蒲田グルメの代名詞となった羽根付き焼き餃子の元祖
蒲田駅東口から出て大田区役所を通り過ぎると、壁面に消費者センターと図書館の表示が見える建物が立つ。『歓迎本店』はこの1階にあり、赤い看板と提灯が目印。90席ほどの広い店だが、開店とともに席が埋まり、ランチタイムには行列もできる人気店だ。
店は昭和61年(1986)の開業。オーナーの山崎英理子さんは、蒲田の名店『你好』の創業者である八木功さんの妹。今では蒲田名物となった羽根付き焼き餃子は、英理子さんが功さんの店を手伝っている頃に二人で考案したもの。『你好』とともに羽根付き焼き餃子の元祖といわれるのもこうした理由がある。
旨い、安い、ボリューム満点の羽根付き焼き餃子
現在、『歓迎』は直営店が6店舗あり、すべての店の餃子は蒲田の工場で一括して作っている。さまざまな種類の餃子があるが、一番人気はやはり羽根付き焼き餃子。こんがり焼けた羽根は薄くサクッとした軽い食感、一方、手作りの皮はもっちり感があり、ともに味わえば絶妙な食感のハーモニーを楽しめる。豚挽肉と鶏挽肉、白菜、干し大根、ニラ、ネギなどで作った餡は、ひと口食べると肉汁がしみ出てくる。ほんのり感じるショウガの味も爽やかだ。
余談だが、すぐ近くにあるイタリア料理の『ベンヴェヌート』も系列店。ここでも『歓迎』と同じ羽根付き焼き餃子を食べることができる。
オリジナルの揚げ茄子餃子も
英理子ママが、「これもおすすめよ」といって出してくれたのが、オリジナルの揚げ茄子餃子。ナスに餃子の餡を挟んで揚げたもので、ナスの挟み揚げの餃子版といったところ。この料理につけるニンニクダレがおいしい。ニンニクダレは水餃子や焼き餃子にも合うので、ニンニク好きな人はスタッフに頼んで出してもらうといい。
周辺のビジネスマンに人気があるのがランチメニュー。常時5種類ほどが用意され、4種類は日替わりとなるが、定番の醤油ラーメンは、焼き餃子3個・サラダ付きで500円と破格。ちなみにこの日の日替わりランチは、唐揚げの野菜炒め、豚肉と玉葱炒め、レタスカニ炒飯・餃子・サラダ、台湾麺・餃子・ライスで各700円。
取材・文・撮影=塙 広明