いつものアノ場所が寄席に大変身!

高円寺四大祭りのひとつに数えられる「高円寺演芸まつり」は、2011年から冬のイベントとして始まった。「高円寺では春は『高円寺びっくり大道芸』、夏は『東京高円寺阿波おどり』、秋は『高円寺フェス』と名物イベントがありますが、冬はなにもイベントがありませんでした。寒いので室内でなにかできるものをと模索し、高円寺は芸人さんが多く住む街ということもあって街を演芸場にしようとイベントが始まりました」と話すのは高円寺演芸振興協会の市川華子さん。

会場は『座・高円寺』や『セシオン杉並』のような大きなホールだけでなく、高円寺エリアのさまざまな店舗や集会所など。例えば、普段何気なく利用しているカフェや居酒屋だったり、お寺や神社の広間だったり、区営コミュニティセンターの会議室だったり。意外性があるのが葬儀場の「セレモニーホール」。普段は涙に暮れる場所が、イベントでは笑いに包まれる。このように街にある身近な場所が寄席に変身し、落語はもちろん、講談、浪曲、漫才、紙切り、太神楽などのさまざまな演芸を楽しむことができる。

「開催当初はコの字型のカウンターのみのこぢんまりとした焼き鳥屋で高座を作ったりもしましたよ。今では伝説です(笑)。今年で16回目となりますが、街を演芸場にして面白いことをやろう、普段演芸に親しまない人にも高円寺を楽しんでもらおうという気持ちで当初から続けています」(市川さん)

初心者も楽しめるプログラムも多数

期間中は毎日街のどこかで寄席が行われている。午前中から夜まで多くの若手芸人が出演する「高円寺演芸まつり寄席」(2月8・15日実施)や、その名の通り浪曲と講談のみで構成されるホール公演「座・高円寺寄席『浪曲、講談 たっぷり』」(2月15日実施)、前座時代から高円寺に暮らし、高円寺で育った芸人が弟弟子と共に出演する「立川流氷川神社寄席」(2月11日実施、昼の部と夜の部あり)など、さまざまなプログラムがあるので詳しくはホームページをチェックしよう。

また、演芸初心者には短い公演から楽しんでもらうのもおすすめだという。「例えばマジックと落語の会などは1時間で2つの演芸が楽しめ、木戸銭も1000円なので、演芸の入り口としては入りやすいのではないかと思います」(市川さん)。プログラムは一部予約が必要なものもあるが、予約不要のものも多く、当日ふらりと気軽に立ち寄れるのがうれしい。

「演芸は日本に暮らす町の人たちから生まれた文化。もともと江戸時代のものだし、専門用語もあったりして難しそうというイメージがあるかもしれませんが、高円寺の街で分かりやすく広めたいという姿勢で芸人さんも携わってくれています。お散歩がてら高円寺に足を運んでもらい、ぜひ寄席を一本見ていってもらえれば」と市川さん。この機会にさまざまな演芸に触れて、大笑いして体の中から温まろう。

お寺の広間で行われた寄席。このイベントでしか見られないシチュエーションだ。
お寺の広間で行われた寄席。このイベントでしか見られないシチュエーションだ。

開催概要

「第16回高円寺演芸まつり」

開催期間:2026年2月6日(金)~15日(日)
開催時間:プログラムによる
会場:高円寺エリアの店舗など(東京都杉並区)
アクセス: JR中央線高円寺駅下車ほか

【問い合わせ先】
高円寺演芸振興協会☎050-3523-0617
URL:https://www.koenji-engei.com/

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供