将棋ファンはもちろん、ビギナーがその魅力に触れるきっかけに
カフェは、将棋の駒の形を模した甘味や月替わりで棋士の写真がプリントされるカプチーノ、将棋の戦略の名前がついたカレーなど、将棋会館ならではのメニューがずらり。さらに「康光ブレンド珈琲」は、コーヒー好きとして知られる佐藤康光九段が監修したもの。『棋の音』の名付け親でもある佐藤九段はオープン初日に一日店長として店頭に立ち、大勢のファンが詰めかけたという。
ショップにも将棋をモチーフにしたさまざまなアイテムが並ぶ。移転前から販売していたオリジナル商品に加え『棋の音』オープン記念のグッズも人気だ。ユナイテッドアローズとのコラボでは、千駄ケ谷の街をイラストマップにしたデザインのTシャツやトートバッグも。
また、画家・ヒグチユウコさんの作品があしらわれたハンカチやサコッシュは、これを目当てに駆けつけたお客さんも多いとか。「将棋に関する書籍なら、どこの書店よりも揃っていますよ」と日本将棋連盟の中村紀子さんが胸を張る本棚も必見だ。
また、広々とした将棋道場では従来のように誰でも対局できるのはもちろん、ビギナーズセミナーも開催。初心者の背中を押してくれる。
JR千駄ケ谷駅からのアクセスもよく、たまたま前を通りかかったという人も足を踏み入れていて、間口がぐっと広がった印象の新将棋会館。将棋ファンが楽しめるのはもちろんのこと、将棋になじみがなかった人でもその魅力に触れるきっかけになりそうだ。
取材・文・撮影=中村こより
『散歩の達人』2024年11月号より