中華なのに刺し身絶品とはこれいかに『ひちょう』

全36席。「古い常連さんが昇進して部下の方を連れてきてくれることも!」と大将。
全36席。「古い常連さんが昇進して部下の方を連れてきてくれることも!」と大将。

昼は1969年創業の老舗中華食堂だが、夜は大衆酒場モードに。新鮮な豚レバーを上品に味付けしたニラレバ炒めや、甜麵醬(てんめんじゃん)のコクと甘みが効いた麻婆豆腐各1210円など中華で一杯もいいが、おすすめは刺身盛合せ。生本マグロは口でとけ、日本酒や焼酎を誘う。「豊洲の知人から仕入れてるの。冷凍ものは使わないよ」と築地出身の大将・金田芳勝さん。締めは溶き卵が覆う看板メニューの酸辣(スーラー)タンメン1155円で決まり!

刺身盛合せ1人前1650円~、餃子5個660円。芋焼酎熟柿(じゅくし)1100円。
刺身盛合せ1人前1650円~、餃子5個660円。芋焼酎熟柿(じゅくし)1100円。

『ひちょう』店舗詳細

住所:東京都港区南青山3-7-3 アロバール南青山1F/営業時間:11:30~14:30LO・17:30~21:30LO/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄表参道駅から徒歩8分

骨董通り沿いに庶民憩いの場発見『青山 ぼこい』

細い階段で2階へ。安本さん兄弟が迎えてくれる。
細い階段で2階へ。安本さん兄弟が迎えてくれる。

ネタケースを旬の野菜や魚が彩り、品書きには玉子焼や春菊胡麻和え各630円など、のんべえを和ませる酒肴が並ぶ。腕を振るうのは安本秋男さん・夏彦さん兄弟だ。「欲をかかず細々やってきました。家族4代にわたり来てくれる地元の常連もいます」。エビのすり身を入れる手作りの五目がんも煮850円やなめらかな舌触りのポテトサラダ630円など真摯な仕事の入った肴を味わえば、半世紀近く愛されるのも納得。

酒肴は600円台から。
酒肴は600円台から。
天然ブリなど豊洲から仕入れる鮮魚が並ぶ刺身盛合せ1人前1400円。日本酒の竹葉850円。
天然ブリなど豊洲から仕入れる鮮魚が並ぶ刺身盛合せ1人前1400円。日本酒の竹葉850円。

『青山 ぼこい』店舗詳細

住所:東京都港区南青山5-13-2 南青山池田ビル2F/営業時間:18:00~23:00LO(土は~22:00LO)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄表参道駅から徒歩5分

路地の提灯の先にリトル北九州『もつなべ 旦過』

長年 やきとりを焼いてきた大将。
長年 やきとりを焼いてきた大将。

店主の西村和行さんは北九州市の旦過市場前で、30年以上やきとりを焼いていたベテラン。「向こうでやきとりといえば豚バラととり皮」と言う通り、ジューシーな豚バラ176円や甘辛タレをまとうとり皮55円は何本でも食べられる旨さ。田川(北九州に隣接)名物のホルモン鍋1540円は特注の分厚い鍋で煮込むほか、日本酒は福岡中心と北九モンの矜持が随所に。福岡の甘い醤油で仕込むもつ鍋1540円は1人前から注文OK!

新名物として考案した豪唐揚げ1650円は鶏の半身を豪快に揚げる。福岡の地酒・天心純米吟醸935円。
新名物として考案した豪唐揚げ1650円は鶏の半身を豪快に揚げる。福岡の地酒・天心純米吟醸935円。
写真の1階に加え、2階席も。
写真の1階に加え、2階席も。

『もつなべ 旦過』店舗詳細

住所:東京都渋谷区神宮前2-15-2/営業時間:17:00~24:00(土・日・祝は~23:00)/定休日:不定/アクセス:JR中央線千駄ケ谷駅・地下鉄大江戸線国立競技場から徒歩10分

おしどり夫婦の笑顔が一番の酒肴『ぎっちょん』

裕さん・妙子さん夫婦で40年。
裕さん・妙子さん夫婦で40年。

壁にはバイトスタッフから贈られた40周年を祝うタペストリー。「ここで出会って結婚した人など、いろんな方を見てきました」と服部さん夫婦。最初はピザ中心だったが、マスター自身の食べたいものが品書きに増殖。肩肉を包丁で丁寧に叩いてミンチにするラム餃子700円や納豆きつね550円など無国籍状態に。マスターの創作力が炸裂した奈良漬のピザ1000円は、ワインか日本酒どちらに合わせるか悩む!

シナモン香るホットワイン650円、甘辛い豚肩ロースを鉄板で供するじゅうじゅう焼きLL1000円(左)。
シナモン香るホットワイン650円、甘辛い豚肩ロースを鉄板で供するじゅうじゅう焼きLL1000円(左)。
店舗は1995年改修。
店舗は1995年改修。

『ぎっちょん』店舗詳細

住所:東京都渋谷区神宮前2-22-1 長谷川ビル1F/営業時間:12:00~15:00・18:00~23:00LO/定休日:土の昼・日・祝/アクセス:地下鉄副都心線北参道駅から徒歩7分

牛モツと燗酒の幸せな邂逅に千客万来『モツ酒場 こがね』

カウンターはお客と店員の目線が合う高さ。
カウンターはお客と店員の目線が合う高さ。

界隈に珍しい“モツ酒場”の提灯に誘われ、カウンターに。目の前には「長珍」や「丹澤山」など燗映えするお酒がずらり。「生酒でも燗映えするお酒がありますよ」という代表・渡部武志さんの言葉に誘われ、「奥播磨」の生酒1合1100円を。本錫のちろりで丁寧にお燗された酒は、まろやかで米の旨味がほのかに広がる。脂ののった牛の小腸とギアラを和えたぷるぷる酢モツ825円(手前)など牛モツ料理を優しく受け止め、旨味を膨らませてくれるのだ。

リードヴォーとトウモロコシのかき揚げ825円(左)など洋食出身の料理長が手掛ける牛モツ料理は絶品。日本酒グラス660円~。
リードヴォーとトウモロコシのかき揚げ825円(左)など洋食出身の料理長が手掛ける牛モツ料理は絶品。日本酒グラス660円~。
2019年4月開店ですでに繁盛店。小上がりとテーブル席も。ナチュラルワインも豊富。
2019年4月開店ですでに繁盛店。小上がりとテーブル席も。ナチュラルワインも豊富。

『モツ酒場 こがね』店舗詳細

住所:東京都渋谷区神宮前3-42-15 メグビル1F/営業時間:17:00~翌0:30LO(金は~翌1:30LO、土・日・祝は15:00~23:30LO)/定休日:無/アクセス:地下鉄銀座線外苑前駅から徒歩5分

取材・文=鈴木健太 撮影=丸毛 透
『散歩の達人』2020年1月号より