舞浜リゾートエリアを抜けて舞浜ユーラシアへ
舞浜駅南口は、『東京ディズニーランド』や『東京ディズニーシー』の最寄り駅になっているので華やいだ雰囲気がある。駅前ロータリーに面して立つ複合商業施設の『IKSPIARI(イクスピアリ)』の円形の建物を目印に交差点を左折するとヤシの並木が連なる道となる。左側はカラフルな建物が立ち並ぶ『IKSPIARI』、右側の背の高い木が茂る内側は『東京ディズニーランド』。レジャー気分満載のこんな道なら歩いていても楽しい。浦安市運動公園に突き当ったら、左から回り込むように歩けば、やがて『SPA&HOTEL舞浜ユーラシア』が見えてくる。
『SPA&HOTEL舞浜ユーラシア』は、その名のとおり、ホテルに併設された温泉施設。新館と本館の2棟が立つがSPAがあるのは本館のほう。エレベーターで3階へ行き、フロントで入館料を支払い、レンタルタオルと館内着を受け取る。
ここを利用するなら会員になることをおすすめする。入館料は平日2100円だが、会員(年会費510円)になれば1300円になるので、年会費を払っても300円ほどお得になる。さらに岩盤浴は700円も割引になる。当日から元が取れるのだからこれを見逃す手はない。
木々に囲まれた源泉かけ流しの露天風呂
浴室は4階にあり、男女の浴室や浴槽の造りは若干異なるが男女合わせて22種類の温浴施設を備えている。地下1700mから湧き出る天然温泉は黄褐色の含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉。源泉かけ流しの露天風呂をはじめ、流れる源泉の上に仰向けに寝ながら浸かる寝転び湯、内風呂のぬる湯などで温泉を楽しめる。
男湯の露天エリアにある三深(さんしん)の湯は、水深1m、60cm、50cmという深さの異なる3つの浴槽があり、ここ1カ所で全身浴や半身浴を楽しめる。女湯には温泉濃度を50%に希釈した露天ヒノキ風呂があるので、源泉風呂との湯触りの違いを楽しんでみよう。
内風呂にある白湯のアトラクションバスは、ジャグジーのマッサージ剌激でリラックス感やリフレッシュ感が得られる。37~38℃のぬる湯になっているので、長湯好きにはここがおすすめだ。内風呂と露天風呂合わせて男女別に各7種類の浴槽があるので、湯船のハシゴが楽しい。
国内でも珍しいケロサウナはフィンランド発のログハウス風サウナ
『SPA&HOTEL舞浜ユーラシア』で注目したいのが4タイプあるサウナ。なかでも珍しいのが日本に数カ所しかないというケロサウナだ。ケロとはフィンランド北部で採れる木材で、立ち枯れした松の木が、さらに40年以上経ったもの。希少性が高く、高価なことから“木の宝石”とも呼ばれている。
このケロの木を現地で粗加工した後、1カ月以上かけて船で日本に運び、現地から招聘した2名のフィンランド人のサウナビルダーが当地で造ったのだという。
ケロサウナはログハウス風の部屋で、重厚な扉を開けた瞬間からほのかに甘い香りが漂う。ケロ材の香りにはリラックス効果があり、室温を70℃前後にしているので、高温サウナと違って鼻呼吸することができるため、香りを楽しむことができるのが特徴だ。
このほか、高温タイプのフィンランド式サウナ、壁から発する熱で温められた部屋の中にアロマの香りの蒸気が広がる蒸気浴カルダリウムなど趣向の異なるサウナを備えている。
ドーム風呂ハンマムはトルコの蒸し風呂をイメージしたもので、総大理石のドーム状の室内は身体に負担の少ない約36℃に設定され、ゆったりとくつろぎながらリラックス効果が期待できる。男湯は水曜のみ、女湯は水曜を除く日に利用できる。
これだけタイプの異なるサウナを備えているところは珍しく、サウナーの間では評判なのだという。サウナで汗を流したら19℃に設定されている水風呂でクールダウン。露天エリアに出て外気浴をすれば、気持ちよくととのうことができる。
岩盤浴とビューサウナを組み合わせてワンランク上の湯浴みを
本館5階にある岩盤浴「ポンペイ」は、毎時30分開始、50分間入れ替え制(当日入館後受付、利用は中学生以上)。42~43℃に温められた天然鉱石盤の上にバスタオルを敷いて横になれば石盤から伝わる熱で発汗作用が促進され、体内洗浄作用(デトックス効果)が期待できるという。多くの施設に導入されているが、混んでいて順番待ちができることも多い。でもここは完全予約制なので順番待ちはなく、ゆったり利用できるのもうれしい。
岩盤浴と合わせて利用したいのが「ビューサウナ」。サウナというと窓がない閉鎖的な空間をイメージするが、ここは壁面がガラス張りになっているので東京ディズニーリゾートも望める。72℃くらいなので息苦しさもなく、無理なく汗をかける。岩盤浴~ビューサウナ~岩盤浴という利用法がベストだ。
湯上がりのお休み処やアメニティも充実
湯上がりは5階でひと休み。「休憩スペース リクライニング」は座り心地抜群のテレビ付きリクライニングチェアがあり、窓の向こうに見える緑に癒やされる。仮眠もできるリラックスルームには男女共有と女性専用のスペースがあり、本格的なリラクゼーションシートで休むことができる。このほか、雑誌や漫画が読み放題の休憩処や、舞浜エリアを一望することができる屋上エリアの休憩スペースもあり、お好みのスペースで湯上あがりのひと時を過ごせる。
更衣室に併設された半個室型のパウダールームは、ほかの客を気にせずに利用できると女性に好評。クレンジングから化粧水、ボディミルクまでアメニティも一式そろっているので手ぶらで来てもOKだ。
「舞浜リゾートの景色を楽しみながら手ぶらで温泉を堪能していただけます。ランニングステーションとしてもご利用いただけますのでお気軽にお立ち寄りください」とはスパ担当の丸山千晴さん。「隠れた人気スポットになっているのがスパ棟の最上階にある屋上テラスです。視界を遮るものがないので、都内の高層ビル群や東京スカイツリーも望めます。東京ディズニーリゾートで打ち上げられる花火のビュースポットとしても人気ですよ」と教えてくれた。
リゾートホテルに併設ということもあり、施設やサービスのクオリティが高く、ワンランク上の癒やしを体験できる。朝まで利用する場合、別途、簡易宿泊料金1570円がかかるが、東京ディズニーリゾートで遊ぶときの格安宿泊施設として利用することもできるので便利だ。
取材・文=塙 広明 写真=SPA&HOTEL舞浜ユーラシア