令和、最後の楽園が蒲田に
楽園と言い切る一番の証拠は、そこかしこにある。例えば、ここの店長は店の元常連客だ。「元々飲み歩くのが好きで。別のサービス業をやっていたんですけど、ここの味と店の雰囲気に惚れ込んで、転職しました」と店長。なんとも嬉しそうな顔をしながら語ってくれる。
店名が入った暖簾よりも、存在感を放つ“令和最後の楽園”の看板。開店と同時にお客が流れ込み、平日でも19時前にはこぢんまりとした店がギュウギュウ。ご常連も多く、皆勤賞を狙う大物もいるという。満員にみえても、ご好意によってなんとかなることもあるので(むりやりはダメよ)、思いきって飛び込もう。
肉厚!! レバカツ串で3冷ホッピー
『レバーランド』はその名の通り、レバーが名物。“目指せ蒲田名物!! 否。日本の名物!”と銘打たれた、肉厚!! レバカツ串、白レバー鉄板焼き、白レバーネギ塩のっけ、の三大レバーメニューは注文必須の逸品だ。
手はじめにレバカツとアボカドのりわさびを注文。
こちらで使用する豚レバーは生レバーを提供していた頃と同じ品質で、毎日芝浦から仕入れているのだそう。肉厚!! レバカツ串にかぶりつけば、ソースの味と濃厚なレバーが口の中で溶け合い、ぐんぐん酒がすすんでいく。
お酒とレバーという最高のコンビが潤滑油になって、スタッフとお客のコミュニケーションも活発。和風なアボカドもつまみつつ、周りの話し声に耳を傾けてみる。
焼酎、ホッピー、グラスの3つが完璧に冷えた3冷ホッピーは、シャーベット状になるほどキンキン。溶けるまで待ちきれず、食べるようにして飲み干してしまう。
待ってました、白レバーネギ塩のっけ
鉄板をたたく心地よい音が聞こえて、じきにやってくるのは「白レバーネギ塩のっけ」。鶏の白レバーは特定の業者から仕入れる。焼き加減は、店長の腕の見せどころだ。
鉄板焼きの白レバーにねぎとゴマとごま油。ほどよくレアに焼き上げられた白レバーは、口に含むとぷちんと弾けてとろけていく。
美味しすぎて、おかわりするお客さん、ここでしか白レバーを食べられない常連さんなど、中毒者続出なのも納得の逸品だ。
他にも、とろとろの鉄板!!だし巻き玉子や、低温調理のモツ刺しなど、ホッピーの中と外をエンドレスで頼んでしまいそうなメニューが揃っている。
「僕も仕事帰りにここでお酒を飲んで、スタッフや常連さんにパワーをもらっていました。ここで楽しく酔っ払って、元気になってもらえればうれしいですね」と店長。『レバーランド』で乾杯すれば、心も体も充電MAXで明日を迎えられそうだ。
『レバーランド』店舗詳細
取材・文・撮影=福井 晶