養老川沿いで美人の湯を堪能する
養老川沿い、粟又の滝の800m上流にあり、千葉県では珍しい山あいの雰囲気を感じる。木造の建物を入り、発券機で購入した入浴券を受付に渡して温泉へと向かう。
木の渡り廊下を抜けた先が男女別の大浴場。脱衣所にはカゴがあるだけだが、廊下にロッカーがあるので、貴重品はここに。
温泉は炭酸水素塩泉で、皮膚を滑らかにする美肌効果があり、「美人の湯」との評判が高い。男女別の内湯は木がふんだんに使われていて、重厚感のある柱や梁が印象的。天井が高く、ガラス張りになっているため開放感がある。周囲の豊かな自然と木の温かみを感じながら入浴すれば、心がホッと落ち着く。
観音様に見守られながら、温泉と絶景を楽しむ
内湯でしっかりと温まったら露天風呂へ。自然石を組んだ野趣あふれる湯船の縁にはちょこんと観音様が鎮座している。温泉に浸かりながら辺りを見渡せば、房総の山々が連なる景観が広がる。四季折々の景色が楽しめ、特に新緑や紅葉の時期が美しいと評判だ。
露天ゾーンにはこぢんまりとしたサウナ小屋がある。約90度に設定されていて、熱気が体を包み込む。水風呂がないため、シャワーで水を浴びてから縁台にある椅子に座って外気浴を楽しんだ。
すがすがしい景色とやわらかな温泉、さらに観音様の霊験もあるのだろうか、まさにご利益を得られそうな入浴だった。さすがに美人湯だけあって湯上がりには肌がスベスベとしてしっとりとしている。
地元産の食材を中心にしたメニューが旨い。レンタサイクルで周辺めぐりも楽しい
温泉と並ぶ自慢が「お食事 ごりやく食堂」。地元産や千葉県産の山海の幸をふんだんに使用したメニューがそろう。そばやカレーなどの手軽なメニューから天ぷら定食、マグロ山かけ定食まであり、一品料理やアルコールも充実する。
店内は大浴場同様に木の温もりを感じられる。窓が大きく取られているので、陽光が差し込み、豊かな自然を満喫できる。ゆったりとしたテーブル席や座敷席で湯上がりのひと時を過ごそう。
山あいの秘湯のような風情を感じられる『滝見苑けんこう村 ごりやくの湯』。効能自慢の温泉に浸かりながら絶景を見渡す。その後は滋味あふれる地元産の素材を使ったメニューを堪能。
これだけでも十分楽しめるが、養老渓谷の自然を満喫するなら入浴前に電動アシスト自転車のレンタルし、養老渓谷の散策をしてから温泉を楽しむのもおすすめだ。
取材・文=速志 淳 写真=滝見苑 ごりやくの湯 構成=アド・グリーン