肉の存在感があふれだすアメリカンなグルメバーガー
店内に着席して、タブレットからハンバーガーを選ぶ。信じられないほどのお肉が溢れる、名物!!極上肉づくしバーガー1940円や、季節メニューの北海道カニとエビのグラタンバーガーといったゴージャスなバーガー。ビジュアルが度肝を抜く。
タブレットにはまだまだ、定番のハンバーガー1440円やアボカドバーガー1690円など幅広く多種多様なハンバーガーが並んでいる。どの写真も肉々しさ満載で、できることなら3種類くらい食べ比べしてみたいところだが、断腸の思いでコルビージャックチーズバーガー1640円を選定。ワンドリンクが付くということなので、赤ワインのようなぶどうジュースを選んだ。
やってきたのは存在感を放つお肉にトロトロのチーズが乗った、分厚い大迫力のハンバーガー。こんがり焼かれたつやつやバンズと、ジューシーさが一目見てとれるパティ。とろけるチーズにシャキシャキの野菜。おいしくないわけがない見た目に矢も楯もたまらずガブリ。
お肉の存在感がすごい。超粗びきの歯ごたえ。噛みしめるごとに溢れだす肉汁。シンプルな味付けで「肉・肉・肉」という、お肉にかぶりついている感覚をくれる。まろやかさとコクをプラスするチーズ。みずみずしさほとばしる生の野菜。香ばしく、ほのかに甘い全てを包み込むバンズ。全てが混然一体となってまさしく「極上」のハーモニーを奏でる。
3000日の冠は伊達ではない! がっつくように食べ進めて気づけは残り二口ほど。
テーブルに置かれた自家製ハンバーガーソースで味変するのがお勧めと聞いていたが、この巨大さにも関わらず、一切飽きがこない。危うくハンバーガーソースを試す前に完食してしまうところだった。ソースをかけると味ががらっと変わる。肉々しく、いい意味で荒っぽさのあるガツンとした味から、まろやかでさわやかな酸味を感じるやわらかな味だ。
赤ワインのようなぶどうジュースは皮の雑味が一切なく、ぶどうの香りがとんでもなく芳醇で甘みも強く飲みやすい。肉の主張の強いハンバーガーにぴったりだ。
脳裏に焼き付いたNYのハンバーガーを8年かけて再現
オーナーの岩元宏康さんはバックパッカーとして世界を回っていた。そのときにニューヨークのハンバーガー屋で食べたハンバーガーに衝撃を受けたという。
「当時、日本でハンバーガーといったらペラペラのパティを使ったファストフードというイメージしかなかったんですが、そこで食べたハンバーガーはいわゆるグルメバーガーというやつで、ファストフードのものとは全く違っていました。本当に衝撃を受けて、そのときからそのハンバーガーの味が脳裏に焼き付いたんです」と岩元さんは語る。
その後、2010年に現在の場所にカフェバーをオープン。当時は世界の料理を楽しめるワールドフードのお店だった。
「様々な料理が楽しめるというコンセプトでしたが、逆に言うとウリがなかったんです。集客も伸び悩んで、そのときに思い浮かんだのがニューヨークで食べて脳裏に焼き付いたあのハンバーガーでした。それからはずっと研究の日々でした」
シンプルでいて肉々しく、まるでステーキのようなパティ、その荒々しい肉をやさしく包むバンズ、それらをまとめあげるソース。ファストフードのハンバーガーとは違う高級感を持つ、一つの料理として成り立つハンバーガー。1000回を超える試作、3000日の試行錯誤を経て、極上のハンバーガーに辿り着いた。
「その頃、あるハンバーガーフェスに呼ばれて出店したのですが、ハンバーガーが好評で、グルメバーガーをウリにしたお店としてやっていくことを決めました。研究に8年数ヶ月かかって、ちょうど3000日経っていたことで2018年に店名を『3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field』にしてリニューアルオープンしました」
3000日の研究に裏付けられたハンバーガーに対する自信をのぞかせて岩元さんは語る。
「単にニューヨークのハンバーガーの味を再現したわけではないんです。8年もかかったのは、日本の人達にあの味を届けたいというだけではなく、あのとき感じた衝撃を経験してほしかったからですね。今ではグルメバーガーは日本でも浸透してきましたが、それでもうちでは衝撃を受けてもらえるようなハンバーガーを提供しています」
一度食べたら忘れられないハンバーガーを体験できる『3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field』
『3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field』は、岩元さんがニューヨークで受けた衝撃を味わってもらいたいと、8年にも及ぶ研究と試作を経て辿り着いた極上のハンバーガーを提供している。
そのハンバーガーの、一枚肉にかぶりつくような迫力あるパティと優しいバンズの組み合わせはまさに衝撃。グルメバーガーが溢れる昨今であってもその衝撃は色あせることはない。究極のハンバーガーを体験しに清澄白河にGo!
/営業時間:11:00~22:00
/定休日:無/アクセス:地下鉄大江戸線・半蔵門線清澄白河駅から徒歩10分
取材・文・撮影=かつの こゆき