雑貨と美容室、はじめからニコイチです
入り口手前が雑貨、奥が美容室。2011年にオープンしたときからずっとこの形だ。少し不思議に思ったが、美容師の岡村則和さんと、オリジナル雑貨の制作・販売をしていた岡村さやかさん夫婦の店だと知ると、その自然さにとても納得してしまった。
ふたりで探し歩き、もとは時計屋さんだったこの物件に出合った。大きなガラスの引き戸が気に入ったという。家族や友人の協力で店全体を大きく作り変えたが、ガラスの引き戸はそのまま受け継いだ。手作りの温かさを感じる店だ。
ギラギラしないアジア感と東欧感。混ざり合ったおもちゃ箱
「ギラギラしたアジア感って好きじゃなくて」と海外に買い付けにも行く雑貨担当のさやかさん。
タイ、ベトナム、韓国などのポップな色味と、ウクライナやロシアなどのちょっと懐かしい色合い。両方の色が混ざり合うから、どぎついアジア感は感じない。アンティークの使い込んだ棚に、古い本物のミシンや大きなキューピーなど、少しレトロな感じもある。どこか不思議な国のおもちゃ箱に舞い込んだような気持ちだ。
どう使うかはその人次第。「素材」としての雑貨
どうやって使うのかな? という商品も、気に入れば仕入れてみるのが『polka』流。なぜなら、さやかさんが思ってもみない使い方や、加工をするお客さんがたくさん来るからだ。
だから使い方を指南したりはあまりしない。買う人自身がおもしろいことを考えてくれるのが楽しい、と話すさやかさん。自身もイラストレーターであり、オリジナルの雑貨の制作もしている。“ものづくりの自由さ”をお客さんと分かち合っているように感じた。
なんとなく「この店ずっとあるね」だといい
雑貨店と美容室、そして子供たちの親でもある岡村夫妻。毎日大変なのでは? と思うけれど、そんなことはどこ吹く風。ふたりは終始、雑談を交わしてとても楽しそうだった。
「なんとなーく、『この店ずっとあるね』くらいの感じで長く続けたい」とさやかさん。きっとこのまま、ほどよいペースのあったかいお店が続いていくことだろうな、と思った。
『salon+atelier polka』詳細
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ