地域ごとの天気が詳しく分かる「天気分布予報」
お散歩やお出かけをする時に、その日の天気をテレビやインターネットなどで確認する人は多いと思います。
時には天気次第で予定を変更することもあるかもしれません。ところが、「天気予報で雨マークだったから予定を変えたのに、晴れている……!これなら出かけられたのに……」。なんて、そんな悔しい経験をしたことはないでしょうか?
実は天気予報には、晴れや雨などの天気マークだけでは表現し切れない情報が隠れていることもあるのです。
例えば気象庁の天気予報マークは、対象となる日の天気を1つまたは2つのマークで概要がわかるように表示していて、雨や雪が降る場合は優先して表示しています。このため、下図の関東地方の予報のように「曇り」と「雨」のマークだけが表示されている日の場合、実際には晴れの時間があったとしても、天気予報には3つ以上のマークを表示することはできないので、「晴れ」マークが付かないことがあるのです。
こうしたマークには現れない情報を知るために活用できるのが「天気分布予報」です。これは、3時間ごとの天気の傾向を「晴れ・曇り・雨・雨または雪・雪」の5種類に色分けして表示した情報です。全国を5㎞四方に分けて時間ごとに表示するため、いつ、どこで、どんな天気になるのか細かく知ることができます。
天気だけでなく、降水量や気温の分布も一目でわかります。雨や雪が降る時はどれくらいの強さなのか、いつから強まるのか、具体的に知って備えるのに便利です。また、都市部から山間部へ移動する時に、気温がどれくらい違うのか確認して服装を調整するといった使い方もできます。
「高解像度降水ナウキャスト」で詳細な雨雲の動きをチェック!
雨雲の動きがわかるアニメーションは、雨の日のお出かけに欠かせませんよね。気象庁の「高解像度降水ナウキャスト」では、気象レーダーの観測データを利用して、1時間先の雨の予想を250mの解像度で表示しています。地上付近の風や気温、水蒸気などから土砂降りの雨や雷をもたらす積乱雲の発生も予測するため、天気の急変に備えるのにとても便利です。
高解像度降水ナウキャストと合わせて、「雷ナウキャスト」や「竜巻発生確度ナウキャスト」を合わせて活用するのもおすすめです。雷ナウキャストは、雷の激しさや雷の可能性を1時間先まで予測する情報です。竜巻発生確度ナウキャストでは、「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を推定し、1時間先までの予測を知ることができます。
「アメダス」「ひまわり」を活用しよう!
また、この先の天気の情報だけでなく、お散歩している今この瞬間の天気や気温について知りたいこともあると思います。
全国各地の気温や湿度、降水量、風向・風速を自動的に観測している気象庁のシステムを「アメダス(AMeDAS)」といいます。
これは「Automated Meteorological Data Acquisition System」の略です。自分が今いる場所やその周辺の地点の気象データがすぐにわかるので、「今とても暑いけれど、気温はどれくらいだろう?」「風はどの方向から吹いているのだろう?」など、ふと生まれた疑問をすぐに解消できます。
このほか、空に浮かぶ雲の様子を宇宙から眺めるのも面白いです。天気予報でもよく登場する雲の様子を知る画像は気象衛星ひまわりで観測したデータから作られますが、これは気象庁のwebサイトでも見ることができます。現在だけでなく過去の雲の様子も見られるため、流れる雲がどこからやってきたのか、思いを巡らせながら確認するのも楽しいですよ。
今回紹介した情報はどれも気象庁のwebサイトで見ることができ、スマホで天気予報をチェックする時にとても役立ちます。お散歩中にもぜひ活用してみてください。
文=片山美紀 TOP画像=写真AC