ちょっと穴場感がある路地裏の店
店があるのは飲食店が立ち並ぶ東(あずま)通りの一本北側。明治通り側からはジュンク堂書店とスターバックスの間の路地を200mほど行ったところにあり、オフィスや病院、塾などに囲まれた立地はちょっと穴場感がある。
軒先を風除けのビニールカーテンで覆った店は、気軽な立ち飲み居酒屋といった感じだ。店内は手前にハイテーブルとハイチェアーのテーブル席、奥にキッチンを眺めるカウンター席があり、木目調で統一しているのでイタリアのバルのような雰囲気がある。
鮮度抜群の馬刺しは、この店自慢の一品
店名に“肉バル”と謳(うた)うように豊富な種類の肉料理がウリ。なかでも自慢は馬刺し。独自の仕入れルートで入荷した馬肉は、赤身やサーロインをはじめ、希少部位のレバーやハツ、タンなどもそろう。「馬肉は生で食べられるのが一番の特徴です。豊富な種類がそろっているので、部位による味の違いをぜひ味わっていただきたい」と話す店長の三浦さん。
看板メニューの馬刺しは3点盛り990円、5点盛り1590円(注文は2人前から)があり、炙りタン、赤身、バラオビ、サーロイン、ハラミ、シャトーブリアン、霜降り、生レバーと部位も多彩。新鮮な生肉を使用しているので、噛むほどに肉の旨さがストレートに伝わってくる。
馬刺しは栄養価が高いわりに低カロリー・低コレステロールで、脂もクセがなく食べやすいので女性にも好まれている。とはいえ、食べたことがない部位もあるだろうから、スタッフと相談しながら注文を決めるといい。
多くの客が注文するのが馬刺しの前菜4点盛り990円(注文は2人前から)。ユッケ、刺し身、にぎり、のり巻きとさまざまな食べ方で楽しめ、映える盛りつけも評判が高い。
和牛料理は寿司、炙り、ステーキ……。調理法も味付けも実に多彩
馬肉と並ぶ二枚看板になっているのが和牛。A4ランク以上の和牛赤身肉のウデを中心に仕入れ、部位ごとに分けて仕込んでいる。「絶対に自信あり!」と三浦店長が自負するのが、その日に仕込んだ牛肉をグリルパンで焼き、ミディアムレアに仕上げた「本日の和牛」。単品130g1990円、2種盛り260g4480円。わさび醬油や鬼おろしポン酢、だし塩などあっさり系の調味料で食べるから、肉本来の旨味を存分に味わうことができる。
このほか、ウニ、トリュフ塩、茎わさびの3つの味を楽しめる肉寿司の和牛炙り3貫握り990円、牛ハラミステーキ120g1480円~などバラエティ豊かな料理がそろうので、料理選びも楽しい。普段はなかなか食べることがないさまざまな調理法で味わえるので、和牛の旨さを再発見できるかもしれない。
絶品肉料理はワインとともに味わいたい
バルというからには酒にも注目したい。ワインは肉料理に合う濃厚な赤ワインを中心にさまざまな国のワインを常時100種類以上そろえ、グラスワイン700円~の種類も多いので、それぞれの肉料理に合うワインをチョイスしたい。ワインリストには簡単な説明も添えられているが、迷ったらスタッフに相談するといい。
グループで訪れるなら2時間飲み放題つきのコースがお得。「和牛グリルと馬刺し盛り合わせコース」5500円は、前菜の盛り合わせ、野菜のサラダ、馬刺しの盛り合わせ、和牛グリル、ご飯物が付き、ビール、ハウスワイン赤・白、カクテル、ハイボール、サワー、ソフトドリンクが飲み放題となる。国産黒毛和牛のグリルや和牛握り寿司などが付くワンランク上の「日替り和牛グリルと和牛握りのコース」6000円なら、大満足間違いなし。
ランチタイムなら1日10食限定のとんかつ定食を要チェック!
ランチタイムに注目したいのが、岩手県産岩中豚や茨城県産紫峰豚、長野県産信州十四豚など銘柄豚を使った本日のとんかつ。なかでも近隣のビジネスマンに人気があるのが1日限定10食のロースカツ定食1000円。
2~3㎝ほどの厚切り肉を中温でじっくりと揚げ、余熱で火を通すヒレカツ定食1200円もおすすめだ。ソースだけでなく、塩やワサビ、醬油なども用意されているので好みの味で食べるといい。ごはん、豚汁、キャベツはお代わり自由というのもうれしいサービスだ。
新鮮な馬刺しをはじめ、A4ランクの和牛、銘柄豚などをさまざまな調理法で味わえる肉バル。肉のおいしさはもちろんだが、実に多彩な調理法は感動的でさえある。新しい味との出会いは、肉料理の奥深さを実感させられる。気取りがなく、ワイワイと楽しめるのも肉バルのいいところだ。
取材・文・撮影=塙 広明 構成=アド・グリーン