『MUTO coffee roastery』日常がちょっぴり優雅になる路地裏のロースタリ―

ウッディな店内。窓からは木々が見える。
ウッディな店内。窓からは木々が見える。

中野駅の南口から歩き、ほどなくして現れるロースタリ―カフェ。店内のケースにずらりと並んで販売されているのは、店主の武藤修一郎さんが毎朝焙煎する最高品質のコーヒー豆。ウッディな雰囲気の店内では、淹れたてのコーヒーも味わえる。また、コーヒーと一緒に堪能したいのが手作りスイーツ。定番のベイクドチーズケーキやガトーショコラは、気持ちを安らげてくれる。静かな路地裏にたたずむカフェは、中野で落ち着く場所を探している人にとって理想的な空間だ。

焙煎機で豆を焙煎する、ジャラジャラという音が響く。
焙煎機で豆を焙煎する、ジャラジャラという音が響く。
こだわりのコーヒーは、一杯600円から楽しめる。
こだわりのコーヒーは、一杯600円から楽しめる。

『MUTO coffee roastery』店舗詳細

住所:東京都中野区中野3-34-18/営業時間:11:30〜19:00/定休日:水、木/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩2分

『silo coffee stand』自然とコミュニケーションが生まれる

中野で美容師として働くヤベケンタさんが「気軽にコミュニケーションがとれる場所を中野に作りたい」という想いで始めたコーヒースタンド。まだ街中に“コーヒースタンド”という存在がそれほど多くはなかった2020年にオープンし、いまでは地元の人たちが集う憩いの場となっている。バリスタが「こんにちは」と笑顔で出迎えてくれる空間は、自然とコミュニケーションが生まれる居心地のよさ。通勤途中や買い物の帰り道など、何気ない日常の合間にふらっと立ち寄りたくなる場所だ。

定番メニューはオーストラリアで“ホワイト”と呼ばれ親しまれる、エスプレッソをミルクで割ったもの(同店ではラテと呼ぶ)。
定番メニューはオーストラリアで“ホワイト”と呼ばれ親しまれる、エスプレッソをミルクで割ったもの(同店ではラテと呼ぶ)。
夜はワインスタンドに様変わり。他店とのコラボやポップアップストアなど、ユニークで多彩な取り組みも魅力。
夜はワインスタンドに様変わり。他店とのコラボやポップアップストアなど、ユニークで多彩な取り組みも魅力。

『silo coffee stand』店舗詳細

住所:東京都中野区中野2-11-3-101/営業時間:10:00〜18:00・18:30〜21:00LO(火・木は8:30から、月・水は18:00まで)/定休日:不定/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩3分

『奥の扉』扉の奥にある、隠れ家のような純喫茶

上品な雰囲気が漂う純喫茶。
上品な雰囲気が漂う純喫茶。

中野駅から線路沿いを歩くとたどり着くマンションの一角で、1976(昭和51)年から営業を続ける純喫茶。ひとたび扉を開けると、コーヒーの香りに包まれ、マスターと常連の会話が心地よく聞こえてくる隠れ家のような空間だ。クラシックやジャズが流れる空間は、駅の近くとは思えないほど落ち着きがある。気の置けない仲間や家族とゆっくり会話を楽しみたいとき。はたまた、一人でゆっくりとコーヒーに向き合いたいときは、ぜひその“扉”を開けてみてほしい。

一杯600円のブレンドコーヒーは、深いコクと苦味を感じられるフレンチロースト。
一杯600円のブレンドコーヒーは、深いコクと苦味を感じられるフレンチロースト。
ところどころに配置された、ハイセンスなインテリアも見どころ。
ところどころに配置された、ハイセンスなインテリアも見どころ。

『奥の扉』店舗詳細

住所:東京都中野区中野5-32-4/営業時間:11:30~18:00/定休日:土・日・祝/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩3分

『しのカフェ』縁側のこたつ席でほっこり。まるで“おばあちゃんの家”

大きな窓から庭が眺められる、開放的な店内。
大きな窓から庭が眺められる、開放的な店内。

中野駅から徒歩15分ほどの閑静な住宅地にある『しのカフェ』は、店主・ふみさんの祖母の自宅を改築したカフェ。まるで“おばあちゃんの家”に遊びに来たかのように心安らぐ雰囲気だ。四季折々に彩られる庭を眺めながら、体に優しい素材を使った手作りスイーツや、一汁三菜の健康的なご飯を味わえる。また、縁側にあるこたつ席(夏はちゃぶ台に変更)は遠方から訪れる人もいるほど人気。また、店のアイドル的な存在になっているのが、店内が落ち着いたタイミングで登場する3匹の“看板猫”。猫好きの人は会いに行ってみてはいかがだろう。

縁側にあるこたつ席。確実に座りたい人は予約をしておこう。
縁側にあるこたつ席。確実に座りたい人は予約をしておこう。
真心こもった手作りスイーツは美味。写真左がぜんざい550円、右が抹茶ラテ550円。
真心こもった手作りスイーツは美味。写真左がぜんざい550円、右が抹茶ラテ550円。

『しのカフェ』店舗詳細

住所:東京都中野区野方1-8-9/営業時間:12:00~18:00(15:00までランチタイム、15:00以降はカフェタイム)※18:00以降は3日前までの事前予約要(コース料理)/定休日:日・月・火・水/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩15分

『Mugs』旅好きが喜ぶ世界の料理とコレクション

何気なく店内に飾られているアイテムが、実は海外から手に入れた激レアなアイテムなのだ。
何気なく店内に飾られているアイテムが、実は海外から手に入れた激レアなアイテムなのだ。

2002年から営業を続けるカフェ『Mugs(マグス)』は、旅好きのオーナー・井上博英さんが旅先で出合った世界各国の珍しい料理やスイーツを楽しむことができる穴場のカフェ。また、デザイナーでもある井上さんが作りあげたハイセンスな空間も見どころ。航空会社の機内食で使われていたカトラリー、コレクターに人気の食器など、希少なヴィンテージアイテムがところどころに散りばめられており、宝探しのようで面白い。旅、料理、インテリア、コレクション……さまざまな要素が絶妙なバランスで混ざりあう空間は、不思議な魅力を放っている。

食器棚には、コレクターが多いアメリカのガラス食器ブランド、ファイヤーキングの食器がずらり。
食器棚には、コレクターが多いアメリカのガラス食器ブランド、ファイヤーキングの食器がずらり。
日本では聞き慣れないチベタンココアブレッド(写真右)660円は、ネパールで親しまれているスイーツ。ホワイトチョコレートラテ(写真左)は605円。
日本では聞き慣れないチベタンココアブレッド(写真右)660円は、ネパールで親しまれているスイーツ。ホワイトチョコレートラテ(写真左)は605円。

『Mugs』店舗詳細

住所:東京都中野区中央5-48-5 シャンボール中野109/営業時間:12:00~23:00(金・土は~24:00、日は~22:00)※営業時間の変更、臨時休業あり。/定休日:月/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩5分

『Chillaxin’ Book Shop』コーヒーやビールが楽しめる古本屋

昔ながらの古本屋のイメージとは異なるスタイリッシュな空間。
昔ながらの古本屋のイメージとは異なるスタイリッシュな空間。

2022年8月、中野の薬師あいロード商店街にオープンしたカフェを併設した古本屋。カフェスペースでは、ハンドドリップコーヒーやクラフトビールを提供。カフェのみでの利用も可能で、仲間との会話を楽しんだり一人で読書にふけったりと、思い思いに過ごすことができる。また、本棚に並ぶ8割の本は、もともと生粋の本好きである店主の私物だという。ジャンルは小説からコミック、雑誌、絵本に至るまでとにかく幅広い。この店に訪れれば、カフェでひと息つくと同時に思わぬ本との出合いが待っているかもしれない。

コーヒーはホット、アイスともに400円。ホットはハンドドリップで提供。
コーヒーはホット、アイスともに400円。ホットはハンドドリップで提供。
大阪のブリュワリーが造るクラフトビール、おさるIPAはラベルがユニーク。
大阪のブリュワリーが造るクラフトビール、おさるIPAはラベルがユニーク。

『Chillaxin’ Book Shop』店舗詳細

住所:東京都中野区新井1−14−17 1F/営業時間:11:00~20:00/定休日:水、不定/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩7分

『ばらーど』都心でやっていた昔ながらの喫茶店です

サイフォンまたはネルドリップで淹れるコーヒー400 円~。「いつまでも2人で働けるように」と西島さん夫妻。
サイフォンまたはネルドリップで淹れるコーヒー400 円~。「いつまでも2人で働けるように」と西島さん夫妻。

半世紀以上も変わらぬコーヒーが、中野の路地奥で香る。マスターの西島静壹(しずいち)さんは、有楽町で修業した後、1966年に神田で『ばらーど』を開店。神田で11年、上野で11年、さらに京橋で26年営んできた。大家の都合で閉店になるも、「自宅を店にしちゃえ」と、3年前に最後の移転。充実のモーニングをはじめ特徴的なメニューは、ビジネス街を闊歩した証しだ。コーヒーの淹れ方に見惚れたという公子さんと結婚後は二人三脚で、今は、朝7時に公子さんが浅草のベーカリー『ペリカン』へパンを買いに。マスターは仕込みと庭の手入れを。9時に開店、穏やかな一日が流れ始める。

タマゴ・ハムサンド600円、生ジュース オレンジ550円。
タマゴ・ハムサンド600円、生ジュース オレンジ550円。
路地のつきあたりに。
路地のつきあたりに。

『ばらーど』店舗詳細

住所:東京都中野区野方1- 44 -1/営業時間:9:00~18:00/定休日:日/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩10分

『ロンパーチッチ』親しみやすい平成のジャズ喫茶

コーヒー550円は外志雄さんによるハンドドリップ。
コーヒー550円は外志雄さんによるハンドドリップ。

大きめの音量のジャズに体ごと包まれる。齊藤外志雄(としお)さん・晶子さん夫妻が切り盛りするこの店は、いわゆる名曲喫茶とは違い、のんびりした雰囲気だ。店内には約2000枚のレコードが控え、「随時新しいものを仕入れては、一部を差し替えています」。王道から新譜まで、古今をまたぐラインナップが好奇心を満たしてくれるのだ。コーヒーは夫妻のお気に入り、バランスのいいコロンビアのみとし、新鮮なうちに使い切る。音楽と、なんて素敵なマリアージュ!

コーヒーはフード、またはスイーツとセットで110円引きになる。
コーヒーはフード、またはスイーツとセットで110円引きになる。
ターンテーブルに敷かれたスリップマットは、店のロゴが入ったオリジナルのデザイン。
ターンテーブルに敷かれたスリップマットは、店のロゴが入ったオリジナルのデザイン。

『ロンパーチッチ』店舗詳細

住所:東京都中野区新井1-30-6/営業時間:11:00~23:00/定休日:月/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩11分

『café momo Gärten』お隣さんを訪ねるように通いたい

濃厚だが後味さわやかなチーズケーキとコーヒーのセット700円。
濃厚だが後味さわやかなチーズケーキとコーヒーのセット700円。

桃園川緑道沿いの、柿の木に覆われた二軒長屋が2013年春に蘇(よみがえ)った。雨音や鳥の声が届く店内は、柱や梁(はり)が残るのびやかな空間で、遠方から訪ねる人も多い。店主の嘉山隆司さんは、ここにカフェが求められていたと実感するも、「少しおしゃれ過ぎて、高齢者が入りにくいかな」と、案ずる。誰もが気軽に立ち寄れる地域の居場所になりたいと願っているからだ。ケースワーカーとして福祉畑を歩んだ経験を活かし、扉を大きく開いている。

「ケーキやカレーも自信作ぞろい」と嘉山さん。
「ケーキやカレーも自信作ぞろい」と嘉山さん。
自然に覆われた昭和の木造家屋。
自然に覆われた昭和の木造家屋。
静かな平日午前と夕方がおすすめ。
静かな平日午前と夕方がおすすめ。

『café momo Gärten』店舗詳細

住所:東京都中野区中央2-57-7/営業時間:水は11:30~13:30(おにぎりカフェとして営業)
木・金は11:00~17:30、土・日は11:00~18:00/定休日:月・火/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線中野坂上駅から徒歩12分

『COFFEE JAZZ GENIUS』全国のジャズファン注目の名喫茶

ミックスサンドイッチとコーヒーのセット1050円。コーヒー紅茶単品は500円(アイスは530円)メニューは終日同じ。
ミックスサンドイッチとコーヒーのセット1050円。コーヒー紅茶単品は500円(アイスは530円)メニューは終日同じ。

1970年、渋谷・道玄坂で初めて針を下ろしてから約半世紀。マスター・鈴木彰一さんが生まれ育ったこの元花街に移転し、早28年が過ぎた。「渋谷時代はマニアが通う、地下の暗いジャズ喫茶でした。でも、今は明るくて、ご近所の方も来店してくださる」と、ママさん。棚のレコードは8000枚。15時から店に立つマスターは、この中から今いるお客に合わせてセレクトしたり、リクエストに応じて“何年の誰の一曲”をピタリと引き出す。

神田川から1本北の通りに入り口が。
神田川から1本北の通りに入り口が。
レコードの音色に耳を澄ますひと時を。
レコードの音色に耳を澄ますひと時を。
ジャズ関連の本や雑誌も充実。
ジャズ関連の本や雑誌も充実。

『COFFEE JAZZ GENIUS』店舗詳細

住所:東京都中野区本町3-2-10 スズノビル1F/営業時間:11:00~23:00/定休日:木/アクセス:地下鉄丸ノ内線中野新橋駅から徒歩3分

『大怪獣サロン』ソフビ怪獣に囲まれる幸せ……

ソフビや着ぐるみと記念撮影できる。
ソフビや着ぐるみと記念撮影できる。

映画監督・造形作家の中野貴雄さんがプロデュースした怪獣カフェバー。店頭では怪獣造形作家のピコピコさん作のムーチョが出迎えてくれる。店内には『ウルトラマン』や『ゴジラ』などのヒーロー&怪獣から、オリジナルソフビ、はては常連さん自作のソフビズラリも並び、何ともにぎやか。子供からオタクまで客層は多彩で、ソフビで遊んだり、怪獣談議に花を咲かせたり、自作の着ぐるみを持ち込んだりと、思い思いに過ごしている。

大怪獣オムライス、大怪獣サロンオリジナルカップ酒各800円など、メニューも個性的。
大怪獣オムライス、大怪獣サロンオリジナルカップ酒各800円など、メニューも個性的。
オリジナルのガチャガチャやソフビ、グッズを販売。
オリジナルのガチャガチャやソフビ、グッズを販売。

『大怪獣サロン』店舗詳細

住所:東京都中野区新井1-14-16 ライオンズマンション中野第5 B102/営業時間:15:00~23:00/定休日:無/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩8分

取材・文=稲垣恵美、信藤舞子、塙廣明(アドグリーン)、松井一恵(teamまめ) 撮影=稲垣恵美、門馬央典、金井塚太郎、木村心保、千倉志野