ホリスティックなビューティを発信するカフェ
2023年4月8日にオーガニックビューティブランドSHIGETAがカフェ『LA MAISON SHIGETA』をオープン。これは、さぞかし素敵なカフェに違いない! と、期待を胸に歩く。
国産のオーガニックブランド『amritara 表参道店』など、ウェルネスビューティブランドが密集している小道を進む。ビューティがライフワークである自分にとって、パワースポットにお参りに伺う感覚だ。
表参道駅から6分ほどで到着。“LA MASION”は家という意味で、まるでCHICOさんのお家に招いてもらえたような、肩肘はらないリラックスした雰囲気が漂っている。
サラリと紹介してしまったが、ディレクターCHICO SHIGETAさんをご存じだろうか?
CHICO SHIGETAさんはパリでセラピストとしてご活躍され、2006年にホリスティックビューティブランド SHIGETA PARISを創業。パリ7区に本店と自社ラボを構え、ホリスティックなビューティ(心技体が一体となりバランスが取れたという意)を提唱する。
ブランドが大切にする理念をご自身が体現されている点が素晴らしいし、「女性活躍」というキーワードが叫ばれるずっと前から、起業家として道なき道を切り拓かれている点も尊敬する。
しかも、偶然日本に来ていたCHICOさんがお話を聞かせてくれた。う、うれしすぎる。本物に会えるなんて、「引き寄せ」だ。
「2022年9月にこちらの物件と出会いました。構想から7年経っていました。ホリスティックビューティを発信しようと思ったときに表参道がいいなと思っていたのは、ここは新しいことをスタートしている人や事を受け入れてくださる方が多いところかな、と思ったからでした。明治神宮など伝統的な場所と新しい文化とが融合していて、ここならホリスティックビューティに共感してくださる方も多いと思いました」とCHICOさん。
内装のこだわりは「自然光がたくさん入り、自然を感じられること。また、角ばったフォルムを避けて、できるだけ丸みのあるフォルムを大事にしたいとオーダーしました」と話す。
食でコンディションを整える
1階はカフェ。フレッシュな野菜や果物を使ったヴィーガンメニューが揃う。
「私自身がCHICO SHIGETAさんの本を読んでいて、SHIGETAの愛用者でもありました。オープニングにあたり、メニューの開発にも携わっているのですが、フレッシュな野菜や果物から栄養を摂り、体の内側を整えることが外側の美しさに繋がるという考え方にも共感しています」。と、キッチンスタッフの方も笑顔で話す。
メニューにはQRコードが埋め込まれているので、オンラインカウンセリングを受けて、その日のコンディションに合ったメニューを選ぶこともできる。体調、肌の悩み、体の悩み、気分などの項目をチェックしていくと……、筆者へのオススメは、血の巡りを整えるというサーキュレーションプレート。プレートには、産地直送や自然栽培農法で育てられた野菜を20種類以上使っている。本日のスープ、サーキュレーションコールドプレスジュースSもセットで付く。
この日のサーキュレーションプレートは、カレー風味の揚げ春巻きにトマト味のおから、マスタードやディルで味付けされたポテトのサラダ。
写真奥のフレッシュなケールやベビーリーフは、豆乳マヨネーズソースでいただく。野菜はどれも、野菜そのものの味わいを感じられる。家庭的な味付けもあれば、新しさを感じるものもあり食べていて楽しい。
雑穀米はビネガーであえられていて、酸味が感じられ後味もサッパリ。取材当日は36℃を超える真夏日だったので、きっと食べ疲れないように計算されているのだろう。
呼吸を見直すワークショップも
『LA MAISON SHIGETA』では週に2回、朝食付きの“フレッシュ モーニング ワークショップ”を開催。呼吸のワークショップを受けた後に、モーニングが楽しめる。ふだん、あまり人が関心を寄せていないであろう「呼吸」。実は気付かないうちに浅く短くなっていることが多い。6名前後までの少人数で、スタッフが呼吸とセルフマッサージのポイントを教えてくれる。
たかが呼吸と侮るなかれ。呼吸は美容や健康と深く関わっていて、自分ではセルフチェックしづらいからこそ、ワークショップに参加することに意味がある。呼吸を見直してマインドを整えたら、アボカドトーストなど4種類のメニューから好きなものを堪能できる。
『LA MAISON SHIGETA』のドアは、ジェンダーや年齢を問わず、ワイドオープン。元気な人も、ちょっとお疲れ気味の人、だいぶお疲れの人も、温かく迎えてくれる。誰にとっても、ホームになり得る場所だ。
呼吸を見直す、セルフマッサージを知る、良質なものを食べる、どれも大切なセルフケア。こうしたことに、しっかりと時間を作れる自分でありたい!
構成=アート・サプライ 取材・撮影・文=小竹美沙