名店で修業し生み出した究極の1杯を

間口は狭いのだが、一歩足を踏み入れると奥行きがある店内が広がる。
間口は狭いのだが、一歩足を踏み入れると奥行きがある店内が広がる。

長い行列があるが、先に店内で食券を購入してから並ぶようになっている。

店主の花田秀治さんは、西武新宿線野方駅にある味噌ラーメンの名店『味噌麺処 花道庵』(旧味噌麺処花道)で修業し、2010年に独立しこの店をオープンした。開店以来、池袋で味噌ラーメンというとこの店の名があがるほどの評判となり、連日行列ができている。

花田さんが厨房で一心不乱に鉄鍋を振るう姿は、ラーメン職人としての粋を感じる。
花田さんが厨房で一心不乱に鉄鍋を振るう姿は、ラーメン職人としての粋を感じる。

食材の旨みが凝縮したコク味噌スープが絶品!

たっぷりのネギやもやしなどに、やわらかなチャーシューとボリュームも満点。
たっぷりのネギやもやしなどに、やわらかなチャーシューとボリュームも満点。

注文したのは、味噌930円。卓上の調味料で後から味変もできるので、まずは基本となる味で試してみよう。

鉄鍋で、ラードで野菜を炒めながらスープを加えていく。こうすることで野菜自体の旨みを引き出し、スープにコクを与える。鉄鍋をカンカンと軽快にふるう音を聞きながら、できあがりを待つ。

スープは厳選したゲンコツ、鶏ガラ、モミジなどをじっくり煮込み、さらに豚足と背脂を加えるためクリーミーでかなり濃厚だ。塩けのある赤味噌とまろやかな白味噌をブレンドした味噌ダレを使い、飲み口もマイルドな仕上がりになっている。

ニンニクがフワッと香る麺が見えないほど濃度もあるスープ。
ニンニクがフワッと香る麺が見えないほど濃度もあるスープ。
三河屋製麺に特注で作ってもらっている中太麺。
三河屋製麺に特注で作ってもらっている中太麺。

特注の中太麺は、うどんに近い食感でシコシコと歯ごたえがある。スープ全体の旨みをすべて絡め取って、麺だけでもお腹いっぱいになる。小麦の風味も高く、すするというよりしっかり噛んで味わう麺だ。

平日のランチタイムには小ライスが無料となるのもうれしいサービス。ラーメンをおかずにしたり、残ったスープで雑炊風に食べたり自由自在だ。卓上には一味唐辛子や酢、コショウと味変アイテムも充実。辛味やさっぱり感など自分好みに調整して味わいたい。

ホロホロと柔らかい豚バラのロールチャーシュー。
ホロホロと柔らかい豚バラのロールチャーシュー。

幅広いメニューで味噌味を楽しむ

L字カウンターで囲まれる厨房からは、野菜を炒めるいい匂いが刺激となって食欲がそそられる。
L字カウンターで囲まれる厨房からは、野菜を炒めるいい匂いが刺激となって食欲がそそられる。

野菜大盛り、ニンニク増しが無料ということで、8割が男性客。事前に言えば紙エプロンもサービスしてくれるので、服を汚す心配をせず味わえる。

味噌つけめんや辛味噌つけめん、味卵辛味噌チャーシューなどバリエーションに富んだ味噌ラーメンメニューが用意されているので、味噌に抵抗がある人もお気に入りの1杯が見つかるだろう。

味噌一筋。そのおいしさを追究した1杯は、味噌ラーメンの極みともいえる。ガッツリコク味噌の味にハマること間違いない。

住所:東京都豊島区東池袋1-23-8 東池袋ISKビル1F/営業時間:11:00~22:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅から徒歩5分

取材・文・撮影=千葉香苗、構成=アド・グリーン