夏のお散歩 暑さ対策ポイント① “持ち歩ける日陰”日傘で汗の量が激減

夏のお散歩に必ず持って出かけてほしいのが日傘です。

ひと昔前は「日傘=日焼けを気にする女性が持つもの」という認識がありましたが、最近は性別や年齢を問わず、日傘を使っている人を多く見かけるようになりました。

暑い時は日傘があろうとなかろうと、そんなに体感は変わらないのではないか?帽子でも十分じゃないの?というイメージもあるかもしれません。

しかし環境省の実験によると、同じ気象条件で過ごした場合、日射を99パーセント以上カットする日傘を使った場合と、帽子のみを使用した場合とでは、汗の量は前者の方が約20パーセントも少なくなったのです。

街中で増える「日傘男子」。猛暑の夏には使わない手はない!?(画像=写真AC)
街中で増える「日傘男子」。猛暑の夏には使わない手はない!?(画像=写真AC)

「日傘は持ち歩くことのできる日陰」です。厳しい暑さが毎年のように話題となるいまは、日傘は紫外線対策アイテムではなく、命を守るための必需品といった方が適切かもしれません。

まだ使っていないという人は、ことしの夏、日傘デビューしてみるのはいかがでしょうか?

都心部の駅などでは日傘のレンタルサービスもあるため、ぜひ活用してみてください。

夏のお散歩 暑さ対策ポイント② 水分補給は1日どれくらい必要?

改めておすすめするまでもありませんが、夏のお散歩に水分補給は欠かせません。ニュースや天気予報でも「こまめに水分補給をしてください」という呼びかけはよくされますが、一体どれくらいの量を飲めばいいのでしょうか?

環境省のまとめによると、1日当たり1.2リットルの水分をとることが目安とされています。そんなに多くの量を飲むほどのどが渇かないのではないかと感じてしまいますが、実は私たちの体は軽い脱水状態の時にはのどの渇きを感じません。このため「のどが渇いたなあ」とはっきり感じていなくても、前もって水分補給をすることが大事です。

朝起きたときや食事の際、お風呂に入る前後だけでなく、お散歩中にもいつでも水分補給をできるように水筒やペットボトル等で飲み物を持ち歩くようにしましょう。

利尿作用の高いコーヒーやお酒は水分補給にはならないため注意してください。

夏空に映えるひまわり。暑さ対策をしながら安全に楽しみたい。
夏空に映えるひまわり。暑さ対策をしながら安全に楽しみたい。

夏のお散歩 暑さ対策ポイント③ スマホの熱中症に注意!?

日差しの強いこの季節、熱中症に気を付けてほしいのは私たち人間ばかりではありません。

現代人なら、お散歩にも必ずといっていいほど持ち歩くスマホもまた熱中症になったかのように、高温になることがあるのです。

気温が高くなる時期はスマホ本体の温度も上昇しやすく、特に外で複数のアプリを同時に使用したり、直射日光のもとでスマホを操作したりすると急激に熱くなってしまいます。

カメラに、地図に、散歩に欠かせない機能が詰まったスマホも厳しい暑さにはかなわない!?
カメラに、地図に、散歩に欠かせない機能が詰まったスマホも厳しい暑さにはかなわない!?

スマホはある一定以上の温度になると、それ以上熱くならないように動作をセーブする仕組みになっているそうです。

私も夏にお散歩している時、空の写真を撮ろうとスマホを操作したところ、高温のためカメラが起動しなかった経験があります。

暑さの厳しい日には、スマホを日差しのもとで使用することは避け、調子が悪くなった場合は電源を切ったり、涼しい場所で少し休ませるようにしてあげましょう。焦って冷蔵庫などで急激に冷やすと、結露した水分が原因で故障に繋がるリスクがあるため注意してください。

スマホの冷却ファンなど、最近よく目にするアイテムを活用するのもおすすめです。

コレが発表された時はお散歩の中止を 「熱中症警戒アラート」って?

楽しい夏休みシーズンですが、危険な暑さとなる時はお散歩の予定を変更もしくは中止する勇気も大事です。

天気予報に加えて参考にしてほしいのは環境省と気象庁が合同で発表する「熱中症警戒アラート(https://www.wbgt.env.go.jp/alert.php)」という情報です。

熱中症警戒アラートは、熱中症のリスクが極めて高くなると予想される前日もしくは当日に発表されます。この情報は、気温だけが高い時ではなく、「暑さ指数(気温・湿度・輻射熱の効果を取り入れた指数)」が高くなる時に発表されます。※輻射熱は、日射しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人の体などから出る熱。

 

天気予報と合わせて確認したい「暑さ指数」。環境省の熱中症予防情報サイトでは時間ごとの値もわかる。出典:環境省
天気予報と合わせて確認したい「暑さ指数」。環境省の熱中症予防情報サイトでは時間ごとの値もわかる。出典:環境省

熱中症警戒アラートが出された時は、屋外での運動を中止することはもちろん、日差しの強い時間帯はお散歩に出かけることも控えるようにしましょう。以前から決められていた予定を取りやめることは中々勇気の要ることですが、熱中症によって命を落とす人は毎年後を絶ちません。

熱中症はいまや気象災害の一つです。暑さ対策を万全にして安全に夏のお散歩を楽しみましょう。

 

参考:環境省 熱中症環境保健マニュアル2022
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf

「スマホが熱くなる」は実は故障じゃない? 素早く安全に冷やす方法を検証
https://time-space.kddi.com/mobile/20180814/2409

環境省 熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php

写真・文=片山美紀