ホワイトクリスマスは不可能?!クリスマス・イヴは東京で最も???な日だった!
実は、クリスマス・イヴのある12月24日は、東京では統計的に一年で最も「晴れやすい日」なんです。2020年までの30年間の天気を振り返り、晴れ・曇り・雨・雪に分けて365日それぞれの日の出現率を計算したものを「天気出現率」といいます。12月24日の東京の晴れの天気の出現率(晴天率)は、なんと93.3パーセント。これは、365日の中で最も高い確率です。ちなみに雪の確率は0.0パーセントでした(あくまで過去の天気の傾向なので、12月24日に雪が降ることは全くないという訳ではありません)。
クリスマス当日の12月25日も晴れの出現率が83.3パーセントと高く、東京でホワイトクリスマスになることはめったにありません。この時期は冬型の気圧配置になりやすく、日本海側の地域は雪や雨が降りやすい一方、太平洋側の関東は安定して晴れることが多くなります。
お出かけに“ブルークリスマス”はいかが?
ことしはクリスマス・イヴの24日とクリスマス当日の25日が土日と重なるため、お出かけの予定を考えている人も多いかもしれません。そこで、気象予報士の私が提案したいクリスマスのお出かけプランのテーマは、ホワイトではなく、“ブルークリスマス”です。あたり一面雪が積もった真っ白な風景は難しくても、冬の関東には魅力的なブルー(青)の世界があります。ブルー(青)というのは、どこまでも続くような真っ青な空と海のことです。青い空も青い海もいつだってあるのではと思われるかもしれませんが、冬だからこそおすすめしたい理由があるんです。
見上げれば澄み切った空が!今こそ青空の旬の季節
お散歩中にふと空を見上げると、秋から冬に向かって、どんどん青空の色が濃くなってきたと感じることはないでしょうか?同じ晴れの日でも、季節によって青空の色が違って見えるのは、光の性質に理由があります。
太陽の光には青や緑、黄色、赤など波長の違うさまざまな色が混ざっています。それぞれの光が空気中のチリなどに当たり散乱すると、その光の色が空に広がります。中でも、波長の短い青い光は散乱しやすいのです。これを「レイリー散乱」と呼びます。ただし、この時、空気中に水蒸気が多いと色んな色が散乱して混ざるので白っぽく見えます。春や夏の気温が高い季節は水蒸気が多いため、晴れていてもぼんやりとした淡い青空になりがちです。気温が低くなるにつれて、水蒸気が少なくなるので、澄み切った濃い青空が広がるようになります。
インフィニティな海と空に心奪われるクリスマスを
そんな青空と一体化するように写真に収めたいのは、これまた青々とした海です。太陽が出ていると、冬のやわらかな日差しがキラキラと海を輝かせてくれます。真夏の強い日差しが照り付ける海にはパワーをもらえますが、冬の温かくて優しい光が差し込む海には心癒されます。海岸をのんびりお散歩するのもいいですし、広々とした海と空を眺めながらくつろげる、インフィニティな露天風呂に浸かるのも風流なクリスマスの楽しみ方ではないでしょうか。
ブルーモーメントで日没後も青の世界に浸って
青の世界は日中だけのものではありません。太陽が照らす青い海と空を堪能したら、もう少し日が沈むまで待っていてほしいんです。夕焼け空の後、あたりが真っ暗になる直前に、深い群青色に空が染まる「ブルーモーメント」が訪れます。ちょうど日没の時刻から数十分後に見られます。なんとも言えない優しい青色をカメラに収めるのは少々難しいですが、肉眼でしっかり目に焼き付けておきましょう。
ブルーモーメントを見られるチャンスは、日の入り後と日の出前の1日2回あります。晴れた日だけでなく、多少薄い雲が出ていても見られる現象です。クリスマスディナーの前にも、昼間とはまた一味違ったブルーの景色に浸ってみてください。