ここはどこ?銀座にあるラーメン専門店
ラオタ(=ラーメンオタク)の友人にお気に入りのおすすめ麺を聞くと、その返事が “マシンガン”。筆者が求めているのはそんな物騒なモノではなく、明日への活力となるラーメンやつけ麺なのに、と思ってよくよく聞いてみると、なんと麻辛丸(マシンガン)という旨辛つけそばをいただける店があるそう。しかも銀座だと聞いて早速、出かけることにした。
銀座一丁目駅から徒歩1分。目的のお店『銀座 梵天』は銀座柳通りから路地を入ったところにある。おしゃれで現代的なビルが立ち並ぶ銀座の街並みの中に、ほっとするような外観のお店を発見し、さっそく入店。
店内は、木製のカウンターとテーブル席、古民家を思わせる梁(はり)や壁に貼ってある手書きメニューなど、ここが銀座のラーメン店というのが信じがたい空間となっている。
「手書きメニューは私やスタッフが自分で書いているんですよ」と教えてくれたのは店長の佐藤光さん。「開店は2011年です。『梵天』という店名は社長がつけたんですけど、おそらく字面がカッコいいからだと思います(笑)」。
小麦の旨味ともちもち食感の極太麺に圧倒される!
今回のお目当てのつけそば麻辛丸980円は、旨辛ダレの特製スープでいただく『銀座 梵天』の人気メニュー。なんと“麻辛丸”は登録商標だそう。それだけ自信がある一杯ということなんだろう。ほかにはない味を期待できそうだ。
店長に麻辛丸におすすめのトッピングを聞いてみると「追加チャーシューがおすすめです。豚ロースを使って、肉の旨味がしっかりと楽しめます」。もちろん、追加で注文。うーん、楽しみだ。
しばし待つと、麻辛丸がテーブルに届く。期待通りの赤みの強い旨辛タレにニコリ。まずは、タレをつけないで、そのままで特製極太麺を一口いただくと、小麦の味と香りが口の中に広がる。この麺も麻辛丸が人気である理由の一つだと確信。
次に旨辛ダレをつけて一口いただくと、辛味と酸味があわさった刺激にその名のとおり撃ち抜かれる。旨辛ダレは極太麺にしっかりと絡み、麺の旨味とあわさってタレのおいしさを引き立てる。
豚ロースを使った大ぶりの自家製チャーシューをぱくりといただくと、旨辛ダレがしっかりと染み込んでおいしい! 店長がおすすめする理由がよくわかる。
タレは辛いが、ベースの鶏ガラスープに深みがあり、すんなり完食できる。途中で酢を加えて味変してもいいかもしれない。
旨辛タレにしっかりと絡んでおいしさが最大限に引き出される極太麺、そして肉の味が凝縮したチャーシューに染み込んでいくタレの旨味。タレ・麺・追加チャーシューの3つが絶妙のバランスで組み合わされたつけそば麻辛丸。刺激的な一杯だった。
麻辛丸に心を撃ち抜かれる人続出!
つけそばだけでなく、ラーメン系メニューも充実している。極細針麺をつかった新作の和風ラーメン950円は超あっさりスープで、繊細な味わいが魅力的な一杯だ。常にオリジナルの新しい味を提供し続ける姿勢に頭が下がる。
ランチタイムは近隣に勤めている人が中心で、午後はホテルにチェックイン後の観光客が多く、夜は銀座で飲んだ人が〆のラーメンを楽しむという、お客さんが途切れない『銀座 梵天』。麻辛丸をはじめ味へのこだわりがあるからこそ多くの人が訪れるのだろう。
ちょっと危険なおいしさのつけそばをいただいたうれしさと、銀座の街のイメージを変えるお店との出合いに大満足。ごちそうさまでした。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎