中野駅から徒歩5分。目印は「ハヤシくん」
中野ブロードウェイの入り口前で、中野サンモールと交差する白線通り。道幅はかなり狭いが、小さな飲食店がずらりと軒を連ねる飲み屋街となっている。この白線通りと、やはり飲み屋街であるふれあいロードが交差する角にあるのがハヤシ屋中野荘だ。黒の壁に赤や黄色のカラーリング、どちらの道側にも窓があるので店内の様子がよく見えるなど、外観からしてかなり目立っている。さらに店のキャラクター「ハヤシくん」だ。彼のイラストもけっこうな存在感を放ち、目印としては十分すぎるほどだ。
カウンターでサクッといくもよし、テーブルでゆったりもよし
場所柄「急いで食べてすぐ出たい」という要望も多いという。そのためすぐに提供できるハヤシライスとインドチキンカリーライスをスピードメニューとして打ち出している。そして、急ぎの場合は1階のカウンター席がとても便利だ。目の前がすぐキッチンなので、スピードメニューがさらにスピーディーに提供される。
ゆっくり食事を楽しみたいなら2階のテーブル席へ。くつろげる広さがあり、カトラリーや水、スパイス類なども用意されているので1階に降りる必要がない。小物やポスターが飾られ、あたたかみのある空間だ。
オムハヤシだってあっという間のスピード感
たくさんの情報が詰まった券売機を前に、今回は悩むことなくオムハヤシ一択だ。店頭看板やPOPなど至るところに「人気ナンバーワン」と書いてある。ならば試してみるほかないだろう。券売機をぽちりと押し、スタッフに食券を渡すとすぐに調理が開始された。
チキンライスの素になる鶏肉やタマネギ、ケチャップなどはすでに調理済み。ごはんと一緒に炒めてチキンライスのできあがり。早い!
さて、次はとろとろのオムレツだ。
オムレツはチキンライスよりもさらにスピーディー。ハヤシソースをかけたらできあがり。本当にあっという間だ。オムハヤシだって十分スピードメニューなんじゃない?と思うほどすぐに提供された。
とろとろ玉子とじっくり煮込んだハヤシソース。チキンライスには意外な隠し味が……
古い洋食屋さんを思わせる銀色の皿がちょっとレトロで懐かしい感じがする。中には見るからにとろとろで濃い黄色のオムレツがハヤシソースの海にぽっかりと浮んでいる。これはビジュアル映えも文句なしだ。
卵3個分を使うオムレツはボリュームたっぷりで、ふんわりバターの甘い香り。オムレツとチキンライスにたっぷりとハヤシソースを絡めてひと口。ふわふわとろ〜りの食感が広がる。そうそうこれ!まさに求めていた味!
オムレツの中の方は表面よりもさらにとろとろで流れ出しそう。飴色になるまで炒めたタマネギや香味野菜と肉、赤ワインを一晩以上煮込んだ濃厚なソース、固め食感のチキンライス、この3つが混然一体となる。
そして食べながら気づいた。ソースには思った以上にたっぷり肉が入っている。牛バラ肉と豚コマ肉が半分ずつなので、食感や味わいに変化があるのもいい。チキンライスには鶏肉がたっぷり入っているので、このひと皿で牛・豚・鶏コンプリートだな……。なんて考えていたときに、ふわりと柑橘系の風味を感じた。圧倒的こってり味の中、さわやかな香りが際立つ。チキンライスの隠し味に柚子の粉末を使っているとのこと。「さっぱり感をプラスすることで、飽きずに食べて欲しいんです」と店長の武藤さん。
豊富なトッピングや量の調整など、さらに自分好みにカスタマイズ
ポークカツ、唐揚げ、半熟卵、ほうれん草などトッピングが豊富で迷ってしまう。とくに焼きチーズ100円が好評で、オムハヤシはもちろん、カレーやナポリタンにかけるのも◎。ちなみに武藤さんのオススメは?「オムハヤシにハムカツトッピングですね〜」。あー、それもおいしそう!
通常200gのスパゲッティは400gまでなら大盛無料。3倍の600gのメガ盛りでもプラス100円という驚きの安さだ。そのほかにも、ごはん大盛100円、カレールウやハヤシソースの大盛も100円。両方大盛の場合は150円とちょっとおトクになる。ハヤシもいいけどカレーもいいよね……と悩みがちなアナタにはハヤシソースとカレールーがハーフ&ハーフでかかったハヤシカレー700円や、オムハヤシカレー950円がオススメだ。
トッピングや量、料金などすべてにわたって客の好みに寄り添ってくれる。この姿勢が多くの客に支持される理由だろう。お腹いっぱい大満足で店を後にした。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ