問題！
中央に描かれている駅は、何駅でしょうか？
ヒント（1）
一部道路名を追記したものがこちら。
ヒント（2）
スポットの名前もいくつか見せちゃいます！
正解は……十条駅
活気あるアーケード商店街・十条銀座が駅前にあることでもおなじみの十条駅。
最も大きなヒントになるのは、出題の駅のそばにもうひとつ駅があることだろうか。この距離感と角度から、すぐ北に分岐点があることが予想できる。埼京線のなかで他の路線や駅との位置関係がこのようになるのは、大宮駅の南の北与野駅（すぐ東側にさいたま新都心駅）と十条駅（すぐ東側に東十条駅）くらいしかない。路線図を思い浮かべることができれば、その情報だけで答えにたどりつけたかもしれない。
しかし、線路以外にも特徴は多い。地図クイズの醍醐味である（と筆者が思っている）道路模様に注目してみると、十条駅周辺はくねくねと曲がった道も多い不規則な形。一方、東十条駅の東側は、わずかではあるものの直角に交わる道が見えている。ここから、地図右側に描かれている路線より東側は平らな低地、西側は起伏のある台地の上なのではないかと推測できる。台地の東端を走る路線といえば京浜東北線。つまり、道路からも地図右側の線路は京浜東北線なのではないかと推測できるというわけだ。
このほか目につくのは、駅の南西を流れる川。小金井市に源を発し、東へ東へと流れて王子駅の下をくぐって隅田川に合流する。埼京線が越える川は都内だと新河岸川、神田川、目黒川などあって絞り込むのは難しいかもしれないが、他の要素と組み合わせて考えれば強力なヒントになる。
また、駅の南側に多い大きな敷地も注目したい。特に石神井川そばの一帯は、加賀藩前田家の下屋敷があった場所。その名残は板橋区加賀という地名にも残っていて、ヒント（1）には「加賀学園通り」もある（ちなみに、加賀学園という学校があるのではなく「加賀」の「学園通り」だ）。さらに、北区十条台にある陸上自衛隊十条駐屯地は、明治時代に銃砲製造所が置かれて以降、陸軍の造兵廠や米軍キャンプ地となり、返還後は周囲に公園などが整備された。いなりプレーパークの南にある北区立中央図書館は、旧東京砲兵工廠銃砲製造所を再生した赤レンガ造りの建物が特徴的なランドマークだ。
文・地図制作＝中村こより
