カフェだけどしっかりごはんも食べられる
新井さんは長らくイタリアンなどを中心に飲食業に携わってきたが、当初『CAFE TANTON』をオープンする際はドリンクやデザートを中心としたカフェにするつもりであったという。しかし、近辺に食事のできる場所があまりなかったので料理も提供することにした。そのためランチタイムは近辺のワーカーさんたちが食事を求めて多く来店する。
メニューは温泉卵のガパオライス1200円の他に、ビーフハヤシライス1100円、カルボナーラリゾット1540円などの洋食がメイン。ごはんは基本玄米で、できるだけヘルシーな料理を提供することを心がけているという。どれもおいしそうでしばらく悩んだが、焼チーズのカレードリア1380円とデザートにバニラアイス400円とTANTONクラシックプリン550円を注文した。
まずはサラダとスープが届く。新鮮さの感じられるシャキシャキとしたサラダ。サニーレタスと水菜の歯触りと人参のほのかな甘みがドレッシングともよく合う。スープは複雑な層をなす味わいで、まとまりがよく飲みやすい。クルトンもカリッといいアクセントだ。
そして待望のカレードリアがやってきた。
玄米にカレーとチーズが乗せられ、中心には半熟卵、仕上げにバーナーで炙られていて、こんがりとした焼き色がついている。見た目だけで食欲が湧いてくる。
さっそくいただくと、力強いカレーの風味。辛さは少ないが、たっぷりのチーズにも負けない濃厚さに感動。柔らかく炊かれた玄米に合わせると一気に香りが開く。まろやかなチーズと濃厚なカレー、コクのある玄米と香ばしい焼き目のハーモニーは絶品。玄米は噛みしめるごとにプチプチと味わいが広がる。
ホロホロに柔らかく崩れるお肉は塩麴でマリネしたチキンだという。様々な味の推移を堪能しながらあっという間に食べ終えてしまった。
デザートのバニラアイスはキャラメルソースとチョコレートソースが選べる。今回はキャラメルソースにした。
スプーンは猫の肉球をかたどったかわいらしいもの。これだけでもテンションが上がる。
アイスはもっちりとしていて味もしっかりと感じられる。それでいてさっぱりとしていて疲れない味だ。クリームもしっかりと固めでアイスとの相性も抜群。
続いてのデザートはTANTONクラシックプリン550円。『CAFE TANTON』のデザートはバニラアイス以外は全て自家製。このプリンも自家製で名前の通りクラシカルな固めプリンだ。ずっしりとしたプリンにズズっとスプーンを沈めてひと口。コクのある密度の高い味わいだ。それでいてキレがよく、しつこさがない。ひと口、またひと口と食べ進めてしまう。カラメルも優しい苦みで、子どもでも大丈夫だろう。
色鮮やかなサクランボをアクセントにあっという間に完食。
ペットや子どもと一緒でも楽しめる場所を提供したい
『CAFE TANTON』は全席犬を連れてお食事が楽しめる。
「駅から少し歩きますし、正直立地がいいとは言えませんが、この近辺を観察していて犬連れの人が多いなと思ったんです。ファミリー層も多くて、だから犬を飼っている人や子どもにやさしいお店にしようと思ったんです。テラス席はペットOKというカフェはありますが、店内も大丈夫というところはこの辺りは少なかったので、大家さんと交渉して犬を店内に入れられるようにしました」と新井さんは語る。
犬用のお水や食事も提供しているので愛犬とのんびり過ごすことも可能だ。この日も新井さんの愛犬にとん君が店内を自由に歩き回っていた。
「にとん君は今のところ水曜日の15時から17時だけお店にいます。もう少しおとなしくなったらおいておく時間も増えるかもしれませんが」
子どもも気軽にくつろげる
また、小さな子どもを連れての来店も大歓迎だと言う。
「この近辺は子連れで入れないお店も多いので、そういった層にも門戸を開いています。店内のテーブルはベビーカーが通れる間隔で配置してあります。本来ならもう少し席数を増やせるのですが、赤ちゃんや小さいお子様も気軽に来店できるようにということでそうしました」と新井さん。
近辺に気軽に食事のできる場所がなかったので食事を提供することにし、ペットや子どもを連れてのんびりと食事やコーヒーが楽しめる、地域住民のニーズに応える環境を提供する新井さん。
『CAFE TANTON』は地元の人達に愛される憩いの場となっている。清澄白河でのランチなら、ペットや子どもにフレンドリーな『CAFE TANTON』で、15年以上飲食に携わってきた新井さんの確かな腕で提供される料理を楽しもう。
/営業時間:月10:00〜17:00・火〜金10:00〜21:00(土・日・祝 は9:00〜21:00)/定休日:無/アクセス:地下鉄大江戸線清澄白河駅から徒歩4分
取材・文・撮影=かつの こゆき