人気が高じて当日のみの予約制。指定の時間まで、しばし散歩へ
浅草『紅鶴』は飲食店や土産物店が並ぶ浅草国際通りに店を構えている。間口は小ぢんまりとしているが、パンケーキをお目当てにたくさんの人が訪れるという。
あまりに人気のため、『紅鶴』では当日のみの予約制をとっている。お店へ足を運び予約をして、指定の時間に入店するシステムだ。
受付がはじまるのは朝8時30分。その数分前にお店へ訪れたところ、すでに何組かのお客さんが待機しているようだった。期待に胸を膨らませながら予約。一番早い10時の入店でお願いをした。朝の静かな浅草を散歩してお腹をすかせておこう。
カウンターでいただくフワフワぷるぷるのパンケーキ
入店してみると、思ったよりも広い。オープンと同時にゆったりとしたカウンターにどんどんお客さんが着席していく。
パンケーキはスイーツ系と食事系が並ぶ。「蜂蜜とバター」、「大納言と黒蜜の黄粉抹茶」もいいな、「ベーコンと目玉焼き」はきっと甘くないやつだな、季節の限定パンケーキもおいしそう……。
迷いに迷って「炙りバナナのチョコナッツソース」と「柑橘果実のカスタードソース」を選ぶ。ここはトッピングもしておこう。「炙りバナナ」にホイップクリームを、「柑橘果実」のほうにはバニラアイスをお願いします!
老若男女を虜にするパンケーキは見た目もお味も大満足!
とろりとしたカスタードソースがこれでもかとかかっていて、さっぱりとした生地に甘さとリッチなコクをプラス。ピンクグレープフルーツの酸味が絡めばさらに食欲が増すこと間違いなし。
「炙りバナナのチョコナッツソース」は、チョコソースのかかった生地とバナナ、ナッツを少しずつとって、まずはいっぺんに味わってほしい。食材の抜群の相性に驚く。軽やかな生地、ザクザクとしたナッツ、ねっとりと甘いバナナの食感がいい感じ。
どちらも目の前にするととんでもない迫力!写真に撮って自慢したくなるような盛り付けは美しく、メレンゲを含んだ生地がぷるぷると揺れる様子に心も躍る。見た目はこってり。でも生地は溶けるような軽い口当たり。『紅鶴』のパンケーキは小麦粉ではなく米粉を使っているのだそう。
「米粉なら重たくないから食べやすいでしょ。男性も女性も、年配の人も子どもさんも、いろいろな人が楽しめるからね」。さっぱりとした口調で教えてくれたのは店主の蒔田さん。
蒔田さんは親の代から受け継いだ喫茶店「フラミンゴ」を2017年に『紅鶴』にリニューアル。お客さんが押し寄せる予約制のお店へと生まれ変わらせた。
「パンケーキは作り置きができないから大変。冷めたらおいしくないからね。たくさん作れなくて申し訳ないよね」と言うが、それでも“わざわざ食べたいパンケーキ”なのだ。『紅鶴』はすっかり浅草の名所となっている。
構成=フリート 取材・文・写真=宇野美香子