駅の喧騒から離れた“秘密”のカフェ
立川駅南口から10分ほど歩き、駅前の喧騒から離れた頃に現れる『pimiri cafe』。窓は真っ白なカーテンで隠され、店内の様子はベールに包まれている。店名の「pimiri(ピミリ)」は、韓国語で「秘密」という意味。その名の通り、まるで秘密基地のようにひっそりとした雰囲気を放つ隠れ家カフェだ。
そっと扉を開けてみれば、たちまち白を基調にしたガーリーな空間が目にとびこんでくる。インテリアや小物の一つ一つに“かわいい”をギュッと詰め込んだような空間は、女子の心を全力でくすぐる。
この空間をプロデュースしたのが、店のスタッフで現役大学生の邊見(へんみ)里沙さん。『pimiri cafe』の前身にあたるサラダ専門店の元スタッフで、同店がカフェに業態変更する際にオーナーから運営を任された。
「オーナーとは前の店で働いていたときから信頼関係があり、私が大学で経営学を学んでいたこともあったので“カフェを運営してみない?”と声をかけてもらえたんです。もともとカフェ巡りが好きだったのと、お店の運営にも興味があったので良いチャンスだと思い、同じく大学で経営学を学んでいた友人と一緒に挑戦してみました」
女子の心をつかむ映え空間
店を運営するにあたり、空間やメニューづくりをするためにさまざまなカフェに足を運んで研究を重ねた邊見さん。トレンドを最大限に取り込みながら独自のアイデアも盛り込んだことで、流行中の韓国風カフェをベースに、フレンチガーリーな要素をミックスさせたオリジナルの空間ができあがった。
さらに店のオープン時から、InstagramやTikTokなどのSNSも積極的に活用し情報を発信した。2022年から営業をスタートすると、たちまち邊見さんらと同世代の女子たちの心をつかみ、SNSで話題の店となったのだ。
最近のカフェの楽しみ方のひとつとして、自分の応援しているアイドルやアニメのキャラクターのグッズを持ち込んでおしゃれに撮影する“推し活”がブームになっている。
『pimiri cafe』でも「推し活を思いきり楽しんでほしい」という思いから、自由に使える撮影用のアイテムを用意している。
「店内のBGMも、その日のお客さんの好きなアイドルの曲をかけるようにしたら、より盛り上がってもらえるようになりました」と邊見さん。全面的に推し活を歓迎している空間で、思いきり推しへの愛を爆発できそうだ。
撮影を楽しめるのは店内だけではない。『pimiri cafe』でテイクアウトしたメニューは、「立川市子ども未来センター」の裏手にある公園で食べられるよう許可が取られている。店では無料のピクニックセットも貸し出しているので、手ぶらでピクニックを楽しめるのだ。
最近では店内で愛犬を連れての食事がOKになったほか(混雑時は不可になる可能性あり)、愛犬と一緒にピクニックを楽しむ人も増え、ますます客層が広がっているそう。
人気スイーツはサクサクふわふわのクロッフル!
店内のほかメニューに至っても、とことんSNS映えを意識したかわいらしいスイーツが中心だ。その中でも人気のスイーツがクロワッサンワッフル、略して“クロッフル”。韓国発のトレンドスイーツで、ここ数年日本でもブームになっている。
名前からもわかる通り、クロワッサンの生地をワッフルメーカーで焼き上げた、クロワッサンとワッフルのいいとこどりをしたスイーツだ。
一番人気のストロベリーのクロッフルは、焼きたてのクロッフルの上に、ハート形にカットされた真っ赤ないちご、たっぷりのクリーム、くま形のクッキーがあしらわれ、どの角度から見てもかわいらしい盛り付けだ。
バターがふわりと香るクロッフルは、外はクロワッサンのサクサク感、中はワッフルのしっとり感を味わえる。ワッフルよりも軽い口当たりなので、食後のデザートにもよさそうだ。
スイーツもさることながら、ドリンクメニューもコーヒーや紅茶、数種類のソフトドリンクなど充実したラインアップだ。どれを頼もうか迷ってしまうが、ダントツ人気だというピンクレモネードを注文してみた。淡いピンク色のドリンクは、ひとつあるだけでテーブルがパッと華やかになる。「やっぱりみなさんピンクが好きみたいです」と邊見さんは笑う。
気になる味はというと、ふわりとバラの香りが鼻を抜ける、爽やかなレモネードだ。バラから抽出したピュア・ローズオイルと天然レモン果汁で作られているため、自然な香りと味わいが楽しめる。瓶入りで提供されるため、友人とシェアして楽しむのもいいだろう。
ほかにも、ケーキのプレートに好きなメッセージを入れられるバースデープレート(2310円、ローソク100円~)も推し活に人気だそう。
カフェめぐりが好きな人、大好きな推しがいる人は、『pimiri cafe』で好きなもの・かわいいものに囲まれて幸せなひとときを過ごしてみては?
取材・文・撮影=稲垣恵美