かわいらしい少女のキャラクター

まず80年代風キャラと言えば、かわいらしい少女が代表的である。伊勢原の三角巾をかぶった少女や、池上のリボンを頭につけた少女などは、あの時代の少女イラストによく見られたスタイルである。

三角巾の少女。もしかすると主婦なのかも知れない(伊勢原)。
赤いリボンの少女。こういう絵を子どもの頃描いていた(池上)。

伊勢崎のクリーニング店の少女は全身が描かれているが、シャツを腰に巻くスタイルや大ぶりのアクセサリーなど、「ザ・80年代」という着こなしではないだろうか。

まさに「ザ・80年代」というべき着こなし(伊勢崎)。

少年や赤ちゃんも80年代っぽく

少年もまた、キャラクター化される。高幡不動のクリーニング店では、魔法のじゅうたんに乗った少年が両手を広げて客を呼び込んでいる。

現代のキャラにはない色遣いだと思う(高幡不動)。

「少年少女」というには幼すぎる、赤ちゃんキャラもまた80年代にはよく見られた。多磨霊園駅前のクリーニング店には、窓にこのような赤ちゃんが描かれているが、先の魔法のじゅうたん少年と同様に、色合いも含めて80年代っぽさが漂っている。

店の看板の「クリーニソグ」とも読める文字と合わせてかわいい(多磨霊園)。

動物ももちろんかわいらしい

80年代には、動物もかわいらしくキャラクター化されていた。調布のクリーニング店で見かけたヒツジも、ラフな手描き感が80年代っぽい。

ラフに描かれたヒツジ。こちらのチェーン店は1959年創業というから、結構古いキャラなのかも知れない(調布)。

同じく調布のクリーニング店のクマキャラは、80年代に放映されていた『クイズ100人に聞きました』に登場するシロクマを髣髴とさせるデザインである(あのキャラはシロクマではなく、『百太郎』というホッキョクギツネだそうだが、この際それは置いておく)。清瀬で見かけた鷲のキャラに至っては、「お、お前、イーグルサム(84年ロサンゼルス五輪のキャラクター)では……?」と思わず話しかけたくなるようなデザインであった。

このクマの顔を見ると、どうしても関口宏(『クイズ100人に聞きました』の司会)を思い出してしまう(調布)。
色合いこそ違うものの、どう見てもイーグルサムな気がする(清瀬)。

生き物でなくてもファンシーになる

80年代とは、動物以外のものたちも、ファンシーなイラストとなって登場した時代である。府中のクリーニング店のにんじんや、池上のアイロンも、懐かしい感じを呼び起こさせるデザインだ。

店名がキャロットであるからこそのにんじんだが、絵柄が80年代風(府中)。
店名のフォントと合わせてかわいいアイロン(池上)。

深大寺の泡にまみれたキャラは、泡を取り除けば人間が出てくるのかもしれないが、80年代に幼児番組『ひらけ!ポンキッキ』で流されていた「おふろのかぞえうた」に登場する、泡のオバケを思い起こさせる。

クリーニング店のデザインとして秀逸だと思う、アワ星人(深大寺)。

やはりクリーニング店のキャラは80年代っぽい。

デザイン的に6~70年代だろうか。衛兵が衣服の白さを守ってくれそうだが、ちょっと怖い(八王子)。

こうしてみると、80年代以前と思われるデザインのキャラもいるものの、やはり総じてクリーニング店のキャラは80年代っぽい。

こちらも民話に出てきそうな古いデザイン(東府中)。

80年代前後に開店して、そのままキャラクターを変えずに現在に至っているお店もあるだろう。そうだとしても、ここまで80年代風キャラが生きのびてきた理由とは何だろう。思うに、これらのキャラの持つ「親しみやすさ」と「清潔感」があるのではないか。それがクリーニング店にとっては一番大切な要素だからである。

令和の世の中になっても、こうした「クリーニング店の80年代風キャラ」がいつまでも残り続けて欲しいと願い、今日も私は街を歩く。

絵・写真・文=オギリマサホ