新鮮な食材で作る、こだわりの塩ラーメン

JR吉祥寺駅公園口から徒歩1分。井ノ頭通り沿いの2階。
JR吉祥寺駅公園口から徒歩1分。井ノ頭通り沿いの2階。

吉祥寺駅近くの井ノ頭通りは、マルイやドンキホーテなど大型の商業施設がありいつでも人でいっぱいだ。この通り沿いの2階にある『麺屋海神』は、ここ吉祥寺店と新宿店の2店舗がある塩ラーメン専門店。特徴は毎日仕入れる新鮮な魚のアラで炊き上げる上品な出汁にある。

こだわりが書かれた看板。
こだわりが書かれた看板。

主に鯛や鮭といった白身魚のアラを使うが、独特の甘みを求めて銀座の料亭でも使われる上質な穴子のアラも入れて、丹念に出汁を取る。その日仕入れた魚によって変化する味も楽しみだ。

パカッと開いたハマグリ。こんなのおいしいに決まってる!

大きなハマグリが2つ。これでラーメン1杯分。
大きなハマグリが2つ。これでラーメン1杯分。

今回いただくのは、吉祥寺店のみの限定メニューであるあら炊きはまぐりらぁめん。ハマグリの数は大きさによって変化するが、今回は鮮度抜群の九十九里産ハマグリがなんと2個も。こだわりの出汁に入れて、パカッと開くまでじっくり火を通す。調理しているそばからふわ〜んと貝の出汁のいい香り。あー。もう、こんなのおいしいに決まってるじゃないか!!!

透き通ったスープは旨味たっぷり。じんわりおいしい

あら炊きはまぐりらぁめん(おにぎり付き)1595円。
あら炊きはまぐりらぁめん(おにぎり付き)1595円。

徹底的に臭みを除いた出汁からは、雑味のない上質な香りが立ち上る。待ちきれずにスープをひと口。その瞬間、洗練された磯の風味がぶわっと広がった。続いて独特な貝の旨味が追いかけてくる。この味わいは絶対に塩味でなきゃ、と思う。ここにしっかりとした歯ごたえでつるりとした麺がばっちりスープを受け止める。少しだけ浮いた油はオリーブオイル。さらりと軽い油分も絶妙だ。

身だけでも5cm以上という大きさ。
身だけでも5cm以上という大きさ。

貝から外してみて大きさに驚いた。身もでかい!食べてみると、今度はぷりっぷりの食感に驚いた。臭みがまったくなく、ぎゅっと凝縮した旨味で甘い。

穴子のアラと同様、ハマグリも築地の有名な魚卸店から仕入れている。仕入れる前は「ラーメンにうちの食材を使うなんてもったいない」といわれたという最高級の食材だ。なるほど、納得の贅沢さだ。

ハマグリの大きさがわかるだろうか。
ハマグリの大きさがわかるだろうか。

お楽しみはもう一つ。雑炊にしてフィニッシュしよう

タレをつけてさらに焼く。
タレをつけてさらに焼く。

このおいしいスープをそのまま放っておくのはもったいない。焼きおにぎりを入れて雑炊風でいただくのがお楽しみだ。

焼きおにぎりには刻んだへしこが入っている。へしことは、魚をぬか漬けにした北陸の郷土料理。漁獲量の関係により年々量が減り、高騰しているという。

へしこの入った焼きおにぎりをスープにイン。
へしこの入った焼きおにぎりをスープにイン。

焼きおにぎりの香ばしさとスープが混じり合って、うーん、これはおいしい!少し山椒を入れるのもピリッとした風味があってオススメだ。

なかなかラーメンをスープまで全部飲み干すことができない筆者だが、今回は楽々まるごといただいた。ごちそうさまでした!

カウンターにあった食べ方説明。
カウンターにあった食べ方説明。

本当は味変もあるのだけれど……

壁に貼ってあった味変告知。
壁に貼ってあった味変告知。

酢、胡椒という定番調味料のほか、はまぐりらぁめんなら無料になる味変食材がほかにもある。食べる前は「途中からバターとガーリックパウダー両方入れて食べようっと♪」とワクついていたのだが、そのままの味でついつい食べ終えてしまった。入れてもきっとおいしいに違いない。

たしスープ、麺大盛り、どちらも無料。うれしい。
たしスープ、麺大盛り、どちらも無料。うれしい。

丁寧に手順をこなす長年のスタッフと店長のあたたかい関係

左が店長の遠藤さん。
左が店長の遠藤さん。

貝に火を通したりおにぎりを焼いたりと、オーダーが入ってからの手順が多いメニューに加え、ほかのラーメンのトッピングとなる鶏軟骨入りつくねの仕込みもある。厨房ではスタッフがせわしなく動いていたが、動きはスムーズで無駄がない。「長くいるスタッフばかりなんです。ありがたいですよね」とにこやかに笑う店長の遠藤さんと、仲良さそうに冗談を言いあうスタッフ。このチームワークがあってこそのおいしい一杯。また訪れたい名店だ。

大量に作っていた鶏軟骨入りつくね。一日にこの2〜3倍仕込むという。
大量に作っていた鶏軟骨入りつくね。一日にこの2〜3倍仕込むという。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-9 くまもとビル 2F/営業時間:11:00~23:00LO/定休日:無/アクセス:JR・私鉄吉祥寺駅から徒歩1分

取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ