広々としたリノベカフェ
『from afar』は古い印刷工場をリノベーションした田原町駅近くのカフェ。墨田区東駒形にあった『from afar 倉庫01』が現在の地・台東区寿へ移転し、『from afar』としてリニューアルオープンした。
お店を構えているのは1964年に建った無骨でレトロなビルの1階。「より多くの方に利用していただきたく、今の場所に移転しました」と言う店長の宇佐見さんの言葉が示す通り、とにかく広い。50席、いやもっとあるだろうか。フロアは木製のクラシックなインテリアで統一され、落ち着いた雰囲気。どこを切り取っても絵になるので思わず見渡してしまう。
お店の中はシックなムードで満たされているけれど、敷居が高い感じではなく、自然と心が落ち着くような空間。よく見ると不思議なアイテムがさりげなくちりばめられていて、ちょっと楽しい気分にもなる。
少しずつ大事に味わいたいデザートとドリンク
定番で用意しているほうじ茶のテリーヌショコラは、世界中のパティシエから愛されるヴァローナというフランスのブランドのチョコレートを贅沢に使用し、ほうじ茶の風味とともに濃厚な味を楽しめる一品。少しずつ大事に味わいたい。
コーヒー、エスプレッソ、ソフトドリンク、紅茶などのドリンク類も豊富。コーヒーは自家焙煎の豆を使い、ブレンド用とエスプレッソ用でそれぞれ合うように変えているのだそう。
下町に溶け込み「あったらうれしい」と思うカフェ
お店の名前の意味は「遠くから(from afar)」。海外にルーツを持つオーナーのため、そう名付けられた。オーナーは『from afar』を運営しつつ、近隣でさまざまなお店を展開している。焼き菓子の専門店や生活雑貨のお店、洋服のお店、パン屋など、どれも街にとって必要なものや不可欠なものでなくても、あったらうれしいものばかりだ。散歩をするだけで楽しい街って、きっとそういう場所がたくさんある街のことなのかもしれない。
構成=フリート 取材・撮影・文=宇野美香子