魚ともち麦、スパイスを使った料理で、心も体もうれしい“新しいサカナ習慣”を提案する
四ツ谷駅から新宿通りを歩くこと5分、アイスブルーの外観が気になって『FISH A WEEK 週一魚』の前で足を止めた。看板には「サカナともち麦のスパイシーな新感覚ごはん」と書かれている。魚もスパイスも好物だし、もち麦にも興味がある。
外にかかっているメニューを見てみると、朝はもち麦入りのお粥とおにぎりをメインに、野菜を使った多彩なデリが揃っているではないか! 今日は雨が降って肌寒いから朝粥なんてサイコーだ。
店内に入ると、白いレンガ調の壁と木目のやわらかい雰囲気が気に入った。ところで、ここはどんなお店なんだろう。この店のスタッフさんに話を聞いた。
「水産庁や厚生労働省の調査によれば、健康的な食生活を送りたいと思っていながら実現できていない人が多いようです。具体的にどんな食材や栄養素が摂れていないと感じているかについては、とくに魚(DHA、EPA等)ともち米(食物繊維)、野菜(ビタミン等)が挙がっています。そこで2022年11月、これらの食材に着目し“健康的でおいしい食を届けて、結果として健康になってもらおう”というコンセプトでレストランを作りました」
気づいたら元気になっちゃった! っていうのは理想的ですよね。
ちなみに使用する魚は、『ブルーシーフード(地球にやさしいサステナブルな水産物)ガイド』にリストアップされているものを一部採用している。「これは持続可能な水産物を優先的に消費して漁師さんを支援しつつ、海の環境も整えましょうという取り組みです。ここに『FISH A WEEK 週一魚』も賛同しています」。
どんな魚があるのか調べてみたら、カツオやキハダマグロ、マイワシ、マダラ、カラフトシシャモ、ベニサケなど、なじみのある魚がたくさん! 挙げたらキリがないが甲殻類、貝類や海藻類もあった。
ここでご飯を食べたら、自分の健康だけじゃなく海の環境も整えられるなんていいこと尽くしじゃないですか。さっそく朝食をいただきましょう!
プチンと弾けるもち麦はタピオカのような食感! しかもおいしくて食物繊維がたっぷり
朝ごはんの提供時間は7時〜11時。店の外でメニューを見た時から決めていた、もち麦入朝粥ミニのデリセット540円を注文した。ここのところ野菜不足だったのでさらにデリ200円を1品追加。どんなふうに作っているのか特別に厨房に入り見せてもらった。
「朝粥やデリもひとつずつ店で手作りしているんです。野菜デリのメニューはコロコロ変わるので、いつ来ても楽しめると思いますよ」。スタッフがテキパキと食器に盛り付け、ものの5分で提供の準備が整った。
オーダーした食事が卓上に運ばれてきた。これでトータル740円なのはお値打ちじゃないですか!
まずは、朝粥からいただきます。ミニサイズながら魚の切り身が入っており、この日は焼いたサワラだ! トロリとしたお粥は上品でやさしい昆布出汁がきいている。ん⁉️ すくってよく見てみると、昆布だけじゃない。口に広がる濃厚な旨味は貝柱が下支えをしているのか。お粥にもち麦を入れて食べたことがなかったけど、口の中でプチンと弾ける食感がクセになりそう。そうそう、タピオカの食感に似ているな。もち麦の食物繊維含有量は白米の約20倍(『日本食品標準成分表2020年度版』より)らしい。おいしくて栄養価も高いんだ。
今回は一般的な飯碗サイズの“ミニ”を選んだけど、次はレギュラーサイズでも良さそうだ。
朝粥のおいしさに悶絶しながら野菜デリもバランス良く食べ進める。ミニトマトと新玉ねぎのツナサラダは、ミニトマトの甘酸っぱさと新玉ねぎの甘さ、コクのあるツナマヨが好相性。一方、ブロッコリーとインゲンのハーブマリネは醤油ベースのオリジナルハーブソースが絡めてあり、仕上げの白ゴマがいい香りだ。
どちらも調味料は控えめなのだが、素材の味が引き立てられていてパクパク進んじゃう。
ああ〜、完食したらおなかの中から温まった。栄養価が高く、低カロリーで調味料も最低限。お客さんには健康に気を付けている40代以上の男性も多いそうだ。
魚×スパイスのランチは店内でも、持ち帰りでも。さらにサブスク弁当まで
朝食が食べ終わる頃、厨房からスパイシーないい香りが漂ってきた。看板のキャッチコピーにあったようにこの店のメインは魚とスパイスだ。11時から閉店までは魚料理と野菜デリが提供される。
「実店舗は四ツ谷だけですが、都心のオフィス街でキッチンカーを展開しているんですよ。実店舗は品数が多いので、ぜひいろんな料理を味わっていただきたいですね」
メニューを見せてもらうと、サバのタンドリー焼き(イエロースパイシーソース)、サワラの西京焼き(大根おろし柚子胡椒ソース)、イワシのガーリック焼き(地中海風完熟トマトソース)などと、素晴らしいラインナップ。( )内の文言が、カラオケの歌詞によくあるメインボーカルとコーラスみたいにバシッとハマってますね。
「スパイスを使うことで塩分を減らしているんですよ。いちばん人気がサバのタンドリー焼きですね。テイクアウトだけでなく、お弁当のサブスクも実施していて、月5回好きなメイン1品とデリ2品を専用のお弁当箱に詰めて提供しています。食べ終わったら弁当箱を返却するだけでいいんです」。
うぬぬ、「お弁当を詰めて食べるまではいいんだけど、帰ってから洗うのがイヤなんだよな」、という本音を一発で射抜かれた感じ。認めます、コレかなりイイ! しかもこの店のメニューは健康的な観点で作られているんだから、食べ続けていたら結果にコミットしちゃうかも。こりゃあオールタイムで鬼リピするしかないでしょう。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢