名門喫茶『銀座和蘭豆』の姉妹店。銀座の味を蒲田でも……

奥に長い店内で、曲線を多用した内装が奥行き感を演出している。
奥に長い店内で、曲線を多用した内装が奥行き感を演出している。

蒲田駅西口のロータリー広場から伸びるサンライズモール商店街。約400mのアーケードを抜けた先に、黄色い看板を掲げた店が見える。昭和44年に創業した『銀座和蘭豆』は東京の喫茶店でも老舗格。その2号店として昭和47年(1972)に蒲田駅前店がオープン。ここ『銀座和蘭豆 サンライズ蒲田店』はその姉妹店として2013年にオープンしている。

蒲田駅前店は老舗らしくクラシカルな雰囲気が漂うが、サンライズ蒲田店はゆったりとしたテーブル配置と明るい照明で、カジュアルな雰囲気がある。

店内は完全分煙。入口に「喫煙目的店」の表示があり、20歳未満の入店はできない。
店内は完全分煙。入口に「喫煙目的店」の表示があり、20歳未満の入店はできない。

濃厚なアイスコーヒーは『銀座和蘭豆』の代名詞

濃厚な生クリームを浮かべたアイスコーヒーと香りのよいブレンドコーヒー各600円。
濃厚な生クリームを浮かべたアイスコーヒーと香りのよいブレンドコーヒー各600円。

『銀座和蘭豆』といえば、アイスコーヒーが有名だ。コーヒー豆を均一に焼き上げることができる熱風式のプロバットでモカ・マタリ豆を自家焙煎し、ネルドリップでコーヒーを抽出する。このコーヒーに、動物性生クリームを浮かべ、特製シュガーシロップを注いで提供するのがこの店のスタイル。モカ・マタリ特有の甘酸っぱい香りの中に深みとコクを感じることができる逸品だ。もし、甘いのが苦手というなら、シュガー抜きで注文するといい。

アイスコーヒーは、飲んでいるうちに水っぽくなってしまうことが多いが、この店の氷は溶けにくいので、最後まで濃厚な味を楽しむことができる。アイスコーヒーに浮かべた生クリームが氷を包むため、溶けにくくなり、コーヒーが薄くならないのだという。

和蘭豆ブレンドコーヒーは、モカやブラジルを中心とした4種類の豆を使用し、自家焙煎後、注文を受けてから1杯ずつサイフォンで淹れる。サイフォンで淹れたコーヒーは、香りがよく、甘みがあるのが特徴。店では、一口目はブラック、二口目はコーヒーシュガーを入れ、三口目は珈琲ミルクを入れて、味の特徴と変化を楽しむことをすすめている。

スイーツはケーキ630円(ドリンクセット1030円)、自家製シフォンケーキ650円(ドリンクセット1100円)、創業以来の名物焼き菓子であるフィナンシェ1枚230円などを用意する。
スイーツはケーキ630円(ドリンクセット1030円)、自家製シフォンケーキ650円(ドリンクセット1100円)、創業以来の名物焼き菓子であるフィナンシェ1枚230円などを用意する。

食事にも利用できる充実したフードメニュー

きのことベーコンのグラタン(パン・サラダ付き)単品950円、ドリンクセット1300円。
きのことベーコンのグラタン(パン・サラダ付き)単品950円、ドリンクセット1300円。

また、食事メニューも充実しているので、朝食や昼食、小腹が空いたときと、さまざな場面で利用できる。

「旬の食材を使ったグラタンやドリアが人気があります」と話すのは主任の近江真樹子さん。このほか、ビーフシチュー、ピザトースト、ミックスサンドイッチ、フレンチトースト、厚切りトーストなど多彩なメニューが揃う。ドリンクとセットで利用すれば、割安になるのもうれしい。

メニューのおいしさだけでなく接客のクオリティも高く、老舗喫茶の姉妹店としての品格を感じられる。名物のアイスコーヒーをお供に、心地よい時間を過ごせるだろう。

近江さんとスタッフの須崎祐太さん。
近江さんとスタッフの須崎祐太さん。
住所:東京都大田区西蒲田7-51-12 ライオンズフジ1F/営業時間:9:00~19:30LO/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩5分

取材・文・撮影=塙 広明