令和、最後の楽園が蒲田に

楽園と言い切る一番の証拠は、そこかしこにある。例えば、ここの店長は店の元常連客だ。「元々飲み歩くのが好きで。別のサービス業をやっていたんですけど、ここの味と店の雰囲気に惚れ込んで、転職しました」と店長。なんとも嬉しそうな顔をしながら語ってくれる。

店名が入った暖簾よりも、存在感を放つ“令和最後の楽園”の看板。開店と同時にお客が流れ込み、平日でも19時前にはこぢんまりとした店がギュウギュウ。ご常連も多く、皆勤賞を狙う大物もいるという。満員にみえても、ご好意によってなんとかなることもあるので(むりやりはダメよ)、思いきって飛び込もう。

肉厚!! レバカツ串で3冷ホッピー

3冷ホッピー560円(写真の赤は+120円)、肉厚!!レバカツ串180円、アボカドのりわさび300円 
3冷ホッピー560円(写真の赤は+120円)、肉厚!!レバカツ串180円、アボカドのりわさび300円 

『レバーランド』はその名の通り、レバーが名物。“目指せ蒲田名物!! 否。日本の名物!”と銘打たれた、肉厚!! レバカツ串、白レバー鉄板焼き、白レバーネギ塩のっけ、の三大レバーメニューは注文必須の逸品だ。

手はじめにレバカツとアボカドのりわさびを注文。

こちらで使用する豚レバーは生レバーを提供していた頃と同じ品質で、毎日芝浦から仕入れているのだそう。肉厚!! レバカツ串にかぶりつけば、ソースの味と濃厚なレバーが口の中で溶け合い、ぐんぐん酒がすすんでいく。

お酒とレバーという最高のコンビが潤滑油になって、スタッフとお客のコミュニケーションも活発。和風なアボカドもつまみつつ、周りの話し声に耳を傾けてみる。

焼酎、ホッピー、グラスの3つが完璧に冷えた3冷ホッピーは、シャーベット状になるほどキンキン。溶けるまで待ちきれず、食べるようにして飲み干してしまう。

待ってました、白レバーネギ塩のっけ

鉄板をたたく心地よい音が聞こえて、じきにやってくるのは「白レバーネギ塩のっけ」。鶏の白レバーは特定の業者から仕入れる。焼き加減は、店長の腕の見せどころだ。

白レバーネギ塩のっけ420円
白レバーネギ塩のっけ420円

鉄板焼きの白レバーにねぎとゴマとごま油。ほどよくレアに焼き上げられた白レバーは、口に含むとぷちんと弾けてとろけていく。

美味しすぎて、おかわりするお客さん、ここでしか白レバーを食べられない常連さんなど、中毒者続出なのも納得の逸品だ。

他にも、とろとろの鉄板!!だし巻き玉子や、低温調理のモツ刺しなど、ホッピーの中と外をエンドレスで頼んでしまいそうなメニューが揃っている。

「僕も仕事帰りにここでお酒を飲んで、スタッフや常連さんにパワーをもらっていました。ここで楽しく酔っ払って、元気になってもらえればうれしいですね」と店長。『レバーランド』で乾杯すれば、心も体も充電MAXで明日を迎えられそうだ。

『レバーランド』店舗詳細

住所:東京都大田区西蒲田7-49-12 辻村ビル1F/営業時間:17:00~翌1:00(LO24:00)/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩5分

取材・文・撮影=福井 晶