旨味とスパイスが舞い広がる忘我のカレー『ヨゴロウ』

チキンカレー(トマト)はサラダ付き1000円。ベースのカレーには動物性のものを一切使わない。
チキンカレー(トマト)はサラダ付き1000円。ベースのカレーには動物性のものを一切使わない。

コアな常連に人気のチキンカレーは、ソースがトマトかホウレン草の二択。なかでもトマトは、その酸味がスパイスの風味、グリルし蒸し焼きにした鶏肉のふくよかな旨味、コクを煽り、味に奥行きを持たせる。スパイスはホールのまま、黒味がかるまで念入りに煎るとか。カレーを頬張るとロースト香が勢いよく鼻に抜け、顔全体を覆うように広がる。食べ終わるころにはうっとり、忘我の境地だ。

週末は混雑することが多いので、平日が狙い目。
週末は混雑することが多いので、平日が狙い目。
店主の西暢央さん。店名は祖父の名前から取ったそう。
店主の西暢央さん。店名は祖父の名前から取ったそう。

『ヨゴロウ』店舗詳細

住所:東京都渋谷区神宮前2-20-10 小松ビル1F/営業時間:11:30~16:00・18:00~20:00(土は昼のみ)/定休日:日・祝/アクセス:JR中央線千駄ケ谷駅・地下鉄大江戸線国立競技場駅から徒歩11分

味覚と嗅覚を次々突かれ、幸福『BLAKES(GHEE)』

5種類の中から好きなカレーを選ぶコンビネーション1000円~。
5種類の中から好きなカレーを選ぶコンビネーション1000円~。

注文を一つに絞れない時はコンビネーションカレー。例えばキーマはドライタイプで、スパイスの華やかな風味、辛味、鶏挽き肉の食感につい没頭する。口の中に膨らむ香ばしさの正体はコーン。ミルクカレーは甘みの中にピリッと鋭利な辛さが混じり、癖になる。前身の『GHEE』はかつて同じ界隈にあったインド料理店。店主の赤出川オサムさんのカレーに憧れ、店を始めたフォロワーも多い。

夜はカレー以外の料理も提供。
夜はカレー以外の料理も提供。
もう1種類カレーを追加したい人は+500円で別添に。混雑時対応不可。激辛ビーフカレーは黒糖で甘みを取り、色気を感じる味わい。
もう1種類カレーを追加したい人は+500円で別添に。混雑時対応不可。激辛ビーフカレーは黒糖で甘みを取り、色気を感じる味わい。

『BLAKES(GHEE)』店舗詳細

住所:東京都渋谷区神宮前2-20-13 神宮前TNビル2F/営業時間:12:00~15:00・18:00~22:00/定休日:日・祝/アクセス:JR中央線千駄ケ谷駅・地下鉄大江戸線国際競技場駅から徒歩10分

複雑に絡み合うスパイスの魔法『salut』

ランチのキーマカレーはライス付き1100円。+サラダは1320円。ディナーは単品に。モーニングカレーはS770円、M990円。
ランチのキーマカレーはライス付き1100円。+サラダは1320円。ディナーは単品に。モーニングカレーはS770円、M990円。

鶏挽き肉は、旨味を含んだ脂がにじむモモ、弾力のあるムネをブレンド。食べ進めるごとに味わい深くなり、どんどん食欲が増す。噛みしめるとスパイスが弾け、爽やかな香りのカルダモン、苦味のニゲラ、クミンなどが存在を主張。メリハリある展開に引き込まれ、あっと言う間に完食だ。日によって営業時間が異なりモーニングでも楽しめる。ディナーでお酒と一緒に、というのもうれしい。

参宮橋で月1、2回のみ開く噂のカレー屋『Cumin』のコーサカ・トモさんが営む。
参宮橋で月1、2回のみ開く噂のカレー屋『Cumin』のコーサカ・トモさんが営む。
インテリアも素敵。
インテリアも素敵。

『salut』店舗詳細

住所:東京都渋谷区千駄ケ谷4-30-6 エビデンワビル3F/営業時間:8:00~10:30・11:30~16:00(火・水は18:00~22:30)/定休日:木(不定休あり)/アクセス:JR・地下鉄代々木駅から徒歩3分

取材・文=信藤舞子 撮影=高野尚人、加藤熊三

『散歩の達人』2020年1月号より