店主がとことん惚れ込んだブランド豚の林SPF
花村さんは、「林SPFに惚れ込んで店を始めたといっていいほど」と教えてくれた。千葉県産銘柄豚である林SPFは、旨味と香りが濃厚で、歯ごたえがありながら歯切れがいいという特徴がある。生後6ヶ月程度のメスのみを使用し、さらに熟成をさせている。部位によって異なるが、最大で50日もかけて熟成させているという。
ほんのりとピンク色をしたロースかつは肉と脂の旨みが最高
平日限定ランチのロースかつ定食1300円に使用する肉は1~2週間寝かしている。新鮮なラードで揚げていて、火が通り過ぎないややピンク色の仕上がりだ。何もつけずに一口食べてみると口の中に林SPFの甘さと旨さが広がり、肉だけでなく、脂からも旨味が溢れ出してくる。サクッとした衣との相性も抜群。
卓上にはやや酸味を感じるオリジナルブレンドのソースのほか、ミネラルたっぷりのレッドソルトや、ほのかに硫黄の香りがするブラック岩塩などがあるので、いろいろと試してみるのもおすすめ。
ご飯に使用するのは、墨田区に店舗がある『墨田屋』の古代精米製法墨田屋米。香りや味、粘り、食感など、そのときの最高のブレンドを行い、ゆっくり・じっくりと精米している。芳醇な香りとほのかな甘味は、トンカツの邪魔をせず味をさらに引き立たせるご飯だ。
また、具だくさんの豚汁は、カツオ節やイリコ、アゴ(トビウオ)からだしを取っているので、マイルドでおいしいと評判だという。
運がよければ出会えるかも……。絶品カレーライス
また、浅草橋時代に二毛作で営業していた「リリーカレー」が不定期に復活。林SPFを使い、鶏ガラや豚骨のだしを合わせたカレーはほんのりスパイシー。カレーライス1000円のほか、かつカレー1500円など。店頭またはSNSでお知らせしているので、カレーもぜひ味わってみよう。
取材・文・撮影=速志 淳