街でみられるかわいいウサギ

.動物病院の入り口に、犬や猫などのオーナメントと並んで設置されているリアルウサギ(若葉台)。
.動物病院の入り口に、犬や猫などのオーナメントと並んで設置されているリアルウサギ(若葉台)。

よく見られるのが、玄関先や店先などに置かれた、リアルに作られたガーデンオーナメントである。

.居酒屋の店先に設置されたペアウサギ。上目遣いに訴えかけてくるかわいさ(神田)。
.居酒屋の店先に設置されたペアウサギ。上目遣いに訴えかけてくるかわいさ(神田)。

もともとのウサギの造形がかわいらしいので、それを忠実に再現した置物もやはりかわいい。

うどん屋『兎屋』のショーウインドー内のミニウサギ。ミニマスクを着けてもらって、愛されているのがわかる(小川町)。
うどん屋『兎屋』のショーウインドー内のミニウサギ。ミニマスクを着けてもらって、愛されているのがわかる(小川町)。
薬局のイメージキャラクター。餅をつく月のウサギのイメージだろうか(桜新町)。
薬局のイメージキャラクター。餅をつく月のウサギのイメージだろうか(桜新町)。

このようなウサギを店名に冠したり、店のイメージキャラクターとしたりする場合もある。きっと良い宣伝効果が得られることだろう。

街に設置されているウサギの銅像もかわいい。

甲府の「エル西銀座」通り沿いに十二支の銅像が設置されているが、ウサギは一際かわいい(甲府)。
甲府の「エル西銀座」通り沿いに十二支の銅像が設置されているが、ウサギは一際かわいい(甲府)。

浦和の調(つき)神社など、ウサギを神使としている神社に赴けば銅像や石像も多く発見できるので、今からでも初詣に行ってみてはどうだろうか。

大阪・住吉大社のウサギの手水舎。境内には「撫で兎」の像もある(大阪)。
大阪・住吉大社のウサギの手水舎。境内には「撫で兎」の像もある(大阪)。

ウサギの遊具ももちろんかわいい

リニューアル前のあらかわ遊園に設置されていたウサギ像。バックス・バニーだと思われる(荒川区)。
リニューアル前のあらかわ遊園に設置されていたウサギ像。バックス・バニーだと思われる(荒川区)。

子どもにも人気のあるウサギは、公園遊具のモチーフにも多く用いられている。

小動物と遊べる「どうぶつひろば」の手洗い所。小動物の象徴としてウサギが設置されているのだろう(さいたま市・大崎公園)。
小動物と遊べる「どうぶつひろば」の手洗い所。小動物の象徴としてウサギが設置されているのだろう(さいたま市・大崎公園)。

公園遊具になる場合、ウサギは一層かわいらしさを強調したデフォルメがなされる。

たとえば吉祥寺のうさぎ山公園にあるスイング遊具は、簡略化されたデザインながら、長い耳と大きな目でうさぎのかわいらしさを表現している。

このタイプのスイング遊具は、他の公園でも見ることができる(吉祥寺)。
このタイプのスイング遊具は、他の公園でも見ることができる(吉祥寺)。

狛江のウサギは和菓子のような流線形、

やさしい曲線でできたデザイン。シンプルながらかわいい(狛江・さくら児童遊園)。
やさしい曲線でできたデザイン。シンプルながらかわいい(狛江・さくら児童遊園)。

町屋のウサギは少年漫画のようなやんちゃな表情と、その個性に違いはあれど、それぞれにかわいい。

何となく野沢雅子さんの声でしゃべり出しそうな、やんちゃ系ウサギ(町屋・町屋三丁目児童遊園)。
何となく野沢雅子さんの声でしゃべり出しそうな、やんちゃ系ウサギ(町屋・町屋三丁目児童遊園)。

遊園地に行くと、お金を入れて動くタイプのウサギもいるが、

前橋の小さな遊園地、るなぱあくのウサギ遊具。耳にリボンが付いているので女子だろうか(前橋)。
前橋の小さな遊園地、るなぱあくのウサギ遊具。耳にリボンが付いているので女子だろうか(前橋)。

こちらもアニメのキャラクターのような作りである。

固定されているウサギ遊具もまた、それぞれに個性がある。

その名も「うさぎ児童遊園」の入り口にいるウサギ。以前はウサギのすべり台も設置されていた(小岩)。
その名も「うさぎ児童遊園」の入り口にいるウサギ。以前はウサギのすべり台も設置されていた(小岩)。
飛鳥山公園のウサギ。きれいなピンク色に塗られている(王子)。
飛鳥山公園のウサギ。きれいなピンク色に塗られている(王子)。
「おしゃま」という言葉がよく似合うウサギ。まつ毛のせいだろうか(府中・郷土の森公園)。
「おしゃま」という言葉がよく似合うウサギ。まつ毛のせいだろうか(府中・郷土の森公園)。

ここまで見てきて思うのは、デフォルメされたウサギはたいていピンク色に塗られるということである。恐らく、白いウサギが血管が透けて薄ピンク色に見えるところからそうなったのだと思うが、この配色もかわいらしさの演出に役立っているのかも知れない。

だけど、かわいいばかりがウサギじゃない

ところで私は、卯年の年賀状用の撮影をするべく、先に挙げた吉祥寺のうさぎ山公園を訪れた。その名前の通り数々のウサギ遊具が設置されているが、公園の斜面に設置されたウサギ達が何となく怖いのである。

おそらく府中のおしゃまウサギとボディの形は一緒なのだが、目が白目になっているだけでホラー感が出てしまう(吉祥寺)。
おそらく府中のおしゃまウサギとボディの形は一緒なのだが、目が白目になっているだけでホラー感が出てしまう(吉祥寺)。

例えば白目をむいていたり、

両手に持っているのは火打石ではないだろうか。これからカチカチする直前である。怖い(吉祥寺)。
両手に持っているのは火打石ではないだろうか。これからカチカチする直前である。怖い(吉祥寺)。

カチカチ山で今にもタヌキの薪に火を付けそうな雰囲気だったり。

ここで初めて私は「かわいくないウサギも一定数存在する」ことに気が付いた。そういえば以前訪れた天橋立ビューランドのメリーゴーランドのウサギも、リアルさを追求した結果、なんとなく怖い仕上がりになっていた。

ここのメリーゴーランドの動物はどれもリアルなのだが、「かわいい」という表現がそぐわないウサギ(天橋立ビューランド)。
ここのメリーゴーランドの動物はどれもリアルなのだが、「かわいい」という表現がそぐわないウサギ(天橋立ビューランド)。

もしかすると、「かわいらしさ」と「怖さ」は表裏一体の存在なのかもしれないと、何となく哲学的なことを思ってしまう年の始めであった。

イラスト・文・写真=オギリマサホ