ランチメニューにデビューした夜の一番人気バターチキンカリー
ワイルドな木製カウンターとテーブル席。2階にも飲食スペースがあるという。開放感のある高い天井とお酒のボトルが並ぶエキゾチックな赤い壁は、スパイスの香りが漂っていなければインドカレーレストランとは思えない雰囲気だ。
ランチメニューはカレーセットが中心。ディナーメニューの一番人気であるバターチキンカリーがランチデビューしたということで、今回はバターチキンカリーセット1000円と、単品メニューからシークケバブ1ピース480円、ラッシー400円を注文した。
スパイシーな香りと共にバターチキンカリーとシークケバブが無垢板のテーブルに並ぶ。
大迫力の巨大ナンは、香ばしくほのかに甘い香り。ランチタイムは+280円でチーズナンに変更可能だ。ディナータイムにはガーリックナンも用意されている。
カレーの辛さは普通、1辛、2辛の3種類。今回チョイスしたのは普通だ。バターとスパイスの芳醇な香りにたまらずひと口。複数のスパイスのおりなす複雑なハーモニーをバターのこってりとしたクリーミーな風味が包み込む。濃厚なコクと甘味、スパイスの刺激が心地よく口内を刺激する。「普通」はほとんど辛さがなく、甘味の奥に少しだけ辛味があるくらいなので辛いものが苦手な人でも大丈夫だろう。
続いてナン。パリッとした表面の中には伸びそうなほどモチモチの中身がふんわり軽くつまっている。
カレーに浸していただくと、表面はサクサク香ばしく、中身はふわふわでもっちり甘い。スパイスの刺激は和らげられ、そのぶんより一層香りを強く感じられる。
チキンも柔らかく味が染みこみ、口の中でホロホロに崩れる。カレーとの相性は抜群で、さすがの一番人気だ。
シークケバブはカリカリに焼かれた表面にみっちりと中身が詰まっており、切り分けてもなおずっしりとした重みに期待が高まる。
香ばしく焼かれた表面の後にジューシーで密度の高い肉の塊が現れる。弾力のある歯ごたえで、噛むほどに肉の旨味とスパイスの香りが口の中に広がっていく。ピリッと引き締めるような辛味が食欲を増進させて食べる手が止まらなくなってしまう。
刺激的な食べ物の合間に飲むラッシーは、これもドロリとまるでヨーグルトそのままのような濃厚さ。
トロみのあるさわやかな甘味がスパイスの刺激をきれいに取り去ってくれる。
カレー、シークケバブ、ラッシーと手を休める間もなく食べ続けて、気がついたら巨大なナンもろとも全てのお皿がきれいに空になっていた。
洗練された内装とあたたかい接客
『BLISS蔵前店』は、1階はカウンターとテーブル席となっているが、2階にも飲食スペースがあり、パーティーメニューも用意されている。
「パーティー用のコースメニューは4名から受け付けていますが、4名様以下の場合もご相談ください。最大で40人くらいまで大丈夫です」
と店長のカトリビームセンさん。コンクリート打ちっぱなしの壁がいろどる洗練された内装、そして駅から徒歩1分以内という好立地は正にパーティーにうってつけ。2階席の窓から望む江戸通りの眺望も開放感抜群。
「ディナータイムはカレーの種類も増えて、カレー以外の料理も多くなります。カクテルなどもやっているので、お酒と共に楽しむ人が多いですね」
『BLISS蔵前店』はカトリビームセンさんやスタッフの接客も魅力的だ。
食事中もカトリビームセンさんはおだやかに微笑みながら「お水はいかがですか」「辛くないですか」とお客さん一人一人に語りかけ、常に気を配っている。
実際1人のお客さんが、「カレーが少し辛いのでラッシーをいただけないか」と尋ねると、カトリビームセンさんはすぐに「少し辛味を抑えてきますね」とカレー皿を厨房に取り下げて、辛味を抑えたカレーを持ってきてくれていた。
内装は洗練された無骨さをもっているが、人はあたたかく、心地よく食事ができる雰囲気に満ち満ちている。
あたたかな接客に癒されながら洗練された雰囲気の中で本格インドカレーを食べるのなら『BLISS蔵前店』が最適だ。
17:30-22:30LO
/定休日:無/アクセス:地下鉄浅草線蔵前駅から徒歩1分
取材・文・撮影=かつの こゆき