今年で38回目。時代に応じて営業スタイルやメニューを変化
近年はファミリーや女子会で訪れる人も多いビアガーデン。1984年にスタートした『森のビアガーデン』も時代に応じて営業スタイルや提供するメニューを変化させてきた。
例えば、この15年の間でも、2009年には営業する場所を神宮外苑のなかでも信濃町駅に近い現在の場所に移動した上、ファミリー需要に合わせて週末はランチタイムから営業を開始。2011年には東日本大震災でダメージを受けた地域を応援するために東北のお酒を提供。フローズンビールや地ビール、クラフトビールが流行した年にはメニューに加え、ドイツ料理や韓国料理などビールに合うアラカルトメニューを提供した年もあった。
顧客ニーズに合わせた工夫を凝らしてきた『森のビアガーデン』は、期間中に13万人あまりもの人が訪れたという記録を持つなど、夏の風物詩としての歴史を築いてきた。
しかし2020年、2021年はコロナ禍の影響で営業を断念。3年ぶりとなった2022年には、例年より席数を少なくした900席で営業を再開した。待ちかねていた森のビアガーデンファンの気持ちに応えようと、以前は5月中旬からスタートしていたのに対して、2022年はゴールデンウィークの序盤から営業開始。その結果、10万7000人もの人が訪れた。
2023年は席数を本来の1000席に増やし、さらに期間を前倒して4月18日(火)から営業をスタート。1000席のうち600席がテントの下にあるため、天気の影響は少なめ。予約は1カ月前から可能だ。
飲み放題のビールが7種類。巨大な冷蔵庫に付いたタップでセルフサービス
ビアガーデン最大の魅力といえば飲み放題のビール。『森のビアガーデン2023』は、なんと7種類ものビールが飲み放題プランに含まれている。2022年は3種類だったというから、気合いのほどがうかがえる。
ビールの提供方法は、プレハブ型の巨大な冷蔵庫から自分で直接ジョッキに注ぐというもの。7種類のビールを注げるタップが並ぶ光景は、目にしただけでテンション急上昇! 一体どれから飲むべきか。ビール党ならずとも小躍りしてしまいそう。
魔法のジョッキと名付けられた、冷たさが長持ちするジョッキを持って、いざ挑戦。ビールタップのハンドルをまず手前にして注ぎ、そして泡を入れるためにハンドルは奥に。自分でビールを注ぐ特別感もたまらない。
飲み物は他にも、ハイボールやレモンサワー、カクテル類に酎ハイ、オレンジジュースなどのソフトドリンクと選び放題。こちらもセルフサービスなので、好みの濃さや組み合わせを、あれもこれも試したくなる。
食べ放題のバーベキューには、みんなが楽しいあれこれ
料理のメインはバーベキューでこちらも食べ放題! 肉は牛カルビ、味付けラムスライス、脂も美味しい豚バラ肉に加えてロングソーセージが用意されている。もちろん野菜もたっぷり。目の前でジューっと焼ける肉はもちろんだが、玉ねぎやもやしが香ばしさを増すそばから、いそいそ食べるのも楽しい限りだ。
バーベキューの定番、焼きそばは、ソースが塩焼きそばソース、関西風焼きそばソース、ピリ辛アジアンソースと3種類も用意されている。期間中何度か訪れても飽きることはなさそうだ。
他にもフライドポテトや春巻きといった揚げ物や、小さな焼きおにぎり、カルピス味のアイスキャンディーもメニューに含まれているので、お酒をあまり飲まない人や子どもたちも、満足いく食事になるだろう。
屋外で仲間とバーベキューを囲んでビールを飲むだけでも十分に盛り上がるが、さらに会場内を盛り上げようと音楽を中心にイベントの開催も予定されている。しかもライブイベントは出演者を広く募集中というから、ビールを目当てに行ってみたら、新しい音楽に出会える、なんてこともあるのかも。
やっと開放感に浸れる季節がやってきた。都会の真ん中にある緑豊かな明治神宮外苑の『森のビアガーデン』で、ビールとバーベキューによる多幸感を味わってはいかが?
取材・文・撮影=野崎さおり