ。古書組合の市場で入札して競り落とすこともあるけれど、やはりお店の近くに住む、地域のお客さんが売ってくれる本が、その方向性を決めるのである。買い取りの本を土台として、それぞれの色を出していくのが、古本屋さんの腕の見せ所といえるだろう。なかでも特に、街の性格みたいなものを肌で感じられる東京の古本屋をご紹介。街を知るには、まずは古本屋を巡ろう!
本屋さんは本を売る。でも本は、食べものや日用品に比べると必ず買わねばならないものではない。生活に彩りを添える類いのものだ。だから本屋さんは、買ってもらうためにあらゆる工夫をする。その工夫は、お店ごとにさまざま。そこが本屋さんの真髄であり楽しさの源なのだ。書店員の熱と知恵と技が詰まった、東京のおすすめ個性派書店を紹介する。
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