国保病院前バス停
歩き出すとすぐ左手に伊予ケ岳の岩峰が見えてくる。平群天神社の鳥居から入る。
↓ 10分
平群天神社
神社の左手の登山口から上がる。左に富山の分岐を分けて行くと展望台。ここからの眺望もいい。
↓ 35分
展望台(東屋)
すぐロープのある岩場の急坂。しっかりつかんで注意して登ろう。距離はそれほどない。
↓ 15分
伊予ケ岳
南峰だけでも十分満足できるが、北峰には往復20分程度。下りも慎重に。分岐から富山方面へ。
↓ 45分
六地蔵登山口
車道に出たところが六地蔵登山口。富山の登山口までは田園の中を歩く快適さんぽ。
↓ 50分
登山口
登山口からは舗装の車道歩き。展望もないので少々つらい。約30分の我慢で富山北峰へ。
↓ 30分
富山
南峰には行かずに急坂を下って伏姫籠穴方面に。県道に出たら駅には20分。
↓ 75分
ゴール
岩井駅
体力度:★★☆
歩行時間:4時間15分
歩行距離:約10.5km
アクセス:
[行き]東京駅からJR総武線・内房線で岩井駅、約2時間20分。岩井駅から市営路線バス富山線で国保病院前バス停、約15分。
[帰り]岩井駅から行きと同じ。
※東京駅前から高速バスもあり、木更津駅まで約1時間。木更津駅から内房線に乗り、約1時間で岩井駅。
交通費: 4080円(往復)
房総唯一の岩峰から、展望抜群の富山へ
千葉県の山というと、一般的に人気があるのは浜金谷から登る鋸山が筆頭だろうか。次は富山かもしれないが、その富山の奥にある山が伊予ケ岳である。「山」ではなく「岳」である。この文字の違いが伊予ケ岳の魅力をすでに語っている。その伊予ケ岳から麓の道を歩いて富山に登るコースを紹介しよう。
まず伊予ケ岳へ。千葉県の山では珍しい鋭い岩峰だ。伊予の名は、あの四国最高峰の石鎚山のある伊予の国(愛媛県)から来ている。石鎚山は伊予の大岳ともいうらしい。その最高峰の天狗岳に似ているという理由だとか。ほかにも俗称があり、“房総のマッターホルン” 、“安房の妙義山”とも。
内房線の岩井駅で下車して、バスに乗る。黄色の車体がかわいらしい 「トミー号」という市営バス。国保病院前で下車。ほとんどの人は、そのまま富山国保病院に入って行く。残りが伊予ケ岳へと向かう登山客だ。
バスを降りると、すぐ伊予ケ岳の姿が見えてきた。麓から立ち上がる岩峰。屹立するその雄姿は、なかなかのものだ。登山口になる平群天神社(へぐりてんじんしゃ)の大きな鳥居がある。右手にはレトロな建物。この建物は、1955年に岩井村と平群村が合併して富山町となるまで平群村役場として使われたものらしい。「富山町民俗資料館」として利用されてきたが、最近解体された。
鳥居から平群天神社の境内に入り、安全を祈願してから本殿脇の登山道へと入る。富山へ行く分岐まで 20分ほど展望のない雑木林の中を登ってから、展望台へと着いた。ここからの眺めも十分すぎるほど。双耳峰の富山、周辺の集落など、いい眺めだ。
ここでかなり満足したが、いよいよこれからが本番。看板には「ハイキングコースはここまで」とある。先客数人がロープにぶら下がっている。いきなり急な岩場に長いロープ。上り終えると、またロープ。要するに山頂までロープが続く。
低山とは思えぬ絶景に心奪われる
山頂に飛び出すと、その眺めたるや、とても標高336.8mとは思えない絶景。正面に富山が迫り、先には東京湾が見え、富士山もくっきり。ここは南峰でちょっと先に北峰がある。展望は南峰のほうがよい。
下山にかかり、富山へ行く分岐から麓の六地蔵登山口へと下りる。ここから富山の登山口まではおよそ1時間。少し長いが、飽きることはない。気持ちのいい里山ロード。正面に富山、振り返れば伊予ケ岳。登山口には 「→富山山頂」の標識があり、ここから車道の道を上がって行く。
嫌になりかけた頃に北峰と南峰の鞍部に到着。眺めのいい北峰へ階段を上がって行くと、展望広場。さらに展望台へ上がると、 またまた絶景だ。東京湾が広がっている。
帰りは南峰を回ってから福満寺へ下りるか、伏姫籠穴方面に下りて駅に向かうか。
今回は伏姫籠穴から帰路についた。
平群天神社
学問の神、菅原道真が主祭神の神社
文和2年(1353)に北野天満宮を勧請したのが始まりとされ、主祭神は菅原道真公。天正14年(1586)に里見義頼が本殿を改築。平群9村落の鎮守だった。菅原道真は学問の神様なので、受験シーズンには参詣者が多い。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より