小麦が香る自家製麺の旨さを堪能せよ
「何を注文しようかな?」と、メニューや告知が貼られた壁面を見る。麺の量が細かく表示してあるほか、おみやげや宅配の告知も目立つ。人気はつけそば900円ということなので注文した。
目の前に出された丼に盛られているのは真っ白なうどんのような麺。どんな食感なのかワクワクと期待が増してくる。「添加物を加えず、毎日食べても飽きない麺を追求した結果、この麺が生まれました」と古川さん。自家製麺で、小麦の風味が豊かで、まさにうどんのような食感でモチモチとしている。ツルッと喉ごしもよいから並460gでもなんなく食べられる。
スープは豚骨や鶏ガラ、魚介などを合わせたWスープ。山椒がフワッと口の中に広がり、やや酸味があるのも特徴だ。濃厚な味わいというより、すっきりと醬油の風味があり、それでいてコクもしっかり感じられバランスがとれている。
チャーシューはほろほろとした食感で、スープの旨みをしっかり含んでジューシーで滋味深い。シャキシャキ食感の刻みネギもアクセントがきいている。麺を食べ終えたらスープ割りをもらって最後まで飲み干した。
親から子へ受け継がれる味
店は、脱サラした古川さんが、2001年に夫婦2人でオープンした。今は2代目となる息子さんも厨房に立ち、修業中だ。息子さんは「お店に入って1年ぐらいなんです。まだ勉強中の身でありますが、父の味を守り続けていけたらと思っています」と話す。
この日はお母さんと2人で切り盛りしており、調理は息子さんだけに任されている日も多くなってきているようだ。時々、お嫁さんもお手伝いするということで、若夫婦に任される未来もそう遠くなさそうだ。
醬油風味強いガッツリあぶらそばも大人気
B麺(あぶらそば)900円も人気メニュー。麺はつけそばと同じものを使用しており、タレがしっかり絡んでいる。油感はやや控えめで、濃厚で香ばしい秘伝の甘辛醬油ダレはずっしりと重厚感を感じる。刻みネギやチャーシュー、メンマや茹でモヤシを絡めながら味わえば、食感も変わるので食べやすい。
夜になると塩つけ899円、1~5段階で辛さを選べる激辛つけ、激辛らーめん、激辛Bめん各1000円が限定メニューとして登場するので、夜もまた足を運んでみたくなる。
取材・文・撮影=千葉香苗、構成=アド・グリーン