2021年8月 お台場「大江戸温泉物語」

若い男女で賑わう、都心の数少ない癒やしの施設

2003年に開業し、お台場で、江戸情緒を感じながら温泉を楽しめた「大江戸温泉物語」。全国で展開する「大江戸温泉物語」の先がけであり、日本一の元祖温泉テーマパークとして国内外から年間100万人もの客を集める人気の施設であった。しかし、東京都との再契約ができず、2021年9月5日をもって閉館してしまった。

江戸の町で縁日を楽しめるメインストリートでは、ゲームに軽食、お土産の屋台が並び、浴衣姿でそぞろ歩き、さらにカップルや友達、家族と入れる足湯庭園、温泉は褐色の大浴場に露天風呂、充実した食事処、ボディケアからエステに岩盤浴、広大なスペースの休憩処、宿泊までできる自慢の宿、と一日たっぷり楽しめる大充実の施設だった。閉館間際ということもあってか、平日にもかかわらず、館内は浴衣姿の若い男女で大いに賑わっていた。都心の数少ない癒やしの施設として人気もあっただけに、無くなってしまったのは残念である。

2021年10月 「東急ハンズ池袋店」

ハンズの都内主要店では初の閉店

1984年(昭和59年)オープンの「東急ハンズ池袋店」が、10月31日に37年の歴史に幕を下ろし、閉店した。売り上げの減少と建物の老朽化によるもので、ハンズの都内主要店では初の閉店である。サンシャインシティの入り口にあり、多くの若者たちでいつも賑わっていた。1999年、この前で通り魔殺人事件が起きるという悲しい出来事もあったが、池袋の待ち合わせ場所としても定番だった。8つのフロアで構成され、8階の「ねこぶくろ」は、猫ファンに大人気、猫カフェブームの先駆けだったが、現在はニャンジャタウンに移転している。ラストは「全力感謝祭」でフィナーレを飾った。

2021年12月 「ビヤステーション恵比寿」

恵比寿ガーデンプレイスの開業と同時にオープン

恵比寿ガーデンプレイスのシンボル的存在だった「ビヤステーション恵比寿」が、12月30日、契約満了のため閉店した。もともとビール工場だったこの場所だが、80年代から90年代は、止まっている列車の中でビールが飲める「ビヤステーション」が人気だった。その後、1994年10月、恵比寿ガーデンプレイスの開業と同時にこの店がオープン。赤レンガの建物に、醸造窯のオブジェが特徴で、個室やバルコニー席も合わせて450席の巨大なビヤレストランだった。運営はニュートーキョー。ヱビス、サッポロの各種ビールに、ソーセージやチーズなどのつまみに欧風洋食料理、ランチも人気で、サラリーマンやOLでいつも賑わっていた。私も大学のクラス会など会合でよく利用したが、おいしいビールと料理が評判よかった。27年間の歴史に幕を下ろすが、跡地はジャズクラブ「ブルーノート」が出店予定らしい。それにしても、恵比寿三越も今は無く、ガーデンプレイスもさみしくなったなあ。

2021年12月 お台場「MEGAWEB」

近未来的なかっこよさに圧倒された

お台場のパレットタウンの大規模再開発に伴い、まず第1弾として、トヨタの体験型テーマパーク「メガウェブ」が12月31日に閉館した。お台場が一躍脚光を浴びた1999年にオープン、「見て乗って感じる」モビリティのテーマパークとして人気を集めた。次世代技術を紹介し、最新の車を展示、試乗コースも楽しめた「トヨタシティショーケース」、子供たちが運転できる「ライドスタジオ」、懐かしい車が展示されている「ヒストリーガレージ」の3エリアで構成され、車の魅力を幅広い層に伝えてきた。

特に「ヒストリーガレージ」は、昭和の街並みのセットの中、50年代から60年代の国内外の貴重な車が展示され、トヨペットクラウン、トヨタスポーツ800、トヨタ2000GTなど車好きにはたまらないミュージアムだった。大観覧車やZEPPに行く時は必ず「メガウェブ」を通り抜けていくので、最初見た時は近未来的なかっこよさに圧倒されたものだ。他には例をみないユニークな施設だった。跡地には多目的アリーナが建設されるらしい。

ヒストリーガレージ。
ヒストリーガレージ。

2022年1月 お台場「Zepp Tokyo」

23年間で6000の催事、1300万人の入場者を誇る

この年末クローズの第3弾は、お台場の「Zepp Tokyo」。お台場のパレットタウン再開発に伴い、2022年1月1日をもって閉館した。1999年オープン以来23年間、最大収容人数2700人の大型ライブハウスだった。23年間で6000の催事、1300万人の入場者を誇り、日本の音楽シーンを牽引してきた。私も何度となく訪れ、国内アーティストはもちろん、ボブ・ディランやリンゴ・スター、プライマル・スクリームなどの海外アーティストのライブも楽しんだ。スタンディングで足が痛くなりながらも、目の前のアーティストに熱狂したものだ。

12月は『Thanks&So Long』月間として、ゆかりのアーティストがズラリ登場。Aiko、倖田来未、The Birthday、LUNA SEA、Dragon Ash、Creepy Nutsなどが出演。12月31日は、ELLEGARDENとBRAHMANがFINALを飾った。跡地には多目的ホールが建設予定。先に閉館した「赤坂BLITZ」に続いて、東京を代表する大型ライブハウスが無くなるのは残念だが、「Zeppダイバーシティ」の方は変わらず営業を続けてゆく。

パレットタウンの再開発は今年も続くので、今後もその都度紹介します。