花を“五感”で楽しむ。カフェとフラワーショップが併設
立川の商業施設「GREEN SPRINGS」内を歩いているとひときわ華やかな店が目に留まる。『FLOWERS BAKE & ICE CREAM』は、東京・港区から全国にフラワーショップやフラワーデザインを広げてきた1950年設立の老舗生花店「日比谷花壇」の新業態として、2020年5月にオープンしたカフェ&ショップ。これまで、自宅に飾って見ることがメインの楽しみ方だった花を“五感で楽しむ”ことをテーマにした新感覚の空間だ。
ガラス張りの明るい店内には、カラフルで可憐なドライフラワーがたくさん飾られているほか、エディブルフラワー(食べられる花)や花のシロップを使ったカフェメニューを提供し、フラワーショップも併設している。そのフォトジェニックな空間やメニューに惹かれ、お客さんのほとんどが女性なのだとか。
ショッピング中に休憩するカフェとして利用する人や、お気に入りの花屋として利用する人など、来店する目的は人によってさまざまだ。
ネオンが光るおしゃれなフラワーコーナーには、色とりどりの季節の花々や、観葉植物などがセンスよく並ぶ。ラインアップは、飾るだけで自宅をパッと華やかにしてくれる明るいカラーの花たちが中心。もちろん全て購入できるので、お気に入りの花を探してみよう。
罪悪感フリーで食べられる大豆ミートのラザニアが人気!
オープン当時はサンドイッチなどの軽食をメインにしていたカフェメニューだが、お客さんのニーズに合わせてパワーアップを続けてきた。ここ数年では海外からの旅行者が増えてきたため、植物由来原料を使ったプラントベースのメニューを取り入れている。
数あるメニューの中で不動の人気を誇るのが、大豆のお肉のボロネーゼとチーズのフラワーラザニア1180円(土・日は1280円、平日のランチタイム11:00~15:00はスープ、ミニスイーツ付きで1380円)。
スキレットにのせて提供するボリュームたっぷりのラザニアは、注文が入ってから店内で一つ一つ焼き上げられている。熱々のラザニアのうえにはエディブルフラワーが添えられ、彩りも豊かだ。
ラザニアの間には、大豆ミートを使ったミートソース、プラントベースのホワイトソース、とろとろのチーズが層のように重なっており、食べ応え抜群!
体に優しい素材にこだわりつつも、主役のラザニアはあえてグルテンフリーではなく小麦粉を使うことで、味にまとまりが出るよう全体の素材とのバランスを取っているそう。きちんと“お肉感”のあるミートソースのラザニアは、最後の一口まで罪悪感なくおいしく食べられる。
おなかはしっかりと満たせるのに、ほどよくヘルシーに食べられるところが魅力的だ。おしゃれさだけではなく、味わいと満足感も両立しているのがうれしい。
アーモンドミルク使用のソフトクリームはコクがあるのに爽やか
料理だけではなくスイーツも、体にやさしいことを意識して作られている。食後に注文する人が多いというアーモンドソフトアイスクリームは、アーモンドミルクと牛乳をミックスしているため、牛乳のコクとアーモンドミルクのやさしい甘さ、ヘルシーさのいいとこどりが味わえる。
スタッフさんが「夏におすすめです」と教えてくれたマンゴー&キウイは、マンゴーとキウイのソースがたっぷりと入ったソフトクリーム。マンゴーの果肉やキウイの粒々が楽しめて、爽やかな甘さが暑い季節にぴったりだ。
おなかに余裕がある人は、ソフトクリームにふわふわの米粉ドーナツがのったドーナツサンデー930円もお見逃しなく!
五感で花を感じられる『FLOWERS BAKE & ICE CREAM』は、団体予約でオリジナルのプレート料理を作ってくれたり(要事前相談)、花をテーマにしたワークショップを開催したりと、カフェやショップの枠を超えたさまざまな楽しみにあふれている。
カフェとして使うもよし、花を買いに行くもよし、新しいことを体験しに行くもよし。日常の多彩なシーンで立ち寄れば、花をもっと身近に感じられるはず!
取材・文・撮影=稲垣恵美