イタリアをこよなく愛するオーナーがいる本格イタリアンレストラン
北千住においしいカルボナーラが食べられるお店があるという噂を耳にした。店の名は『カフェ アンド キッチン レガーロ』。パスタ料理が大好きで、特にカルボナーラには目がない筆者は期待を胸に北千住へ向かった。
お店に到着してドアを開けると、正面にはテーブル席が並び、右側にはキッチンとカウンター席。居心地の良さそうな、シンプルで落ち着いた空間がひろがる。
「サッカーが大好きでイタリアに興味を持つようになりました」とお話してくれたのは、イタリアとイタリア料理をこよなく愛するオーナーの進野博久さん。ディズニーシーのイタリア料理店で働いた経験もあるそう。2017年、自分が育った北千住に念願の店をオープンした。
北千住で一番のカルボナーラは本当にNo.1だった!
ランチのパスタは、レガーロのカルボナーラのほかにナスのボロネーゼ、週替わりのパスタの3種類。メニューに書かれた“北千住で一番を目指す”という一言を見て、迷わずカルボナーラのランチセットを注文。
「北千住で一番と断言すると怒られてしまいそうなんで、北千住で一番を“目指す”カルボナーラとしたんです」とニコリ。その笑顔の裏には進野さんの自信が隠れているようだ。
しばし待つと、お待ちかねのカルボナーラがテーブルに出される。チーズのほどよい香りがふわっと漂う。待ちきれずに早速、一口いただくと、口の中にチーズとクリームの味が広がる。濃厚だが、こってりとしたものではなく、軽やかさをも感じる味わいだ。
ほうれん草にはほんのりとしたガーリックの香りを感じるが、けっしてチーズの香りをじゃませず、ほどよい引き立て役となっている。すべての味と香りが絶妙なバランスでおいしさを作りだしているようだ。
そして、このカルボナーラをNo.1へ引き上げているのがパンチェッタだ。ソースにはパンチェッタの旨味が溢れ出している。「塩は使っていないんですよ。パンチェッタの塩味と旨味だけなんです」と進野さん。
パスタは、ちょっと芯が残るアルデンテではなく、歯応えのあるもちもち食感だ。ソースにしっかりとからみ、ソースの味わいを引き立てている。
あっというまにカルボナーラを完食。食べ終わるのが名残惜しいほど大満足でした。
そしてバリスタの資格をもつ進野さんが丁寧に淹れたコーヒーをいただく。北千住で一番のカルボナーラをいただいた後にゆっくりと上質のコーヒーを楽しむ。なんと贅沢な時間だろう。
イタリア人も大満足!本場とまんま同じレシピの手作りティラミス
おいしいイタリアンランチをいただいた後にドルチェは欠かせない、ということで、おすすめを伺うと「手作りティラミス594円がおすすめです。本場イタリアとまったく同じレシピで作っています。イタリアから来た人にも満足してもらえるほどなんですよ」と進野さん。ぜひ、いただきます!
一口いただくと、口のなかに広がるコーヒーの香り。そして口の中でふわっととろけていく口当たりの良さとチーズの味わい。北千住で、これほどのティラミスをいただけるとは(失礼!)。
「イタリア産のマスカルポーネチーズと、フィンガービスケットを使っているんです」と進野さんが教えてくれた。濃厚だがやさしい味わいとなめらかな食感、スポンジケーキでは出せない軽やかさの秘密は本場の材料にあったのだ。
さらに、コーヒーではなく、エスプレッソを使うことで、香りと味わいがまったく違ってくるそう。豆はイタリアのセガフレード・ザネッティ製を使う。バリスタが淹れたエスプレッソを使った絶品ティラミス。本場と同じおいしさを追求するオーナーのこだわりに脱帽です。
カルボナーラもティラミスも大満足の一品だった。北千住で一番ではなく、せめて足立区で一番と名乗ってもいいのでは、と思ったが、この“北千住で一番”とは“いつもお世話になっている北千住の皆さんのため”という意味ではないかと、ふと気づいた。
次回はディナータイムに伺って、サッカーの話でも聞きながら進野さんおすすめのワインとこだわりのイタリア料理を楽しみたいと思いながらお店を後にした。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎