時間によって変わる祭りの表情
北千住駅から歩くこと約5分、住宅地にひっそりと佇む千住本氷川神社。その歴史は鎌倉時代までさかのぼる。徳治2年(1307)、上総国の千葉氏が牛田に千葉山西光院とともに創建したのが始まり。宿場町として栄え始めた江戸初期には、地主の土地奉納によって現在の場所に分社を建立した。明治43年(1910)、隅田川の洪水を防ぐための荒川放水路を建設する際、この地に氷川神社を合祀し現在にいたっている。
毎年9月には千住の街にとって大切な祭礼のひとつ、千住本氷川神社例大祭が行われる。いつ始まったか明確な記録はないが、本社神輿は弘化3年(1846)の作と伝えられ、約180年前には神輿を中心とした祭礼が行われていたことがうかがえる。2026年は9月12日(土)・13日(日)に行われ、千住の街がいつも以上に活気にあふれる。
「朝から夕方、そして夜にかけて、それぞれ違ったお祭りの表情を見ることができます」と話すのは、千住本氷川神社の禰宜・渡邊喬弘(たかひろ)さん。両日とも朝10時からは子供神輿が出て、明るく元気な掛け声が街中に響きわたる。そして、12日(土)の17時からは千住1丁目~5丁目の神輿などが一堂に会する「五町連合宵宮」が行われ、周囲は熱気に包まれる。13日(日)の午後には大人神輿が出て、威勢の良いかけ声ともに街を練り歩く。このように時間帯によって祭りの雰囲気が大きく変わるのも魅力のひとつだ。
伝統の神輿振りに注目!
江戸時代から大切に受け継がれてきた神社の神輿は2本の担ぎ棒で担ぐ「二天棒神輿」。約750kgもある神輿が倒れるのではないかとひやひやするぐらい、左右に大きく振る独特の担ぎ方が特徴だ。「地元では“江戸っ子神輿”とも呼ばれていて、実際に目の前で見るとその迫力をより体感していただけると思います」(渡邊さん)。この神輿振りは13日(日)の大人神輿の渡御の際に見ることができる。
江戸時代には日光街道最初の宿場町として発展した界隈。人や物が行き交った過去を映すように、祭りにも“人が集まり、町がにぎわう”という宿場町らしい雰囲気が残っているように感じるという渡邊さん。「祭りでは神輿を見るだけでなく、実際に北千住のまち歩きも楽しんでいただきたいです。駅前のにぎやかな商店街や新しいお店が目に入る一方で、路地に入ると昔ながらの建物や道の形が残っている場所もあります。“今の北千住”と“昔の北千住”の両方を感じながら歩くのもおすすめです」。新旧さまざまな文化が交差する北千住の街を祭りとともに楽しもう。
開催概要
「千住本氷川神社例大祭」
開催期間:2026年9月12日(土)・13日(日)
開催時間:子供神輿は両日10:00~12:00ごろ、五町連合宵宮は12日(土)17:00~20:00ごろ、大人神輿は13日(日)14:00~18:00
会場:千住本氷川神社(東京都足立区千住3-22)
アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩5分
【問い合わせ先】
千住本氷川神社☎03-3881-2857
URL:https://motohikawa.jp/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供






