2階建ての一軒家は北千住初の“美容室×カフェ” だった!
『一軒家カフェ □□□(シカク)』は、カフェラテ専門のちょっと珍しいカフェ。駅に近い立地ながら隠れ家的雰囲気をまとうのは、細い路地裏にあるためか。
実はこのカフェ、2階にある美容室『s:;cre(スクレ)』併設のカフェなのである。2020年1月に、美容師でもあるオーナーの佐山雄司さんが北千住で初めての“美容室×カフェ”としてオープンした。もちろん、カフェのみの利用もOKだ。
ワクワクすることが好きな美容師が立ち上げた新感覚カフェ
それにしてもなぜ、美容室がカフェをオープンしたのか? そのきっかけを佐山さんに伺った。
「美容室でつながる人と人とのコミュニケーションを、もっと広げたかったという想いがあった。美容室にいらっしゃるお客様にはいろんな職業の方がいて、クリエイターも多い。その方たちとコラボしてイベントができるスペースが欲しかったというのもあります」とのこと。
もともと人を喜ばせたり、人と一緒に楽しいことを体験することが好きで、美容室だけじゃなく何か新しいことができないかと考えていた。そこでカフェをオープンしようとなったが、いわば異業種参入。しかもカフェラテ専門店。
オープンまでの準備期間にはスタッフとともに自身もバリスタに師事し、豆の知識や淹れ方、ラテに欠かせないラテアートの技術を習得するための研修を受けた。
「お客様にお出しするからにはちゃんとしたものを提供しなければいけないので、すべて1から勉強をしました。ラテアートを描くには技術があって、クレマとミルクの層のバランスだとかミルクのフォームの作り方とが大事で、そういう知識を知ったうえで何回も練習して習得しました。ここは美容師でいう技術にちょっと近いものがあるのかなって」。オープン当初には、佐山さんもカフェに立った。
おすすめは季節のラテ。可愛いラテアートは飲むのが惜しい!
古い一軒家をリノベーションした店内はカントリーな木のカウンター席のほか、奥の小部屋のようなスペースに2人掛けのテーブル席2卓と、壁に向かって置かれた1人掛けの席が1卓。そして普通のカフェとちょっと違うのは、美容室のお客さんが手荷物を預けるロッカーが置かれているところ。
せっかくのラテ専門店なので、ほかでは飲めない珍しいラテを飲みたいと思いスタッフの方に聞くと、ポップコーンラテをすすめられた。ん? ポップコーンをコーヒー豆のように挽いて淹れるの? いや、ラテにポップコーンを浮かべるのか?
……と、一瞬そう思ったがそうではなく、ラテ用のポップコーンシロップを使ってポップコーン風味を楽しむラテなのだそう。なるほど、香ばしいポップコーンの味がする。あまりに美味しくて、あっという間に飲み干してしまった。こんなにかわいいラテアートを、あっという間に⁉ とご心配なかれ。もちろん、可愛いラテアートはしっかりスマホで撮影済み。ご安心を。
そしてせっかくなので、もう1杯。おすすめの季節のラテ「ほうじ茶ラテ」に、チョコレートソースをトッピングして「ほうじ茶モカ」にしていただく。口に含んだ瞬間、フワッとほうじ茶の香りが広がる。チョコレートソースの濃厚な甘さが、茶葉の香りと後味で引締まった味わいに。今度はゆっくりと堪能した。
お話を伺ったなかで佐山さんの「人を喜ばせること、人とのつながりを大切に一緒に楽しむということで美容室とカフェはマッチする部分がある。美容室の秘めた可能性を追求したい」という言葉が印象に残った。美味しいラテと一緒に、ワクワクする気持ちもいただいた。ごちそうさまでした。また来ます!
取材・文・撮影=京澤洋子(アート・サプライ)