博多&熊本ラーメンの真骨頂を味わえる

木の温もりに包まれた和の趣ある店内。カウンター15席もあり、一人利用にもうれしい。
木の温もりに包まれた和の趣ある店内。カウンター15席もあり、一人利用にもうれしい。

2009年にオープン以来、九州ラーメンの人気店として知られている。店主の古川潤也さんは「この店と、渋谷にあるラーメン店と2店舗ありますので、行ったり来たりとなかなか大変です。この店は大学生の頃、オープニングスタッフとして手伝いました。その頃からの基本の味は変えず、オペレーションを少し変えて、より動きやすく、お客様においしいラーメンをお届けできるようにしています」と話す。

“九州らーめん”と銘打っているのは、博多ラーメンや熊本ラーメンを基本とした独自の豚骨ラーメンを提供しているからだ。

店主の古川さん(左)とスタッフの中分(なかぶん)さん。仲の良さが伝わって、店も明るい雰囲気だ。
店主の古川さん(左)とスタッフの中分(なかぶん)さん。仲の良さが伝わって、店も明るい雰囲気だ。
券売機は、QRコード決済や電子マネーをスマートフォンで支払えるとあって便利。
券売機は、QRコード決済や電子マネーをスマートフォンで支払えるとあって便利。

店内炊きで1から作るスープの旨さの秘訣

時間をかけて煮込んでいくと、このように各素材の旨みが抽出された白濁のスープができあがる。
時間をかけて煮込んでいくと、このように各素材の旨みが抽出された白濁のスープができあがる。

自慢の豚骨スープは豚の頭、ゲンコツ、背脂を使用し、じっくりと3~4時間かけて煮出している。スープを仕込んでいるというにもかかわらず、店内には豚骨特有の臭いがあまりしない。なぜなのか聞いてみると、「特に豚の頭をしっかり血抜きして、下処理を行っているからなんです。そうしないと、雑味も独特の臭みも残るのでおいしいスープができません」と古川さん。

このほか、別のメニューに使う魚介出汁や鶏出汁の2種類もいちから作っているという。こうした手間を惜しまないのは、スープだけではない。

チャーシューは豚バラと豚ロースの2種類を使い、ほかに豚の角煮も作る。麺も極細ストレート麺と縮れの細麺を用意し、それらはすべてメニューによって使い分けている。

2種類の麺は、どちらも讃岐うどんでも使われる良質な小麦を使った喉ごしのよい特注品だ。
2種類の麺は、どちらも讃岐うどんでも使われる良質な小麦を使った喉ごしのよい特注品だ。

自慢のスープとトッピングを堪能できる1杯

自家製チャーシューと角煮、煮卵など豪華盛り合わせの特金祥らーめん。
自家製チャーシューと角煮、煮卵など豪華盛り合わせの特金祥らーめん。

おすすめは特金祥らーめん990円。麺の硬さは、柔(やわ)めから「こなおとし(極硬め)」までの6段階から選べる。

スープをすくってみると、感動のクリーミーさ! 濃厚だがやや甘さもありおいしい。シコシコと弾力があり、喉ごしのよい麺は小麦の風味が高く、コクのあるスープをまとって旨みが増す。

極細だが、モチッとした弾力も感じ、硬めもおすすめだが、やわらかめもよい食感を楽しめる。
極細だが、モチッとした弾力も感じ、硬めもおすすめだが、やわらかめもよい食感を楽しめる。
スープをしっかり吸い上げて、味に奥行きがでる豚バラのチャーシュー。
スープをしっかり吸い上げて、味に奥行きがでる豚バラのチャーシュー。

2種類のチャーシューは、脂身が多くジューシーな豚バラ、肉質をしっかり感じ脂身とのバランスがよいロースと、食感の違いを楽しめるようになっている。角煮はトロトロと口溶けもよく甘い感じで、すべて食べ終わるころにはお腹もすっかり大満足だ。

さっぱりと紅しょうがや、ピリッとアクセントを加えるなら辛し高菜がおすすめ。
さっぱりと紅しょうがや、ピリッとアクセントを加えるなら辛し高菜がおすすめ。

卓上には味変アイテムも並ぶ。お店がおすすめするトッピングの違いを明記したPOPも貼られているので、好みに合わせて選んでみたい。ラーメンコショーをはじめ、マイルドになるすりゴマ、旨さが引き立つ生ニンニクなど7種類も用意されている。

今日はどんな味で試そうか? 卓上に並ぶ味変アイテムを選ぶ手にも迷いながら、自分なりの味を探していく楽しみはまた足を運びたくなる。

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-13-1/営業時間:10:30〜翌4:20LO(金・土・祝前日は~翌6:30LO)/定休日:無/アクセス:JR中央本線・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩2分

取材・文・撮影=千葉香苗、構成=アド・グリーン