「合体」検証1 石田えり版

さっそく「釣りバカ」シリーズ全22作の「合体」シーンまるっと洗い出し~。まずは石田えり版みち子さん出演の「合体」から。

■ファイルNo.1■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌』(1988)

〔アプローチ〕転勤先の東京の海への期待が高まると同時に夫婦の性欲も高まって……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕「合体」の2文字ズームイン/アウトのち感嘆符1つ(通常モード)

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡

〔寸評〕記念すべき初「合体」。積極的なみち子さんが魅力的っす。

■ファイルNo.2■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌』(1988)

〔アプローチ〕東京の新居がすっかり気に入り、新鮮な気分で明るいうちから……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕「熱烈合体」

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡

〔寸評〕引っ越したばかりのマンションの一室、梱包を解いてない布団の上で、という状況がまるで日活ロマンポルノのよう。

■ファイルNo.3■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌』(1988)

〔アプローチ〕「ダメよ。スーさん眼覚ましちゃうじゃなぁい」とか言いながらも、客が寝てる間に辛抱たまらず……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕「合体」の2文字に感嘆符3つ

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡♡

〔寸評〕おおよそ客は眼覚ましているものなのよ。若いね~、お二人さん!

■ファイルNo.4■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌2』(1989)

〔アプローチ〕「ハマちゃんが早く帰って来てくれるのが一番いいの」と甘えつつ、みち子さん後ろハグからハマちゃんおんぶの連続技で寝室に……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕「合体」の2文字ズームイン/アウトのち感嘆符1つの通常モード

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡♡

〔寸評〕みち子さんショートカットでエロ度増し増し。個人的にはシリーズ最高の「合体」はコレ!

■ファイルNo.5■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌3』(1990)

〔アプローチ〕ハマちゃんの容姿の話でツンツンデレデレからイヤよイヤよと抗いながら……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕「合体」の2文字ズームイン/アウトのち感嘆符1つの通常モード

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡

〔寸評〕ダブルベッドに揃いのパジャマ。いつまでも新婚気分でいいね~。

■ファイルNo.6■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌3』(1990)

〔アプローチ〕子供ができないことを気に病み、落ち込むみち子さんをなぐさめながら……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕控えめの「合体」の後に、意味深の「そして」の文字……。

〔ラブラブ度〕♡♡♡

〔寸評〕この後ついにみち子さんご懐妊~!パチパチ~!ただ、判明時点で妊娠3ヶ月だったことから推測すると、実際に仕込んだのは当「合体」でなく、「ファイルNo.4」以降「ファイルNo.5」以前の「合体」か。

「釣りバカ(第1作)」~「釣りバカ3」では子供ができないことが悩みだったハマちゃん夫妻。きっといろいろ願かけもしたことでしょう。写真は京急·川崎大師駅ちかくの”かなまら様”(金山神社)と、同神社の絵馬と御守り。
「釣りバカ(第1作)」~「釣りバカ3」では子供ができないことが悩みだったハマちゃん夫妻。きっといろいろ願かけもしたことでしょう。写真は京急·川崎大師駅ちかくの”かなまら様”(金山神社)と、同神社の絵馬と御守り。

■ファイルNo.7■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌4』(1991)

〔アプローチ〕ハマちゃん鼻歌交じりで床に誘うが「ごめんね。今日ダメなの」

〔成否〕未遂

〔合体演出〕「こんやも不合体」

〔ラブラブ度〕なし

〔寸評〕「こんやも」の表示を見るに、みち子さんの妊娠以降、夜の営みはおあずけとなることが多い様子。そんなハマちゃんの我慢の甲斐あって、みち子さん無事出産!

■ファイルNo.8■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌5』(1992)

〔アプローチ〕「ダメだったらダメー。ダメ、ダメ、ダメ、ダメ」みち子さんまんざらでもない様子で絶叫するも、その声で鯉太郎ちゃん(推定1歳)お目覚め……。

〔成否〕未遂

〔合体演出〕「合体」に赤字のバッテンがマウント

〔ラブラブ度〕♡♡

〔寸評〕「みち子さん、ボクもさみしい」とハマちゃんが迫り寄って以降、34秒もの間みち子さんは「ダメ」を計12回連呼。「ダメよダメよ」も「来て♡」のうち……ではなくホントにダメでした。

■ファイルNo.9■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌6』(1993)

〔アプローチ〕スーさん帰して、鯉太郎寝かせて、「解禁日~」とやる気満々のハマちゃんでしたが……。

〔成否〕未遂

〔合体演出〕「合体」に赤字のバッテンがマウント

〔ラブラブ度〕

〔寸評〕今回も「合体」ならず。「解禁日」というハマちゃんの言葉からずいぶん我慢していた様子がうかがえる。鯉太郎誕生が夫婦の営みに如実に影響を及ぼすか。

■ファイルNo.10■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌スペシャル』(1994)

〔アプローチ〕いつになく激しく迫るハマちゃんでしたが、鯉太郎が襖を開けて「怖い夢見たの」……。

〔成否〕未遂

〔合体演出〕「不合体」

〔ラブラブ度〕♡♡

〔寸評〕本作が最終打席となる石田えり版みち子さんでしたが、「合体」ならず。思えば石田版の「合体」成功は通算6回(全「合体」機会10回)。6連勝の後、4連敗というムラのある戦績に。最後の成功は「釣りバカ3」(1990)までさかのぼる。

ハマちゃん、「合体」自粛期間(「釣りバカ4」~「釣りバカS」)でも、風俗店での「合体」は確認できず。さすが愛妻家!愛のある「合体」は、入浴料2万円、サービス料4万5000円では買えないのだ。台東区某所にて。
ハマちゃん、「合体」自粛期間(「釣りバカ4」~「釣りバカS」)でも、風俗店での「合体」は確認できず。さすが愛妻家!愛のある「合体」は、入浴料2万円、サービス料4万5000円では買えないのだ。台東区某所にて。

「合体」検証2 浅田美代子版+「花のお江戸」

続いて浅田美代子版みち子さん編と「花のお江戸」編、いってみよっ!

■ファイルNo.11■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌7』(1994)

〔アプローチ〕スーさんに絶交宣言をして落ち込むハマちゃんを元気づけようと、みち子さん大サービスでチュッチュッするも……。

〔成否〕未遂

〔合体演出〕満月バックに「合体不能」

〔ラブラブ度〕♡♡

〔寸評〕浅田美代子版みち子さん初登場。残念ながら初打席初「合体」はならずも、その初々しくも積極的な姿勢から、今後の打席に期待が高まる。

■ファイルNo.12■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌8』(1996)

〔アプローチ〕「んー。ハマちゃん、寝よっ。チュッ」いつになくご機嫌かつ積極的なみち子さん。

〔成否〕成功

〔合体演出〕「合体」の2文字ズームイン/アウトのち感嘆符1つという通常パターン

〔ラブラブ度〕♡♡♡

〔寸評〕浅田版みち子さん初「合体」にして、5作ぶり、足かけ6年ぶりの「合体」成功!

■ファイルNo.13■

〔登場作品〕『花のお江戸の釣りバカ日誌』(1998)

〔アプローチ〕伝助と小浪(演·黒木瞳)の祝言の夜、「あ、ああ、これ、これなんだろ……」と伝助、興奮を抑え切れず、お決まりの床入り。

〔成否〕成功

〔合体演出〕鐘の音とともに「あ~れ~」なる歓喜の声が江戸の夜空に艶やかに響き……。

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡

〔寸評〕「合体」時の「あ~れ~」なる女性の歓喜の叫び、筆者はリアルに聞いたことがない。

■ファイルNo.14■

〔登場作品〕『花のお江戸の釣りバカ日誌』(1998)

〔アプローチ〕伝助と小浪の祝言の床の後、「夫婦は仲睦まじく暦の数ほどの「合体」を重ねまして――」(by笹野高史)とのナレーションに続いて……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕前回同様、鐘の音、「あ~れ~」の声とともに「またまた、合体」。

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡

〔寸評〕間髪入れずに連続「合体」とは、登板した翌日に打者としてフル出場する大谷翔平並みのタフさです。

■ファイルNo.15■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌イレブン』(2000)

〔アプローチ〕他人の夫婦仲を心配中、突如流れ出したロックのリズムに合わせて、ハマちゃんクネクネ踊りから、みち子さんに迫り、上着を脱がして強引にチュッチュッ……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕メタリックな扉が閉まる効果音つき

〔ラブラブ度〕♡♡♡

〔寸評〕「釣りバカ9」「釣りバカ10」と続けて「合体」シーンは見られず、門前チュッチュッにとどまったため、「合体」は実に4年3作ぶり(「花のお江戸の~」は除く)。他人様の営みをどうこう言うのもなんだが、ヘビメタ風の異色な演出は賛否が分かれるところ。

■ファイルNo.16■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌イレブン』(2000)

〔アプローチ〕突如流れ出したインド音楽のリズムに合わせて、ハマちゃんインディアンダンスから「もう寝よ」と襖が閉まって……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕3Dの「合体」から平面「合体」

〔ラブラブ度〕♡♡♡

〔寸評〕他人様の営みをどうこう言うのもなんだが、No.15および今回のダンス演出は賛否が分かれるところ。

■ファイルNo.17■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌12』(2001)

〔アプローチ〕「3日も会えないんだから」と、みち子さんの寝込みを襲うハマちゃん。いざ!という時に「プロレス?」と無邪気に鯉太郎(推定3歳)が起きてきて……。

〔成否〕未遂

〔合体演出〕ガラスが割れる音とともに、砕け落ちる「不合体」の文字。

〔ラブラブ度〕♡♡

〔寸評〕結果的には「不合体」ながら、上半身裸のハマちゃんが、みち子さんのシルキーなパジャマを脱がそうとする光景は、「合体」史上最高の生々しさ。

■ファイルNo.18■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌13』(2002)

〔アプローチ〕スーさんのいる前で熱い抱擁と接吻を重ねる2人。スーさんが呆れて帰った後、部屋の灯りが消えて……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕ガラスが割れる音とともに、誇らしげに光る「合体」の文字。バックに流れるはサカリのついた猫の鳴き声。

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡♡

〔寸評〕こ、これ!みち子さんまで、はしたないっ!ハマちゃんはともかく、良妻賢母な浅田版みち子さんのイメージ崩壊シーンでした。

■ファイルNo.19■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌14』(2003)

〔アプローチ〕みち子さんが死んだことにして、忌引休暇を得ようと目論むハマちゃん。突然、ムーディーなBGMとライトに包まれ、「アタシ、ハマちゃんに殺されるなら本望だもの」とみち子さん……。

〔成否〕成功

〔合体演出〕ゴールドからショッキングピンクに輝きを変えて妖しく光る「合体」の2文字

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡

〔寸評〕悪ノリみち子さん、およびコント色の濃い「合体」に強い違和感を禁じ得ない。

■ファイルNo.20■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌15』(2004)

〔アプローチ〕鯉太郎の父親参観で教室を間違えたハマちゃん。怒るみち子さんに弁明かたがた甘えてみるも、「釣り1ヶ月禁止か、『合体』1ヶ月禁止かどっちか選んで!」と逆にペナルティを突き付けられて…。

〔成否〕未遂(そもそもハマちゃんに合体の意志はなかったかも)

〔合体演出〕小魚の群れの人文字(魚文字?)でアニメーション的に「不合体」

〔ラブラブ度〕

〔寸評〕みち子さんの口から「合体」という単語が出たのは、後にも先にも今回だけ。ハマちゃん由来では、父親参観での魚類解説時(「釣りバカ15」)、「夕食時間と合体時間が一緒になるといいんだけど……」(「釣りバカ18」)や、頼まれて色紙に書いた「合体」(「釣りバカ6」)などがある(「花のお江戸~」の笹野ナレーションは除く)。普段から夫婦間では隠語として使っているのだろうか。

■ファイルNo.21■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌16』(2005)

〔アプローチ〕橋の連結式に出席予定のハマちゃん。今夜はみち子さんとの連結式~。「イッてきま~す!」

〔成否〕成功

〔合体演出〕花火の効果音をバックに「連結式」から「合体」へ。

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡

〔寸評〕近作に散見されるコント仕立ての演出。夫婦のリアリティーが感じられず残念。

■ファイルNo.22■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌18』(2007)

〔アプローチ〕湯上がりパジャマ姿のみち子さんに興奮するハマちゃん。岡山行きを控えているためか「キレイな桃じゃ。キレイな桃だ。いただきまーす!」とみち子さんの桃尻を?

〔成否〕成功

〔合体演出〕大きな桃がパッカーンと割れて、中から桃太郎ならぬ「合体」の2文字

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡♡

〔寸評〕パッカーンのオンギャー的な演出ながら、懐妊や出産には至らず。チト紛らわしい演出。

■ファイルNo.23■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌19』(2008)

〔アプローチ〕スーさん、ハチ、鯉太郎と1階の居間に勢揃いした状況で、2階で大胆にもハマちゃんがみち子さんに無理矢理迫る(ただし声だけ)。

〔成否〕成功

〔合体演出〕ゴールドの「合体」が湯気のようにクネクネして消えてゆく。

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡♡

〔寸評〕この時、鯉太郎、中学生か。情操教育に良くないぞ。はたまた浜崎家の大胆な教育方針か。

■ファイルNo.24■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌ファイナル』(2009)

〔アプローチ〕枕を並べていいムードだったが「ナイチンゲールみたいな人だと思った」というハマちゃんのひと言が、みち子さんの気に障り「私、ナイチンゲールじゃないし」……。

〔成否〕未遂

〔合体演出〕「これじゃアルチンボーイだよ~」というハマちゃんの意味不明な下ネタとともに「不合体」

〔ラブラブ度〕

〔寸評〕約束を反古にしてまで、みち子さんの「合体」拒否する理由が不可解。ハマちゃんじゃなくてもスネちゃうぞ。

■ファイルNo.25■

〔登場作品〕『釣りバカ日誌ファイナル』(2009)

〔アプローチ〕とくに理由も脈絡もなく、ケモノのように興奮してみち子さんに迫るハマちゃん。「も、も、もうっ、いただきまーす!」

〔成否〕成功

〔合体演出〕「最高でーす!」なるハマちゃんの歓喜の絶叫つき。

〔ラブラブ度〕♡♡♡♡♡

〔寸評〕サービス満点、ビーストモード全開のラスト「合体」。ハマちゃん、みち子さん、お疲れさま~。

成功率:6割5分2厘! 全「合体」データとその傾向

甚だ大きなお世話とは思いながら、全「合体」シーンを洗い出してみた。諸データをまとめると以下のとおり。

【全「合体」機会 】25回(全22作中)
【「合体」無し作品】「釣りバカ9」「釣りバカ10」「釣りバカ17」
【「合体」複数作品】「釣りバカ日誌」(3回)、「釣りバカ3」(2回)、「花のお江戸」(2回)、「釣りバカ11」(2回)、「釣りバカファイナル」(合体1回、不合体1回)

【成功】17回(うち石田6回、浅田9回、花のお江戸2回)
【未遂】8回(石田4回、浅田4回)
【成功率】6割5分2厘(石田6割、浅田6割9分2厘) ※分母に「花のお江戸」含めず

成功率6割5分2厘は2022年のヤクルト村上宗隆の得点圏打率(3割5分)をはるかに凌ぐ高アベレージ。ハマちゃん、夜のバットは猛打賞だ。

また、近所の奥さんから「お宅は週何回?」と下世話な質問をされたら、このデータを参考に、「『釣りバカ』のハマちゃんちは、あしかけ22年でのべ17回よ」と返してあしらおう。

次に「合体」の傾向について。ひと口に「合体」と言っても、さまざまなパターンがあり、

【子づくりに励むアツアツ合体】(ファイルNo.1、2、4、5、6、12、18、22、25)
【来客時のコソコソ合体】(ファイルNo.3、22)
【産前産後ガマンの不合体】(ファイルNo.7、8)
【育児中のヒヤヒヤ合体(不合体)】(ファイルNo.9、10、17)
【マンネリ回避のおふざけ合体】(ファイルNo.15、16、19、21)

てな具合に分類できよう。

あらためてみてみると、

新婚当初は熱く回数を重ね
産前産後はガマンが続き
子供が育てば子の眼を気にしながら
マンネリ気味になったら工夫して

という幸せな夫婦の極フツーのライフサイクルが見て取れる。

「合体」はフツーの幸せの体現なのだ

で、つまるところハマちゃん&みち子さんの「合体」シーンって、どんな意味があるのだろうか。そこを鮮明にするために、唐突だが「合体」シーンとAVとを比較してみる。

「合体」シーンとAV、どちらも男女の営みを映像化したものだが、よくよく比べると大きく違う。AVで描かれる営みは、過度に刺激的で、非日常的で、ときに変態的だ。その点、「合体」はどうだろう。どれもこれも等身大で、身に覚えのあるフツーの営みではないだろうか。

また、AVを観て性的な快感は得られても、作中の男女から幸せを感じることはまずない。一方、ハマちゃん&みち子さんの「合体」シーンは、観るたびに幸せな気分を共有できる。

「フツーの幸せって何?」

そう問われて、人は時としてその答えに迷い、どこかにその答えを求めてしまう。

そんなとき、答えをハマちゃん&みち子さんの「合体」シーンに求めてみるのもアリかもしれない。だって、ハマちゃん夫妻の「合体」は、フツーの幸せの体現に他ならないのだから。

合体ばんざーい!!!

ハマちゃん&みち子さんの「合体」は@自宅のみ。写真は鶯谷のラブホ街。ラブホの数だけ「合体」があり、「合体」の数だけ幸せがある、と信じたい。
ハマちゃん&みち子さんの「合体」は@自宅のみ。写真は鶯谷のラブホ街。ラブホの数だけ「合体」があり、「合体」の数だけ幸せがある、と信じたい。

文・撮影=瀬戸信保 イラスト=オギリマサホ

止まらない円安、上がる物価、上がらない賃金……とかく世の中、暗い話題ばかり。そんな浮き世の憂さをスカーッと晴らしてくれるのがコレ!国民的喜劇シリーズ『釣りバカ日誌』!この連載では、「釣りバカ」鑑賞に役立つ基礎知識や、ちょっと役立つかもしれないはみ出し情報、たぶん滅多に役立たないであろうマニアックネタまで、大漁、豊漁、大物も雑魚も盛り合わせで直送します。初回は主人公·ハマちゃんの自宅の所在地がテーマ。どんな釣果が上がるかお楽しみ。とりあえずは元気に歩こうぜー!
年がら年中、ほぼ金欠状態と言える我らが寅さん。そんな寅さんに妹・さくらはときにはそっと、ときには呆れつつ、そしてときには怒りをにじませながら、援助の手を差し伸べる。では、さくらはシリーズを通していったい総額でどれくらいの援助をし、その金はどれぐらい還ってきたのだろうか? 他人の財布のなかを探るなんざあ、はなはだ野暮で下世話な所業だが、さくらと寅さんの金銭関係を覗いてみたい。イラスト=オギリマサホ
「なんだよ。お前も面白くもなんともない男だなあ」(第10作)と、寅さんに言われるまでもなく、大多数の『男はつらいよ』ファンは、さくらの夫・諏訪博(演:前田吟)はつまらないヤツだと思っていることだろう。なぜここまで博はつまらないのか。今回は、全セリフ全シーンを検証し、博のつまらなさはどこから来るのか、そしてその意味するものは何かを考察してみる。イラスト=オギリマサホ※第1作目「あんた、女の人に惚れたことが……」という時の博。その後駆け出して行って、さくらのもとへ行き「僕の部屋からあなたの部屋の窓が見えるんだ」に続く。
「寅のアリア(独唱)」。映画『男はつらいよ』のスタッフからそう呼ばれていたシーンがある。想像かき立てる表現力、ツボを押さえた口真似、独特の着眼点などを駆使した寅さんの長セリフのことだ。落語に滑稽噺や人情噺等のジャンルがあるように、「寅のアリア」も、笑いあり涙あり含蓄(がんちく)ありテクニックありとバラエティーは豊富。知れば知るほど、寅さんワールドは広がってゆく。この映像化された稀代の話芸を隅から隅までズズズイッとお楽しみあれ。