二刀流が魅せる新鮮小麦の田舎麺『手打うどん 福助』[青梅街道]
田舎のざるうどん肉汁中(3玉)750円。かきあげ、日替わり天150円~。(麺)基本はコシの強い完全手打ち麺を、冷水でしめる。全粒粉やふすまが入り、褐色。(つけ汁)温かく、かえしの効いた濃い汁が多いが、最近は出汁重視の店も。具は豚バラ、長ネギなど。(天ぷら)畑の多い小平は野菜天が絶品。(糧〈かて〉)小松菜や大根、ナスなど茹で野菜=糧を添えるのが武蔵野流。好みでつけ汁に投入する。
麺は武蔵野風の“田舎”と讃岐風の“白”を選べるのが珍しい。「香川の木下製粉から少量ずつ仕入れるので、常に新鮮な粉を打てます」と女将の相澤直美さん。田舎の方は、小麦の皮の近くも残るよう製粉具合を特注。ゆえに褐色がかった麺は、すすれば小麦のフレッシュな香りが。イリコや宗田、本枯れがつおなど出汁を6種も重ねた奥深い味わいのつけ汁が、小麦の甘みと美しく調和するのだ。
2012年に清瀬から移転。自宅一階で店を営む。テーブルとカウンター席を用意。
おもに田舎うどんを打つ亮一さん、白うどんを打つ直美さん夫婦で切り盛り。
『手打うどん 福助』店舗詳細
住所:東京都小平市小川町2-1307-20/営業時間:11:15~14:00LO(麺なくなり次第終了)/定休日:月・火(祝は営業)/アクセス:西武多摩湖線青梅街道駅から徒歩8分
老若男女に愛される絶妙なコシと喉越し『よしふじ』[小平]
肉汁うどん750円。小麦粉は香りとコシのバランスがいい北海道産を使用。
店主・齋藤さんの自宅敷地に店舗があり、隣の製麺小屋で完全手打ち。店主曰く「この辺で器の底が見えるうどん出したら叱られますから」というように、麺は並盛りで400~450gと食べ応え満点! 中太でねじれのあるうどんはワシワシとした硬さはなく、ムニュッと跳ね返す食感が心地よい。麺は約60cmと長く喉越しもいいので、やや甘めのつけ汁にくぐらせ、威勢よくズズッとやるべし。
奥様のお母さん自家製・焼きだんご3本300円。醤油だれは店主が手掛ける。
「お客の大半が常連さん」と朗らかな齋藤さん夫婦。小上がりとテーブル席がある。
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きのこつけ汁うどん750円。一度炒めたシイタケやブナシメジが汁にコクと香りを加える。おなかがすいているときは、ちくわ天130円や野菜天ぷら5品250円の追加もおすすめ。
『よしふじ』店舗詳細
住所:東京都小平市大沼町7-6-6/営業時間:11:00~14:30(麺なくなり次第終了)/定休日:木/アクセス:西武新宿線小平駅から徒歩15分
比類なき幅広麺はこれぞ噛むうどん『肉汁饂飩屋 とこ井』[高円寺]
肉汁つけうどん中盛り(450g)880円。写真のひもかわは、極太麺との合盛りとなる。(麺)加水率50%と高めなので、もちもち感も。桐生のご当地麺・ひもかわは幅広で触感つるり。(つけ汁)宗田やさば節など食材5種を重ねたつけ汁に茨城産・石上極豚のバラ肉の旨味が加わる。
極太麺と細麺、数量限定のひもかわを選べ、極太麺は圧巻の太さ約1cm ! 上州と埼玉の地粉、さらに全粒粉をブレンドしており、麺肌は美しい褐色だ。ひと口噛めば、まるでハード系のパンのような豊かな小麦の香りがふわり。麺に目が行きがちだが、つけ汁も素晴らしい。かつおや昆布に煮干しで風味を加えたつけ汁は、塩辛過ぎず魚介の風味豊か。途中、液体ゆずで味変してもうまい!
店内で完全手打ち。店長の打土井一さんほかスタッフ3人が麺打ちの技術をもつ。
店は細長くカウンターのみで全8席。手前に食券機、その横に製麺室がある。
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1~3辛まで選べる肉辛汁つけうどん中盛り930円。韓国唐辛子のパンチが利きつつ、黒ごまラー油のコク、豚バラの甘みもあり、辛旨がクセになる。写真の細麺(約5㎜)を選べば、つけ汁とより絡みやすい。汁を飲み干したいときは店員にお湯割りをお願いしよう。
『肉汁饂飩屋 とこ井』店舗詳細
住所:東京都杉並区高円寺南4-7-5 久万乃ビル1F/営業時間:11:00~20:45LO/定休日:無/アクセス:JR中央線高円寺駅から徒歩3分
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「本格冷凍麺工房武蔵野」の冷凍麺なら、家にいながら本格的な味を楽しめます。
プロ御用達の武蔵野フーズが運営する、メディアでも話題のお店です!
急速冷凍技術を用い保存料を使用しないため、素材本来の味を楽しめます。
弾力と喉越しで魅了する完全手打ち麺『櫻井謹製』[桜上水]
肉汁うどん並(300g)750円。埼玉の地粉に、小麦の風味豊かな群馬の地粉をブレンド。
店主の櫻井英晴さんは埼玉県川島町の名店『庄司』で修業し、2018年に開業。「東京・埼玉のご当地麺である武蔵野うどんをもっと広めたくて」。足踏み、手切りで作る完全手打ちの麺は、心地よいコシともちもち感で、喉越しのよさも併せもつ。かつおや宗田など一般的な材料に加え、武蔵野では珍しいあごも使ったつけ汁は出汁の香り高く、小麦の風味豊かな麺と香りの二重奏を楽しめるのだ。
麺打ち担当英晴さんと、紀子さん夫婦で切り盛り。上着にはNO UDON NO LIFEの文字!
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豚ひき肉とチンゲン菜が入った、八丁味噌のタンタンつけうどん並950円。辛さは控えめで、八丁味噌のコクが、全粒粉入りで小麦の風味の強い麺とすこぶる合う! 12月ごろまでの限定。
『櫻井謹製』店舗詳細
住所:東京都世田谷区桜上水5-22-7/営業時間:11:00~14:30LO・17:00~19:30LO/定休日:火・第2第4水/アクセス:京王線桜上水駅から徒歩1分
強烈なゴリゴリ麺とブランド豚の名コンビ『みらい家』[笹塚]
肉汁うどん中並(300g)750円。つけ汁は夜の豚しゃぶで使うつゆを少し甘くして使用。
夜は、宮崎の参協味蕾豚(さんきょうみらいとん)を使った豚しゃぶメインの居酒屋として営業。そのため、ランチの豚汁もりうどんにも、そのバラ肉がどっさり。「この豚は脂が甘くて旨味も濃い。つけ汁にいい出汁が出るんです」と店主の内田敏さん。小麦香る麺は、店主が惚(ほ)れこんだ千葉県印西市の『鈴や』から毎日直送。嚙み応えのあるワシワシとした茶色い麺と、甘辛いつけ汁が、口の中でがっぷり四つ!
武蔵野うどんの食べ歩きでこの麺に出合った店主。夜の豚しゃぶの締めでも提供。
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釜玉うどん並600円。麺の味がダイ レクトにわかりやすい。ザラメやたまり醤油で作った濃厚なかえしと黄身のコク、小麦の風味が抜群に合い、こればかり頼む常連もいるそう。
『みらい家』店舗詳細
住所:東京都渋谷区笹塚1-15-5 堀内ビル1F/営業時間:11:30~14:30(18:00~23:00は炭豚豚〈たんとんとん〉として営業)/定休日:水/アクセス:京王線笹塚駅から徒歩3分
街を歩けば、食がある。街を楽しみ食を愉しめば、その食や街の歴史、人々の暮らしが見えてくる。そんな「街×食」の物語をひもとき、その魅力に迫る本シリーズ。記念すべき第1回は、近年ジワジワ知名度をあげつつある「武蔵野うどん」。武蔵野台地を耕す農民が食したハレの日のうどんだ。