ナチュラルで「からだ」にうれしいヘルシーファストフード店
国道246号線にあり、通りを挟んで青山学院大学の向かいにある商業ビルの1階に『F&P SMOOTHIE CAFE』がある。店頭の雰囲気がナチュラルっぽくからだにうれしいものがいただけそうだ。
店は木とグリーンを基調にした内装だが、取材当日はちょうど朝日が差し込んでいたので、ますます清々しさがUP。大きく伸びでもしたい気持ちをグッと堪えて、アシスタントマネージャーの渡邊春東さんに話を聞いた。
「当店のエンブレムにもあるFICO & POMUMというのは、ラテン語で『イチジクとリンゴ』っていう意味なんです。リンゴは人類最古の果実と言われているので、人間と果物との関わり合いを表現しています」とのこと。この言葉からもこの店のフルーツへのこだわりを感じさせる。
2013年にオープンした『F&P SMOOTHIE CAFE』は、まだそれほど日本でメジャーでなかったスムージーの店を、ここ青山に構えた。直営店は青山だけで、あとはフラワーショップに併設するカフェなどにレシピを提供している。
「アメリカの西海岸で学生時代を過ごした社長が、現地ではポピュラーだったフルーツや野菜をブレンドしたスムージーを日本で展開してみようと思ったそうです。使用する食材は素材にこだわり、甘味料は白砂糖ではなく有機のアガベシロップを使用しています」と渡邊さん。
農作物には旬がつきものだが、鮮度を保てる最新の冷凍保存技術によりいつでもベストな状態で提供できるのだそう。気軽に食べごろのおいしい果物や野菜を取り入れられるのはいいなあ。
個々に合わせて多彩にカスタマイズ可能。何より「おいしいから続けられる」とスタッフが断言
17種のスムージー、5種のサンドイッチ、5種のサラダ、スムージーボウルやオートミールとメニューは実に多彩だ。
「最初はスムージーをメインにサンドイッチがあったのですが、途中でサラダやボウルが加わりまして。2023年に店舗をリニューアルしたときにメニューの見直し、お客様からのご要望もありまして、お腹も満たせるフードメニューを追加しました」と渡邊さんがメニューを見せてくれた。
健康面を意識した女性客がメインということで、ヘルシーさも考慮し新たに加わったのが、グラノーラスムージーボウルと温かいスムージーが乗ったオートミールボウル。
え、スムージーは冷たいものだと思ってた! メニューに「スムージーはすべてホットにできます」と書かれていて、天から光が差してきたような気分になった。おお神よ! スムージーって飲み切る頃にはお腹がゴロゴロしちゃうんだよな……というお腹ヨワヨワさんには朗報だ。
だけど17種類もあったらちょっと迷っちゃうな。筆者のようにメニューを凝視したまま固まってしまうお客さんが多そうだ。
「そうですね、カロリーや量についての質問は多いですね。実際、僕でもサンドイッチとドリンクを完食するとお腹いっぱいになりますから。サンドイッチ以外に追加できるナッツ類やドライフルーツなど22種のブースターオプションもあるので、好きなようにカスタマイズできます」。
ジムの後にスムージーを飲みに来る常連客にはタンパク質を多く含んだものが人気だそう。
「タンパク質が多いメニューは?」と尋ねられたときは3種類のプロテインのほかに、タンパク質を多く含んだ生ヘーゼルナッツやヘンプシードなどをおすすめしている。かくいう渡邊さんも筋トレなど運動する習慣があり、趣味と実益を兼ねて商品知識を駆使しながら「(筋肉がついて)カラダが大きくなった」と話す。そういえば髪や肌にもツヤがあって健康的! う〜ん、これは説得力があるなあ。
「たとえばグリーン系のスムージーは野菜のクセが強くて青臭そうだというイメージがあるかもしれないんですけど、ほかの果物との組み合わせで飲みやすくブレンドしてるのでおいしいんです。健康的でおいしいから僕も続けられていると思います」。
デトックスや美肌、ビタミン補給といった美容・健康に関する質問が最も多いのだとか。美は1日にして成らず。習慣化することが大切なんだなあ。“明日の美と健康のため”のメニューに迷ったら気軽に尋ねてみよう。
ヘルシーで満腹&満足なスムージーとサンドイッチ
渡邊さんから「ヘルシーでもおいしさ重視」と伺ったので、定番人気のスムージーストロベリーバナナ748円(テイクアウト734円)とF&Pサンド946円(テイクアウト928円)をオーダーした。
「ストロベリーバナナの商品開発の時に、使用するのは牛乳か豆乳か迷ったんです。日本人にとって牛乳はなじみのある味なのですが、環境にやさしいプラントベースの豆乳を採用しています。結果、ビーガンの方にも好評です。当店ではヨーグルトもソイヨーグルトなんですよ」。
同時にF&Pサンドも調理。パンはトーストすることもできるが、今回はそのままいただくことにした。
まずはストロベリーバナナのスムージーから。乾いた喉にいちごの甘酸っぱさとバナナの甘み、豆乳のまろやかさが浸透していく。1杯320ccだが、半分でもけっこうお腹にたまる。渡邊さんが「ホットだと、温かいイチゴミルクみたいでまた違った味わいですよ」というので興味津々だが、次の楽しみにとっておこう。
続いてF&Pサンドイッチをいただきます。ひとつ掴んだら、見た目よりずっしりと重くて驚いた。きめ細かくもっちりとした黒はちみつパン、たっぷりのアボカド、パストラミビーフ、チェダーチーズ、グリーンリーフがぎっしり挟んであり、自家製のイチジクソースとバター、黒コショウがアクセントになっている。
甘めのパンやイチジクソースとパストラミやチーズが合わさった甘じょっぱい味がいい感じ。全体的にはヘルシーな印象だけど物足りなさはない。渡邊さんが「パストラミやアボカドとのバランスをみて、イチジクソースを作りました」というので、この味の均衡に大きく貢献しているのだろう。でも、筆者の鈍い舌ではイチジクソースの手柄がわからなかった……。
スムージーを啜りながらひとつ食べたらだいぶずっしりお腹にきてしまい、もうひとつはテイクアウトにしておやつにしちゃった。へルシーでおいしく、飽きがこない味だから明日も食べたくなった。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢