『MORNING GLASS COFFEE+CAFE』の精神を汲んだ第1号店
『ERIC ROSE』は、スターバックスコーヒーの創業メンバー、エリック・ローズが手がけたカフェで、ハワイ・マノアにある人気カフェ『MORNING GLASS COFFEE+CAFE』の新業態として2020年12月、表参道にオープンした。
『MORNING GLASS COFFEE+CAFE』は、スターバックスコーヒーを退いたエリックさんが、好きなサーフィンをして過ごそうとハワイに移住したものの、おいしいコーヒーが飲める場所が少なく、自らカフェをオープンしたのだという。山奥にあり少々不便な立地ながら連日にぎわっている。
店内に入ると、ハワイにあるカフェのように木を多用したナチュラル感がいいカンジ。オーナーの竹内彬雄さんと、店長の高橋杏奈さんが迎えてくれた。
オーナーの竹内さんが出店までのいきさつを語ってくれた。「仕事でハワイに毎月行っている時期があって、そのときに知人に紹介してもらい『MORNING GLASS COFFEE+CAFE』に行きました。実は私はコーヒーが苦手だったんですけど、コーヒーはもちろん、サンドイッチやペストリーなど何を食べてもおいしくて。店に毎日通うようになり関係を深めていって、エリック・ローズからライセンスを取得しました。そして『MORNING GLASS COFFEE+CAFE』の精神やクオリティを汲んだ世界初の店としてオープンしたんです」。
『MORNING GLASS COFFEE+CAFE』の“コーヒーもフードもおいしく、なおかつ地域のコミュニティの場となるようなカフェ”というコンセプトをしっかり取り入れ、今や北青山で働く人たちを中心に、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に愛されている。
焙煎してから2週間以内のコーヒー豆を使い、フードは店内で手作り
人気はドリップコーヒーで、豆は4種ある。「シーズンによって1番ベストな産地を選択しています。なかでも定番になりつつあるエチオピアは、中浅に焙煎していてフルーティーで飲みやすく、すっきりした味ですね。コーヒー豆の品質には徹底的にこだわり、焙煎してから2週間以内の豆しか使わないというルールを設けています。だからすごくフレッシュで、いちばんおいしい状態で飲めるようにしています」と、竹内さん。
その話を聞いてドリップコーヒーが飲みたくなったが、目の前でラテアートをしてくれるというのでカフェラテ700円をオーダー。
続いてフードも。ハンバーガー、サンドイッチといった食事系から、パンケーキやペストリー系とタルト、マフィンなど甘いものも用意している。ガラスケースの中がおいしそうすぎて、まじまじと見てしまった。
「おしゃれな見た目よりも、なるべくシンプルでナチュラルなおいしさを追求し、季節を意識した素材との組み合わせもポイントです。1つずつボリュームもあるので食べごたえがありますよ」。
カフェオレに合わせて定番人気のチョコチップバナナマフィン580円を注文した。すると、軽く温めたマフィンがカフェラテとともにテーブルに運ばれてきた。
まずはカフェオレをひとくち。あっさりとしながらも華やかな香りのコーヒーに、ミルクがたっぷり。マフィンは温めてあるので、チョコが絶妙にトロッとやわらかくなっているところがニクイ。お昼前だったのでお腹が減っていたのだけど、ポーションの大きいカフェオレとマフィンでほどよく満たされた。
店内を飾るアーティストの絵画は購入も可能
店内の壁には印象的な絵画がところどころに飾ってある。『MORNING GLASS COFFEE+CAFE』では、アーティストの作品を店内に展示してサポートしていたこともあり、その取り組みをこの店舗でも取り入れているという。
「新進気鋭から注目を集めているアーティストまでさまざまです。1人のアーティストさんのときもありますし、混在することもあるんですけど。飾らせていただきながら、販売もしています」。
取材当日に飾ってあったのはすべて瀧澤美希さんの作品。「すごくパワフルでしょう? 大学卒業したてで、私もこれからの活躍を期待しているんですよ」と竹内さんは語る。
今にもこちらに迫ってきそうな絵にパワーをいただいた。おいしいコーヒーをいただきながら、気軽にアートにふれられるのもいいものだ。お腹も心もすっかり満たされた。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=パンチ広沢