ニューヨークのダイナー風店内でいただく過激で新感覚の排骨担々麺
新宿の雑踏を目的もなく歩いていると、偶然見つけたのが担々麺専門店『Ramen Deniro』。のれんに描かれているイラストは、まさにあの名優だが、ラーメンとデ・ニーロとは不思議な組み合わせだ。面白そうなお店大好きの筆者は、迷いなく入店した。
店に入ると、レンガ風の壁と大きい窓はどことなくアメリカ風ダイナーのイメージだ。ビールにハンバーガーと大盛りポテトフライを注文しそうになるが、いやいやここはラーメン店と思い直して店長に話を聞くことにした。
「『Ramen Deniro』は2023年6月に開店しました。店名のDeniroはもちろんアメリカの俳優ロバート・デ・ニーロのことで、お店のコンセプトが映画『タクシードライバー』の世界観の再現なんです」と教えてくれたのは店長の鈴木崇史さん。
「『タクシードライバー』の主人公がニューヨークという大都市で生きていく過激さが新宿のカルチャーにどことなく似ていて、パワフルで過激でどこか狂っている、でもなんだかかっこいい、そんなコンセプトで作りだしたのが当店の看板メニューであるPA-KOH・D・担々麺なんです」。今までになかった排骨担々麺を期待できそうだ。
こだわり満載!もちもち麺とパリパリ麺、味が凝縮したサクサク排骨と絶品旨辛スープ
白胡麻担々麺やバタージャージャン麺も気になったが、鈴木さんにおすすめを聞くと、看板メニューのPA-KOH・D・担々麺1380円をぜひ食べて欲しいとのこと。辛さは小辛・中辛・大辛から選べるが、初めていただくので、まずは小辛を注文。
ほどなくしてテーブルに着丼。麺が見えないほど大きい排骨と丼にそそりたつ揚げ麺のボリュームに圧倒される。ランチタイムには近隣の会社に勤めているお客さんが中心だが、SNS映えするので休日は若いお客さんや観光客が多いというのも納得だ。
スープを一口いただくと、担々麺の醍醐味である特製辣油の辛味が口の中いっぱいに広がると同時に濃厚なスープの旨味とまろやかさもやってくる。まさに旨辛スープだ。これなら辛さが苦手な人でもおいしくいただけるだろう。もっと辛さや過激な味が欲しい人は中辛や大辛も選べる。
次に排骨をいただく。衣はサクサク、ポークリブロースを使った肉はやわらかく、醤油とカレー風味のスパイスの効いた味が凝縮している。これ、単品で注文して追加したいくらいのおいしさだ。
麺は中太ウェーブ麺。もちもちとした食感でスープとの絡み具合もいい。トッピングの揚げ麺も同じ麺を使っている。菅野製麺所の特製麺を茹でと揚げで2度味わえるという贅沢仕様だ。
揚げ麺は、パリパリ食感だけではなく、スープを吸わせてしんなり食感も楽しめる。さまざまな食べ方を楽しめる一杯となっている。
こだわり具材のおいしさと絶品スープに圧倒され、すっかりデ・ニーロのことを忘れてしまったほどだが、辛さだけではなく、過激と感じるほどのこだわり満載の担々麺の味のキャラクターは、まさに名優の名前を冠するにふさわしいんだな、と考えながらおいしく完食しました。
あぶないおいしさで中毒になりそうな煮たまごで〆る
そして鈴木店長おすすめのトッピングが麻薬煮たまご200円。もちろん担々麺にのせていただいてもいいが、ここで登場するのが麺類についている小ライスだ。担々麺をいただいたあと、小ライスに煮卵をのせて残ったスープを少々かけると、〆の“ミニ麻薬煮たまご丼”になる。
辛味だけではなく、スープの味の深みも楽しめるPA-KOH・D・担々麺。大変満足しました。
次は中辛に挑戦してより過激な辛さを味わってみようと、早くも再訪が決定。これは危険な禁断症状の始まりかもしれない。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎