アメリカで体験した味をヒントに開発したレシピ
表参道駅から出て国道246号線を歩くこと3分。国際連合大学の並びは洗練されたカフェやブランドショップなどが並んでおり、そのなかにパステルブルーのカフェ『good day for you Tokyo Aoyama』を見つけた。
店は木目が基調になっていて落ち着いた雰囲気。ガラスケースにはチーズケーキや色とりどりのスコーン、サンドイッチなどが陳列されている。
この日店頭で対応してくれたマネージャーの畑井孝友さんは「オーナーがアメリカでの修業中にチーズケーキやスコーンを食べたそうなんですが、それがとてもおいしかったそうです。当時日本ではアメリカンスタイルのチーズケーキが珍しかったので、日本人の口にも合うよう開発をしました」という。渋いトーンの店内と同様フードもオールドスタイルのテイストなのだろうか。
オープンは1986年10月。六本木にあった小さな店舗からスタートし、朝から晩までオーナーが1人でスコーンやチーズケーキを焼き上げていた。現在は本店をここ青山に移し、沖縄県那覇市にも支店がある。そのほか全国各地の百貨店やモール等で期間限定の催事販売をしている。さらにオンラインショップも展開しているので、食べたくなったときに購入が可能だ。
「青山店ではイートインのスペースを拡大するとともに2階に工場を備えたので、作りたてのスコーンやチーズケーキのバリエーションを豊富に取り揃えています。いろんなメニューを楽しんでもらいたいなという思いがありました」と畑井さんは話す。改めてガラスケースの中を見てみると、実にバラエティ豊かな品揃えだ。
余韻が続くよ、どこまでも。澄みきった味の天空のコーヒーとチーズケーキ&スコーン
まずは店内で食べてみたいけど、スコーンだけでも常時8種に加えシーズナルメニューまであってどれにしようか悩んでしまう。ちょっとした差し入れにも喜ばれそうだ。
この日の気分で、ホワイトチョコとラズベリーのスコーン362円とプレーンチーズケーキ436円をいただくことに。ドリンクはメニューに大きなポスターが貼り出されていて興味をひかれた天空のコーヒー700円をチョイスした。
「ふだんはドリンクを紙コップで提供しているんですが、天空のコーヒーをイートインする場合のみ、持ち前の“味・香り・余韻”を感じてほしいので陶器のカップで提供しています」と畑井さんが言うので、テーブルに運ばれて来た時には期待と興奮で鼻息が荒くなった。
天空のコーヒーは雑味がなくて、口当たりが優しく苦味と酸味がいいバランス。そのあと口いっぱいに余韻が広がる〜。畑井さんが知り合いのコーヒーメーカーから紹介を受け、飲んでみたらその味に感銘を受け即メニューに導入したそう。
チーズケーキにフォークを入れたときは固めだなと思ったのだが、一口大に切って口に入れるとすぐサラサラと溶けていった。チーズのコクと香り高いコーヒーがすごく合う!
筆者は梵鐘の余韻をじっと聞き入るように、チーズケーキとコーヒーのマリアージュを楽しんだ。さあ、続いてスコーンへ。
一般的にスコーンはパサパサしているのでクロテッドクリームなどをつけて食べるが、このスコーンはそのままで十分。サクッとしているけど口の中ですぐ崩れていく。生地の一部に発酵バターを使用し、ハチミツや練乳などを入れ風味豊かに仕上げている。「スコーンは常時8種+期間限定があって、それぞれに風味が違うので面白いですよ」と畑井さん。
ほかにもドリンクはまろやかな味わいの水出しのコーヒーや紅茶も人気だそうで、今回は食べられなかったサンドイッチと合わせてみたいな。
2階の工場で手作りしているお菓子を全国へ発信
食事が終わり、階段を登って2階の客席にも行ってみた。カウンター席にあった小窓を覗くと、併設する工場の様子が少し見えた。
特別に厨房へ入れてもらうと、ちょうど先ほど食べたホワイトチョコとラズベリーのスコーンを作っているところだった。ここではパティシエたちが実店舗と催事の期間限定ショップ、オンラインショップも含めた全てのメニューを作っているそうだ。
『good day for you』では青山店のほか那覇店、全国各地の百貨店などで期間限定ショップを展開していて、徐々に認知度が高まっている。もし、地方にいるときにこの店の味が恋しくなったらホームページの“催事情報”を見てみよう。意外と近くでチーズケーキやスコーンが買えるかもしれない。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢