◆散歩コース◆

体力度:★★☆
難易度:★☆☆

  • 登山シーズン 4月~6月、9月~11月
  • 最高地点 670.4m(小仏城山)
  • 登山開始地点 190m(高尾山口駅)
  • 歩行時間 6時間25分
  • 歩行距離 約18km
スタート
高尾山口
案内川に沿って国道を南下。梅の木平バス停から左手の小路に入る。ここが関東ふれあいの道の起終点。

梅の木平バス停
小路から榎窪川沿いの林道に入り、右手に高尾グリーンセンターが見えてくる。さらに進んで峠。道は平坦。

三沢峠
道標を確認して尾根道へ出る。泰光寺山、西山峠を過ぎ視界が開けたところに、このコース最高の展望地。

中沢山
ほどなく中沢山。中沢峠からは山下バス停へエスケープもできる。金比羅山、大洞山を越えて峠に下る。

大垂水峠
国道を橋で渡り高尾山へ行く道を右に分け左へ。だんだん傾斜が増し、城山手前は階段状の急坂を上がる。

小仏城山(城山)
ここからはほぼ下りなので楽ちんだ。一丁平の展望を楽しみ、細田屋を越えて最後の登りで山頂へ上がる。

高尾山
山頂からはルートがいくつかあるが、王道の薬王院を通る1号路を下る。疲れたらケーブルカーで下りよう。

ゴール
高尾山口駅

アクセス:
[行き]新宿駅から京王線特急で高尾山口駅へ。約50分。
[帰り]高尾山口駅から京王線特急で新宿駅へ。約50分。

高尾山口駅から車道歩きをパスしたい人は梅の木平までバス利用も可能。ただし、午前中は10時台の1便だけなので、それほど便利ではないかも。途中で高尾山口駅に帰る場合、山下バス停からは12時と16時台にある。

北の悪口を言いたいわけではないが、まず展望がないので歩いているとうつむいてしまう。小さなピークがたしか10以上あったと思うが、巻道はゼロなので、たった5mの高差でもすべてピークを踏まなければならない。これがじわじわと後半に響いてくる。

それにエスケープルートはほとんどないと同じなので、縦走路に入り込んだら最後、ゴールへ向かって突き進むだけ。それを考えたら南は天国のような道だ。距離は20㎞近いので早目の出発がいいが、エスケープルートもあるので、そんなに心配はいらない。

高尾山口駅が起点となる。まずここで思案する。いきなり山に入り草戸山を越えて行くコースを選ぶか、車道を歩いて途中から登山道に入る関東ふれあいの道にするか。今回は梅の木平バス停まで車道を歩いて、ふれあいの道を歩くコースで行くことに。

駅から案内川沿いの甲州街道を歩いていく。ふれあいの道に入ると、小さな小川沿いの道になる。道沿いに山桜。ちょうど開花期だったようだ。周辺の山の新緑の木々も美しい限り。日本のこの新緑の季節にかなうものはないと思う。

梅ノ木平バス停の先。関東ふれあいの道からの里山の風景がいい。
梅ノ木平バス停の先。関東ふれあいの道からの里山の風景がいい。

まもなく森の中へ入り、榎窪川沿いの平坦な林道を歩く。梅の木平バス停から1時間弱で神奈川県との境界にある三沢峠に到着。この峠は5つの道が合流する峠で、草戸山からのルートもここで合流。

 

丹沢の山並みを望む、中沢山手前の見晴台へ

峠からは小さなアップダウン。泰光寺山、西山峠と進む。展望はあまりない。道脇には手作りのベンチなど。峠から40分も歩くと、突如、展望場所に出る。

南側に絶景が広がっていた。津久井湖畔の相模川と道志川が合流する地点。石老山や丹沢の山並みも見える。先客が何人かいたが、みんなここが目的地のようなことを言っていた。見晴台というようだ。

中沢山手前の見晴台からの眺望。眼下に相模川と津久井湖。右手の津久井湖に注ぐのは道志川。左手の奥の山々は丹沢の山並み。
中沢山手前の見晴台からの眺望。眼下に相模川と津久井湖。右手の津久井湖に注ぐのは道志川。左手の奥の山々は丹沢の山並み。

しばらく休憩して出発。中沢山から中沢峠へ。さらに金比羅山に大洞山と山ともいえない平坦な山々を越えて、ようやく再び甲州街道へ出た。大垂水峠だ。この先がちょっときつくなる。

街道に架かった橋を渡ってから小仏城山を目指す。右に行けば高尾山に早めに行くことができるが、今回は小仏城山経由で行くことにする。最初はたいした坂でもないが、城山手前が一直線の階段状の登りになる。大垂水峠から、およそ1時間で城山山頂だ。山頂周辺には山桜やスイセンが咲いていた。遠くに高尾山も見える。

小仏城山から高尾山方面の展望。
小仏城山から高尾山方面の展望。

城山茶屋が開いていたので一息入れてから出発。ここからはほぼ下りの行程になるので気が楽だ。一丁平に着くと、山桜ロードのよう。かなりの桜が迎えてくれる。

高尾山手前の最後の石段をなんとか上がって山頂へ。薬王院に着いたときには、すでに17時少し前。ケーブルカーを使って下りるか、使わずに下りるか?

広い高尾山山頂の最西端からが富士山の見晴らし所になっている。天候や季節にもよるが、かなりくっきり見えている。
広い高尾山山頂の最西端からが富士山の見晴らし所になっている。天候や季節にもよるが、かなりくっきり見えている。

最後の決断は、1号路を自分の足で下りることにした。舗装の下りが足に来るのはいうまでもない。高尾山口駅に着いたときは、足がふらふらだった。

山歩きメモ

三沢峠までは別ルートもあり。高尾山口駅から国道を横切り、前方の山へと向かい、尾根に出て三沢峠に行く東高尾山稜コースだ。草戸山などを通るアップダウンの多い道になる。

アドバイス

コース上、危険箇所はないが、少々距離が長い。約18㎞というのは、山歩きではめったにない距離だ。さほどきつい登りはないけれど、休憩を入れればゆうに8時間はかかる。スタートしてから小仏城山まではトイレも水場もない。

高尾山 薬王院

天狗が生息する霊山が、高尾山なのであった

高尾山はただの山ではない。飯縄信仰と天狗信仰の霊山でもあるのだ。天狗様は、山岳信仰の飯縄大権現の眷属(けんぞく)(随身)として神通力と衆生救済の力を持ち、古来より多くの天狗信仰がある。薬王院の歴史は古く744年(天平16)に、聖武天皇の勅令により行基が開山したといわれる。毎年3月には火渡り祭が行われている。

もみじ台 細田屋

高尾山の喧騒から離れた大人のオアシスへ

高尾山山頂から城山方面へ10分ほど下ったもみじ台にある茶屋。茶屋の前からの展望がよく、高尾山山頂よりも富士山の眺めはいいかもしれない。もみじ台というくらいなので秋は紅葉も素晴らしい。人気のなめこ汁、そば、冷奴などが旨い。

●10:00~15:00、不定休(冬季は休み)。高尾山頂から10分 ☏042・659・2646

城山茶屋

高尾山縦走ハイカーが立ち寄る人気茶屋

広い城山山頂に立つ茶屋で、高尾山から景信山や陣馬山方面、城山から相模湖に下山するハイカー、また逆コースの人もみんな立ち寄る山のオアシスのような茶屋。富士山や相模湖、反対側の都心や高尾山方面の展望もいい。夏季はかき氷が人気。

●10:00~16:00(土日休9:00~)、悪天候時・冬季平日休。小仏城山山頂  ☏042・665・4933

高尾山 高橋家

古い昔から高尾山の麓でそばを提供してきた店

ケーブルカーそばのおそば屋さん。創業が天保年間(1830年頃)というから約200年の歴史を持つ。名物はそば粉6割のとろろそばだ。反省会のためのつまみも揃っている。そば味噌とネギのたたきを混ぜて焼いた焼き味噌が人気だとか。建物も重厚で、ぐっとくる。

●10:00~17:00(土休日~17:30)、不定休(月に2,3回、HPで確認を) 高尾山口駅から徒歩3分  ☏042・661・0010

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ 低山をきわめる!』より