山王 ひらそば

風味と食感に惚れる、冷やしたぬき

冷やしたぬき850円。さくさくの天かすと。

店に入ると、トントンと小気味よいそばを切る音が。店主・平林功さんは和食、そばを修業し開業。隣の実家の酒屋が扱う地酒も揃える。中でも「信州とご縁がつながって」と、安曇野のそば粉、わさびをはじめ、肴や薬味に用いる花わさび漬けなどの食材も入手。さらに、酒蔵の仕込み水でそば打ち。コシのある二八そばは、夏は冷やしたぬきで。米油で揚げた天かすの香味と食感が、かつお節香るそばつゆに加味され、恍惚となる。

西京味噌仕立ての焼き味噌350円、花わさび漬け300円。自家製とうふ500円は濃厚な大豆の甘みが癖になる。木曽の十六代九右衞門1合750円。
医食同源を掲げる平林夫妻。

『山王 ひらそば』店舗詳細

住所:東京都大田区山王3-28-5/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~20:00LO(木は夜のみ)/定休日:月、第2・4火、不定休/アクセス:JR京浜東北線大森駅から徒歩6分

布恒更科

夏品種の新そば、味わえます

もり920円。

卵を加えたぬた、アナゴの煮こごり、しゃきしゃきの岩もずくなど、旬味の肴で酒をちびりちびり。その後、供されたのは新そばだ。「うちは6月から」と、3代目店主の伊島巧(たくみ)さんは、白い芯だけを用いる。手打ちは1963年の創業当初から。「単に機械が買えなかっただけ」と笑うが、赤城深山の山間で育った夏品種を熟す前に刈ったそばは、ほんのり緑色。たまり醤油と合わせて寝かせた濃い口のつゆにつければ、香りが鼻を通り抜ける。

季節のおつまみ三種盛り合わせ880円と、澤乃井の特別純米1合770円。
花柳界の名残を感じる店前にて。「そばに真摯に向き合ったなら、やり方は変えていい。それが先代の口癖でした」。

『布恒更科』店舗詳細

住所:東京都品川区南大井3-18-8/営業時間:11:30~14:40LO・17:00~19:45LO(祝は11:30~14:40LO)/定休日:日/アクセス:JR大森駅から徒歩6分

柏庵

漆黒の丼から立ちのぼる、磯の香り

磯のりそば880円は昼メニューだが、時間外も応相談。

大森といえば海苔。「真っ黒になったらおもしろいかも」と、店主の五味敦さんは、大田市場で有明海産磯海苔を仕入れ、そばの上に敷き詰めた。かつおと昆布の出汁と合わさり、湯気からもう、ふくよかな香り。途中でわさびを落とせば、清冽な風が吹き抜ける。昼はそば中心だが、夜は四国と石垣島から直送された天然魚などの一品料理と、20時以降はカウンターでしっぽり燗酒と楽しんで。趣向を変えつつ、深夜まで営むうれしい店だ。

夜の刺身盛り1100円、日本酒グラス660円~。
食い道楽の五味さんは、3代続いた花柳界御用達の履物屋から転身。酒のタイプを見極めて、燗をつけてくれる。

『柏庵』店舗詳細

住所:東京都大田区大森北1-29-1/営業時間:11:00~20:30LO(20:00~23:00LOでカウンターのみの日本酒バーとしても営業)/定休日:日・祝/アクセス:JR京浜東北線大森駅から徒歩4分

蕎麦や もりいろ

畑にもこだわった蕎麦はミシュラン掲載の名店

『ミシュランガイド東京2020』でビブグルマンを獲得。ソバは産地や品種だけでなく、生産者にもこだわる。産地や粉の碾き方が異なる2種のそばが楽しめる二種もり1320円。夜は日本酒やベルギービールと楽しめる。

住所:東京都大田区大森西5-10-8/営業時間:11:30~14:30LO・17:30~20:30LO(日は昼のみ。売り切れ次第終了)/定休日:月/アクセス:京急本線大森町駅から徒歩1分

構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、塙 広明(アド・グリーン) 撮影=高野尚人、塙 広明(アド・グリーン)

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