アクセス
電車:JR・地下鉄東京駅からJR東海道線・相模線で約1時間10分の寒川駅下車。またはJR・私鉄・地下鉄新宿駅から小田急小田原線・JR相模線を利用。
車:東名高速道路東京ICから東名高速道路・圏央道を利用し寒川北ICまで約38km。同ICから寒川町中心部まで約2km。
寒川神社
1600年以上の歴史を有する古社
寒川比古命(ひこのみこと)と寒川比女命(ひめのみこと)の二柱の神を祀る相模國一之宮。悪事災難を祓(はら)う全国唯一の八方除(はっぽうよけ)・方位除(ほういよけ)の守護神として、全国各地から崇敬を集めている。重厚な拝殿や神門はもちろん、掃き清められた参道や玉砂利に至るまで、境内は神域ならではの凛とした空気に満ちあふれている。売店で扱う八福餅は参拝記念みやげの定番だ。
水道記念館
県営水道発祥の地で水について学ぶ
昭和8年(1933)、日本初の広域水道である神奈川県営水道が創設され、同11年に寒川第1浄水場送水ポンプ所が完成。そのポンプ所跡を、水をテーマとした体験型展示施設として活用している。館内は「アクアプレイランド」「水道まるみえゾーン」などに分かれ、建物周辺は「水の広場」として整備。
寒川町文化財学習センター
町が歩んできた悠久の歴史を再認識
小学校の余裕教室を、町内遺跡での出土品や民具・農具などの展示スペースとして一般公開。職員やボランティアが展示を手がけ、随所に苦心の跡がうかがえる。町内に延びるいにしえの大山(おおやま)道・中原道・八王子道の解説は、散策の際の関心を高めてくれるだろう。
●入館無料(事前予約制)。9:00~17:00、土・日・祝休。神奈川県寒川町一之宮7-3-1一之宮小学校内 ☎0467-74-1111(寒川町教育委員会教育政策課)
梶原景時館址
頼朝の家臣が館を構えたとされる
治承4年(1180)、石橋山の合戦に敗れ、岩屋に逃れた源頼朝を救ったことで知られる武将・梶原景時(かげとき)。現在の一之宮一帯の広大な地を所領し、その一角に館を構えたと伝わる。館があったとされる地には石碑が立ち、梶原氏の風雅をたたえて里人が創建したといわれる天満宮が残る。
●神奈川県寒川町一之宮8-6-6
大(応)神塚・大塚古墳公園
町の中心部近くにひっそり残る
縄文時代〜近代の遺跡が点在する町内で、比較的容易に足を運べるのがこちらの2カ所。5世紀前後の築造と推定される「大(応)神塚」(おおじんづか)は全長約50m・高さ約5mもの前方後円墳。安楽寺墓地を隔てた先には、大神塚周辺古墳群E号墳(7世紀頃)の石室を保存・整備した「大塚古墳公園」がある。
●神奈川県寒川町岡田
千秋園
数量限定の八福さぼてんも要チェック!
寒川神社の表参道に店を構えるお花屋さん。市場から仕入れた季節の草花や観葉植物のほか、地元生産業者が育てた花も並ぶ。「店を訪れたお客様が癒やされ、幸せな気持ちになっていただければ」と代表の原千秋さん。マルシェの開催や生産業者を招いての寄せ植え教室など、イベントを通じての地域起こしにも積極的だ。
ラ メール洋菓子店
南仏の建物を模した外観が目を引く
平日でも間断なく客が訪れる町内屈指の人気店。華やかな店内には、豊富な品揃えの定番焼き菓子・生菓子に加え、季節限定商品も並ぶ。「寒川みやげとしてここでしか買えないお菓子作りを目指し、1店舗経営にこだわっています」とオーナーシェフの大関博之さん。店員や菓子職人のキビキビとした動きも好印象だ。
湘南の魚 じんべえ
一人客から家族連れまで気軽に入れる
店主の和田仁郎さん自ら買い付けた魚料理が評判の居酒屋。刺し身・焼魚・煮魚・天ぷら・揚げ物に加え、一品料理からおでん・ピザまでメニューは幅広い。「お客さんの要望に応えていたら、数がどんどん増えちゃって」とサービス精神旺盛な和田さん。出身地・広島から取り寄せたカキ料理も気になる。
俵屋
昼過ぎには売り切れ続出の弁当屋さん
関西で和食の修業を積んだ齋藤正樹さんが手掛ける仕出し弁当を中心に製造・販売。ブランド豚肉をおにぎりに巻き、最新技術で焼き上げてから急速冷凍した湘南みやじ豚の豚(とん)むす350円は、脂の甘みが魅力の逸品だ。
●10:30~18:00、日休。神奈川県寒川町一之宮8-6-13 ☎0467-75-0932
釣って見つけるぼうけんの国 湘南釣堀
思わず童心に帰りほのぼの気分に
雨の日でも気軽に釣りを楽しめる全天候型屋内施設。海水魚や熱帯魚を備え付けの竿とエサで釣るアクティビティがメインで、期間限定のミニ海水魚釣りコーナーでは、例年8月中旬にイセエビも登場。ヤドカリ釣りやザリガニ釣りのほか、宝石化石探しは子供に大人気だ。
西寒川支線廃線跡
かつての線路や車輪が残る
大正11年(1922)、相模川の砂利輸送のため開設された旧国鉄相模線寒川支線(通称西寒川支線)。旅客営業期間を経て1984年に廃線となったが、線路跡を緑道として整備。一之宮公園と西寒川駅跡の八角広場には、廃線当時のままの貴重なレールが残されており、ノスタルジックな気分に。
●神奈川県寒川町一之宮
わくわくチャレンジカヌー
相模川を渡る風を全身で感じたい
スポーツを通じての地域貢献を目的とした寒川総合スポーツクラブ主催のカヌー(カヤック)漕艇体験企画。田端スポーツ公園親水広場を会場に安全性の高いレクリエーションカヤックで相模川へ漕ぎ出し、水辺の生き物を観察する趣向だ。コースは参加者のレベルに合わせて指導員が選択。
●参加費2500円。2023年夏期は7月8・9・15・16・23・29日・8月5日開催(午前・午後各2時間/定員制) ☎ 070-8540-1203(三枝/平日は17時以降)
さむかわ神輿まつり
夏を告げるイベントが2019年以来の復活
寒川神社をはじめ、寒川町・茅ヶ崎市の神社から繰り出した40基もの神輿(みこし)が、茅ヶ崎市の南湖(なんご)の浜から海に入り、禊(みそぎ)を執り行う神事・浜降祭(はまおりさい)。海の日に行われるこの祭典後、町内から繰り出した4基の神輿が祭囃子(ばやし)の出迎えを受けながら、寒川駅前公園に集結する。2023年は7月17日の午前中開催(出店などは見合わせ)。
旅のワンポイント
寒川町初の国登録有形文化財に期待大
地域で長く親しまれてきた大山道沿いの旧広田医院。洋館付き和風住宅の主屋と門柱・塀が2023年夏にも国の有形文化財に登録の見込みだ。
縄文中期の釣手土器の展示もある異色の観光協会
寒川駅近くの寒川町観光協会では縄文土器や西寒川支線ゆかりの品展示のほか、クラフト作家の作品を販売。情報発信にかける思いも熱い!
取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2023年7月号より